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第5章 祝福されるふたり
5-17 離したくない……。
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カーテンの隙間から朝日が差し込む。
隣に眠るエドワードは、まだ、深い眠りの中にいるようだ。
その寝顔を見て、昨夜のことを思い出すルイーズは、それもそうだろうと納得する。
美しい鼻筋に艶っぽく伏せた瞼。わずかに笑みを浮かべたような、口元。
ルイーズは、「この人は、眠る顔さえ心をきゅんとさせるのか」と、しげしげと見入っている。
覗かせる上半身。彼の寝姿に見惚れ過ぎて、きゅぅぅっと、うずく子宮。
昨夜の幸せな時間に浸るルイーズは、次第に、……耳まで真っ赤に熱くなる。
朝が苦手だとエドワードから聞かされていた。そのときのルイーズは、それを全く信じていなかった。
そんなことを言うエドワードは、騎士の訓練に、ルイーズより先に着いていたのだから。
けれど確かに今、ルイーズが動き出そうとしても、エドワードに起きる気配はない。
ルイーズは、絡みつくエドワードの腕を、自分から剥がし、浴室へ向かおうとする。
もぞもぞと動いたルイーズは、彼の腕の中からスルリと抜け出た。
……だが、エドワードの腕が再びルイーズを逃がす気はないと、絡まってくる。
……既に目覚めているのだろうか。
「エドワード、起きるよ」
「……」
優しく声を掛けるも返答はない。
彼はまだ寝ている……。
そう思うルイーズは、もう一度同じことを繰り返す。
……結果、エドワードに捕獲されている。
カチンときたルイーズは。彼をゆさゆさと大きく揺すりながら、彼の名前を大きな声で呼ぶ。
「はぁぁーっ、何なのよ。起きているんでしょう。起きてよ、エドワード」
「くくっ、やっと気付いたのか。ルイーズが、俺を誘ってきたところから、とっくに目が覚めていた。王宮へ行くまで、まだ時間はあるしな。そもそも、午前中はルイーズとふたりの時間だって決まっていたからな」
うれしそうな顔をするエドワードは、ルイーズの髪をなで始める。
「ちょ、ちょっと待ってよ。朝から駄目よ。ふしだらだって、周りから笑われるわよ」
「誰に笑われるのか知らないが、そんなこと、ふたりの秘密にしておけば誰にもバレないだろう」
ルイーズにキスを落とすエドワード……。
「目覚めたらルイーズが腕の中にいて、こんな幸せな朝は初めてだ。俺にはルイーズだけが特別なんだ。何処にも行かないで、ずっと離したくない……」
そう言って、甘えてくるエドワードに、ルイーズは、うっとりと彼に身をゆだねる。
……結果。王宮へ向かう時間がギリギリになってしまった。
**
そんな2人は、王宮の中をぎゃぁーぎゃぁーと、騒ぎながらエドワードの部屋に向かっている。
「エドワードのせいで、朝ごはんを食べ損ねたじゃない。あしたからは駄目だからね」
「ルイーズがかわいいから仕方ないだろう。あしたのことまで約束はしない、きっと無理だ。部屋に着いたら何か食べられるから機嫌を直せ」
王宮に与えられているエドワードの部屋へ入ると、机の上に小さな箱が山積みになっている。
それがいつものことなのか、そうではないのか判断がつかないルイーズは、静かにエドワードの顔を見つめる。
エドワードは、眉間にしわを寄せ怪訝そうだ。
その表情を見た彼女は、この光景が異常なことだと察知した。
「ねぇ、この箱は何?」
「分からん……。だが、俺の部屋にあるのに、どの箱も『ルイーズ様へ』となっているな……」
「開けてみるわね……」
エドワードの了解を得ると、ルイーズは、そのうちの1つを確認した。
すると、光沢のある美しいチョコレートが、行儀よく箱に収まっていた。
目を見開いて驚きつつも、ルイーズはにんまりと、既にそれをつまみ上げようとしている。
「ルイーズ! むやみに食べるなよ。何か入っているかもしれないだろう」
「えーっ、こんなにおいしそうなのに、駄目なの……」
チョコレートを見て、ゴクリと唾をのんだルイーズの喜びは、慌てたエドワードによって搔き消されてしまう。
どういうことだと不信に思うエドワード。
彼は、箱の送り主の名前を1つ1つ確認し、ある心当たりに辿り着くと、額に手を当て考え込んでいる。
「どうかしたの?」
「この箱の送り主は、以前、救護室で治療を求めていた貴族たちだな。受付係が追い返した記録に残っていたはずだ。昨日のモーガンを見て、次に会うときまでに、ルイーズに恩を売りたいんだろう。おそらくチョコレート自体に問題はないはずだが、念のため、俺が隣にいるときしか、贈られたチョコレートを食べるのはやめておけ」
「じゃぁ、今はいいわね」
そう言って、チョコレートをぱくっと食べ、ルイーズは顔を綻ばす。そんな彼女を、エドワードは複雑そうな表情で見守る。
少しして、目をそらすビリング侯爵が食事を運んできた。
……嫌な予感がすると、エドワードは急いで陛下の元へ向かって行った。
独りポツンと残されたルイーズは、暇つぶしのため、届けられたチョコレートの送り主を記録し、添えられている手紙を読み込んでいた。
