俺がモテない理由

秋元智也

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第一話 どうしてこうなった?

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俺は、桜井陸。
小学校から一緒の親友でもある森田誠治と同じ
大学へと通っている。

頭のデキが違うせいか、勉強はついていくのが
やっとだ。

誠治は勉強もできて、スポーツも万能。
何をやらせても、そつなくこなしてしまう天才
肌なのだ。

一緒にいる俺は、いつもそんな誠治と比べられ
褒められた記憶などあるはずもなかった。

そして。一番悔しいのが、誠治はとにかく誰に
でも優しいのだ。
女性なら、すぐに勘違いしてしまうほどに優し
過ぎる対応で、誰も彼もが彼の虜になる。

「今日もあの先輩が付けて来てるぞ?」
「あぁ、先週の?困ったなぁ~」
「だから下手に優しくするからだろ?がつんと
 言って来てやろうか?」
「陸、そんな事言わなくてもいいよ。なんだか
 可哀想だし……」

じっと、見つめると大きなため息を漏らした。

「ああ言うのをストーカーって言うんだぞ?まぁ
 女性のストーカーなんて一人や二人じゃねーけ
 どな……」

そう、誠治につきまとうストーカー女は一人では
ない。
今回の事で一人増えただけに過ぎないのだ。

だからと言って、誠治は付き合うわけではない。
なぜなら、このストーカー女達は、全員誠治がフ
っているのだから。

フラれても諦めがつかない女達は、せめて見つめ
るだけと言い訳をしながら、毎回陰からこっそり
眺めるようになるのだ。
それがストーカー女を作るきっかけだった。

「顔がいいだけの男より、もっと他に目を向けね
 ーもんかね~」
「はははっ…僕の顔好きなの?陸ったらかわいい」
「はいはい、俺は可愛いのよ?まぁいいけど…」

この年になっても、俺には恋人は愚か友人も誠治
しかいなかった。

だから、仕方なく一緒にいる。

そして、それが大変な事に巻き込まれていく事に
なったのだった。

それは、その日にしては風が強い日だった。
風に混じって鉄分の匂いがしたのだ。

「誠治、なんか……」
「陸、どうしたの?」

いきなり足元が光に包まれると、次の瞬間周りの
景色が変わったのだった。
何もない草原といえば正しいだろうか。

そして、そこへ多くの鎧を来た騎士達が馬で駆け
て来たのだった。

いきなりの異世界テンプレとしては、ありきたり
の光景だった。

勇者として召喚されたのは、森田誠治だった。
あぁ、そうですよ!俺はただのモブだったんだ。

それからは、本当に大変な旅だった。

一年という長い期間、聖女と戦士と一緒に旅を
続ける事となった。

魔王復活にあたって、魔王退治の旅だった。
色々な町へと寄っては、魔物退治をした。

時には、死にそうになりながらも、戦い抜いた。
勿論、俺は異世界チート能力を持って転生したら
しい。

それは無限の魔力だった。

俺、天才?
そう思ったが、そうではなかった。

無限の魔力を持っていても、最初から魔法が使え
るわけではなかったのだ。

ちくしょー。なんだよ、普通最初からでかい魔法
が打てるんじゃなかったのかよ……。

そう愚痴りながらも、ゲームで培った知識でコツ
コツと魔法を習得し、魔王城まで辿りついたのだ。

そこで見たのは、普通に暮らす魔族の人達だった。
魔王と言っても、人間界へと攻める気は全くない
という平和主義者だった。

そして、話し合いの末。
森田誠治は和睦を理由に勇者は魔族領を攻め込まな
い代わりに、魔族も人族に戦いを挑まないと契約を
交わしたのだった。

お互いに、破らない事を前提に魔力契約をした事で
平和が訪れたのだった。

勿論、魔族も一枚岩ではない。
反対派の勢力を根こそぎ倒す事で、恒久的な平和を
勝ち取ったというわけだった。



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