俺は異世界の潤滑油!~油使いに転生した俺は、冒険者ギルドの人間関係だってヌルッヌルに改善しちゃいます~

あけちともあき

文字の大きさ
284 / 337
94・なにっ、結婚式が始まる!?

第284話 うおお金ピカのスーツ!!

しおりを挟む
「新郎のスーツです。月の女神をイメージした綺羅びやかな逸品になっておりまして」

「うわっ、眩しい! 本当に照明を反射して光り輝いているじゃないか。こんな悪趣味なのが新郎の衣装なのか? アーランの伝統なの?」

「そんな伝統知りませんな」

 仕立て屋がスンッとした顔で言う。
 おい!

「ここは第一王子夫人であられるデザイナーがですね、花嫁に太陽神、花婿に月の女神を指定するという逆張りが芸術的でして」

「そんな逆張りはいらなかったなあ! あ、でもリップルが金ピカドレスを身につけるのはよろしくないな」

「女性の場合は銀色だったそうで」

 おい!!
 なんで僕は金色なんだよ!!

 色物じゃーん!!

 なお、 布地は本当に金色の糸で編まれており、信じられないほどの手間暇が掛かっているのが分かる。
 こんな!
 悪趣味なものを作るために!
 多分とんでもない額の金が動いてる!!

「まあまあ、恐らくアーランで最も高価な衣装なんですから着てみて下さい。この一着で、騎士団長が持つアーラン最強の魔剣ギフト殺しよりも高価ですから」

「なんでこういうところに全力出しちゃったのかなあ!!」

 仕方ないので袖を通してみる。
 おほー、着心地は最高。
 手にしているとずっしり重いのに、身につけた瞬間に重さを全く感じなくなる。

 さすがは僕の体型を細く調べてオーダーメイドで作られた衣装だ。

 鑑の前でポーズを取ると、全身が反射光でギラギラ輝いた。

「うわっ、眩しっ!!」

「目が、目がーっ!!」

 仕立て屋まで目をやられてるじゃないか!
 どうやって編んだんだこれ……。

 この糸そのものは、ドラゴンの骨を魔法で分解したものを使用しているらしい。
 そのドラゴンというのがリップルが倒した例のドラゴン。
 一匹でアーランを壊滅の危機に陥れた化け物で、多分ベヒーモスより格上であろうというやつだ。

 そんなの肉体で編まれた花婿衣装が、この金ピカ!?

 ポーズを取るたびにギラギラ輝く。 
 こ、これ、反射してるだけじゃない!
 衣装が光を放っているんだ!

「こんなものを着て大衆の前に出るのか……。凄い恥ではないのか?」

「凄い勇気だと思いますよ。私にはとてもできない」

 仕立て屋が愛想笑いをしたので、僕は服をギラギラっと光らせてやったのだった。

「うわーっ!! 目が、目がーっ!!」

 話が進まないので、花婿衣装はこれでよしとしておいた。
 なお、次に高いのがリップルの花嫁衣装。
 あれには多重の魔法による守りと、全ての神殿からの祝福が掛かっている。

 つまり、ウェディングドレスにしてこの国……いや、大陸最強の鎧でもあるのだ!
 なんでそんな凄いのよりも、僕のギラギラ花婿衣装の方が高価なんだよ!!

「ナザルー、花婿の衣装はどんな感じの……ウワーッ目が眩むーっ!!」

「ごしゅじーん! きゃーまぶしーい!!」

 見に来たリップルとコゲタまで眩しくて直視できないではないか!
 ええい、この服、本当に大丈夫なのか!

 なお、この輝きを抑えようとしてインクやらを付着させても、あっという間に輝きが洗い流してしまうのだそうだ。
 強い。

「骨のままなら私の魔法でなんとでもなったと思うのだけど、こうやってナザルに合うように衣服の形で再構成されたら、なんだかとんでもない魔法抵抗力を得てしまったようだね……。衣服の形をしたドラゴンみたいなものだ。ナザルの油で動いてる」

「そんな馬鹿な」

 でもあり得るかも知れない。
 なんてとんでもないものを作ったのだ王国よ。
 しかもこれは、僕らの結婚式が終わった後は展示されるらしいじゃないか。

 この結婚式、とんでもないものになるぞ……!!
 僕は今から戦慄するのだった。

 ちなみに、コゲタは花道にお花を撒く役割を受け持っている。
 そのために、天使風の可愛い衣装をデザインしてもらっているのだ!

「コゲタは可愛いなあ。とても似合っている」

「うんうん、かわいいかわいい」

「えへへー」

 僕とリップルにべた褒めされて、コゲタが照れた。
 これは楽しみだな。
 天使のように可愛いコゲタが花を撒いて場を暖めた後、僕とリップルが出てきて地獄のような空気になるわけだ。

 誰得だ、この式!!

 だが、話がデカくなり過ぎて、もう僕らでどうこうできる領域を超えている。
 凄まじい金が動いているから、ここでやめさせるなんて悪いじゃないか。

 こうして式の日がどんどん近づいてくるのだった。
 アーランに、続々と外国のお客さんたちがやって来る。

 まあみんな王族とかだよね。
 どんどん偉い人が来るぞ。
 そして式場を見て腰をぬかさんばかりに魂消る。

 これを見てうちの王族たちが大喜びしている。
 なんだこいつら、なんだこいつら。

 僕らの式で、これまでの一年間で稼いだ国家の利益を全部叩き込み、さらに結構な借金をしたらしい。
 何考えてるんだ。
 いや、間違いなく僕らが結婚することで全部ペイできると踏んでの判断だろう。

 数十年越しの失恋で国王陛下がヤケクソになっているだけではないと信じたい。
 なにせ、僕に刺客を送ろうとしてたらしいからな。
 孫がいるのにまだまだ全然リップルのこと好きじゃん……!!

 なんか愛憎とか愉悦とかグルメとか色々なものが渦巻く中、ついにアーラン最大のイベントが始まるのだった。

しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

処理中です...