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優未

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恋した人は、父の罪を暴くために近付いてきただけだった。

「君みたいな世間知らずのお嬢さんを騙すのは簡単だったよ」

今まで見せていた優しい婚約者の顔はどこにもない。

「―――今からどこか遠くへ逃げるのもいい。調査に協力してくれた礼だ、君のことは罪に問わないであげるよ」

彼が言う通り世間知らずである私に1人で逃亡する術などなかった。父は隣国と通謀してクーデターを企てた。国家反逆罪は一族郎党皆殺し…私も父と共に投獄され、命を落とした



はずだった。



「リナリア嬢、どうかされましたか?」

名前を呼ばれた方に目を向けると、そこにいたのは元婚約者のエル・リンジームだった。私たちはとっくに婚約を解消したはず。だってこの人は

「ガーネット様とお付き合いを…」

「っ…ご存じでしたか」

「…はい」

恋人の存在を認めたことで婚約を結ぶことなくその場はお流れとなった。焦る元婚約者の様子にも違和感がある。ガーネット様との関係を知ったのは一緒にいる場面に出くわしてしまったからで、こんな風にお茶をしながら話した記憶はない。記憶?頭がこんがらがる。いや、そうではない。そもそも私は処刑されたはずで…

今までのは夢?いや、夢なら目覚めたときはベッドの上のはずだ。それに、夢というにはあまりにも鮮明すぎる。まだ婚約を結ぶ前ということは、あの時からおおよそ一年前。信じられないが、私の中で1つの考えが浮かぶ。しかしそんな魔法の存在は聞いたことがない。あったところで私は魔法を使えない。


「時が巻き戻った?」
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