どれもこれも、祝福の言葉ばかりが書かれており、ほっこり温かい気持ちになっている単純なルイーズ。
隣に眠るエドワードは、まだ、深い眠りの中にいるようだ。
その寝顔を見て、昨夜のことを思い出すルイーズは、それもそうだろうと納得する。
美しい鼻筋に艶っぽく伏せた瞼。わずかに笑みを浮かべたような、口元。
ルイーズは、「この人は、眠る顔さえ心をきゅんとさせるのか」と、しげしげと見入っている。
覗かせる上半身。彼の寝姿に見惚れ過ぎて、きゅぅぅっと、うずく子宮。
昨夜の幸せな時間に浸るルイーズは、次第に、……耳まで真っ赤に熱くなる。
朝が苦手だとエドワードから聞かされていた。そのときのルイーズは、それを全く信じていなかった。
そんなことを言うエドワードは、騎士の訓練に、ルイーズより先に着いていたのだから。
けれど確かに今、ルイーズが動き出そうとしても、エドワードに起きる気配はない。
ルイーズは、絡みつくエドワードの腕を、自分から剥がし、浴室へ向かおうとする。
もぞもぞと動いたルイーズは、彼の腕の中からスルリと抜け出た。
……だが、エドワードの腕が再びルイーズを逃がす気はないと、絡まってくる。
……既に目覚めているのだろうか。
「エドワード、起きるよ」
「……」
優しく声を掛けるも返答はない。
彼はまだ寝ている……。
そう思うルイーズは、もう一度同じことを繰り返す。
……結果、エドワードに捕獲されている。
カチンときたルイーズは。彼をゆさゆさと大きく揺すりながら、彼の名前を大きな声で呼ぶ。
「はぁぁーっ、何なのよ。起きているんでしょう。起きてよ、エドワード」
「くくっ、やっと気付いたのか。ルイーズが、俺を誘ってきたところから、とっくに目が覚めていた。王宮へ行くまで、まだ時間はあるしな。そもそも、午前中はルイーズとふたりの時間だって決まっていたからな」
うれしそうな顔をするエドワードは、ルイーズの髪をなで始める。
「ちょ、ちょっと待ってよ。朝から駄目よ。ふしだらだって、周りから笑われるわよ」
「誰に笑われるのか知らないが、そんなこと、ふたりの秘密にしておけば誰にもバレないだろう」
ルイーズにキスを落とすエドワード……。
「目覚めたらルイーズが腕の中にいて、こんな幸せな朝は初めてだ。俺にはルイーズだけが特別なんだ。何処にも行かないで、ずっと離したくない……」
そう言って、甘えてくるエドワードに、ルイーズは、うっとりと彼に身をゆだねる。
……結果。王宮へ向かう時間がギリギリになってしまった。
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そんな2人は、王宮の中をぎゃぁーぎゃぁーと、騒ぎながらエドワードの部屋に向かっている。
「エドワードのせいで、朝ごはんを食べ損ねたじゃない。あしたからは駄目だからね」
「ルイーズがかわいいから仕方ないだろう。あしたのことまで約束はしない、きっと無理だ。部屋に着いたら何か食べられるから機嫌を直せ」
王宮に与えられているエドワードの部屋へ入ると、机の上に小さな箱が山積みになっている。
それがいつものことなのか、そうではないのか判断がつかないルイーズは、静かにエドワードの顔を見つめる。
エドワードは、眉間にしわを寄せ怪訝そうだ。
その表情を見た彼女は、この光景が異常なことだと察知した。
「ねぇ、この箱は何?」
「分からん……。だが、俺の部屋にあるのに、どの箱も『ルイーズ様へ』となっているな……」
「開けてみるわね……」
エドワードの了解を得ると、ルイーズは、そのうちの1つを確認した。
すると、光沢のある美しいチョコレートが、行儀よく箱に収まっていた。
目を見開いて驚きつつも、ルイーズはにんまりと、既にそれをつまみ上げようとしている。
「ルイーズ! むやみに食べるなよ。何か入っているかもしれないだろう」
「えーっ、こんなにおいしそうなのに、駄目なの……」
チョコレートを見て、ゴクリと唾をのんだルイーズの喜びは、慌てたエドワードによって搔き消されてしまう。
どういうことだと不信に思うエドワード。
彼は、箱の送り主の名前を1つ1つ確認し、ある心当たりに辿り着くと、額に手を当て考え込んでいる。
「どうかしたの?」
「この箱の送り主は、以前、救護室で治療を求めていた貴族たちだな。受付係が追い返した記録に残っていたはずだ。昨日のモーガンを見て、次に会うときまでに、ルイーズに恩を売りたいんだろう。おそらくチョコレート自体に問題はないはずだが、念のため、俺が隣にいるときしか、贈られたチョコレートを食べるのはやめておけ」
「じゃぁ、今はいいわね」
そう言って、チョコレートをぱくっと食べ、ルイーズは顔を綻ばす。そんな彼女を、エドワードは複雑そうな表情で見守る。
少しして、目をそらすビリング侯爵が食事を運んできた。
……嫌な予感がすると、エドワードは急いで陛下の元へ向かって行った。
独りポツンと残されたルイーズは、暇つぶしのため、届けられたチョコレートの送り主を記録し、添えられている手紙を読み込んでいた。
どれもこれも、祝福の言葉ばかりが書かれており、ほっこり温かい気持ちになっている単純なルイーズ。
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