俺がモテない理由

秋元智也

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第二話 王都に屋敷を貰う

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魔王討伐。
表向きはそう言う定で話が進んだ。

だが実際は、魔法契約でお互い不可侵条約を結んだ
というのが、正しい見解だった。

それなら、人間の国の皇帝へ挨拶を済ませて、無事
平和になった事を伝えたのだった。

「これで、平和が訪れる事になったはずです」
「よくやってくれた。さすが勇者だ。褒美を持って
 いくがいい。女か?それとも爵位か?」
「いえ、僕は……僕らを元の世界に帰して下さい」

一瞬皇帝の顔が固まるのを見逃さなかった。

「それは…困ったのう。召喚の儀式はあってもその
 逆は資料が残っておらんのじゃ……そうじゃ、勇
 者には我が娘を与えよう。リリス・フォン・ロー
 レンシア。ここへ」

奥のドアが開くと、勇者一行の前に派手なドレスを
来た女性が現れたのだった。

見るだけで、身分が高いことがわかる。
皇帝の娘というのだから、後継ぎなのだろう。
そして、その伴侶になればこの帝国の次期皇帝と
なる。

「誠治……まじかよ……羨ましいな…俺にはないの
 かよ」
「勇者一行の魔術師であられる桜井様には、貴族の
 ご令嬢はいかがですかな?」
「おっ、それは嬉しいな…」

俺にも貴族の令嬢?
って事は身分もそれなりに高くなるんじゃね?

誠治ほどじゃなくても、俺も活躍したもんな~。

自分で自分の活躍を自慢げに言うと、胸を張った。

「お待ちください。僕は、そのような知りもしない
 女性を娶る事は致しません。それに…陸にそのよ
 うに勝手に紹介しないで欲しい」
「そうか?連れは喜んでいるようだが?」
「そうだぞ、俺にも春が来るって言うのに…」
「ダメだ!僕たちはいつこの世界から居なくなるか
 わからないんだぞ?そんな中途半端な事はダメだ
 よ」
「それは……確かにな……」

誠治が断った事で、勇者一行の聖女レイネはほっと
していた。

どう見ても、誠治の事が気になっているように見え
る。
旅の途中で何度も誠治の寝込みを襲おうとして失敗
していた。

「レイネには可能性はないと思うぞ?」
「なっ…あんたには関係ないでしょ?それにいつも
 いつも邪魔ばっかりして……」
「おい、レイネやめておけ、ここは王城だぞ?」
「………」
「………」

戦士、モンド・リオールの言葉にレイネも、俺も黙
ったのだった。
誠治は断固として、婚約は受け入れなかった。

「皇帝命令だぞ?」
「それでも。お断りします。僕は心に決めて人がい
 るので、その人が振り向いてくれるまで、諦める
 つもりはないのです」

誠治がどれほど純情なのかを、一番よく知っている
のは誰を隠そうと俺だろう。

「なら、金のがいいんじゃねーか?」
「そうですね。魔王討伐の褒美は、金貨でお願いし
 ます」

誠治ははっきりと言うと、金貨100枚を受け取る事
になったのだった。
勿論、それだけではない。

王都の一画に大きな屋敷ももらった。

「屋敷……ありがとうございます。これで、宿では
 なく。一緒に住めるね?陸」
「あぁ…そうだな」

そんなに嬉しいのだろうか?
自由に動けると言う意味では、屋敷よりも普通に宿
でいい気がするのだが…。

俺にはあまり嬉しくはなかった。

だが、誠治があまりに嬉しそうだったから反対はで
きなかった。

王城を後にすると、一旦街に戻ると宿の荷物を持
ってもらったばかりの屋敷へと向かった。

「うわぁ~、すっごく大きい……」
「無駄にデカくないか?」

俺にはそこまで喜ぶ意味がわからなかった。
元没落貴族のお屋敷らしい。
今は使われておらず、周りは雑草が生い茂って
いた。

「わぁ~、素敵な屋敷ですわね!ここで一緒に住
 めるなんて……」
「おい、なんでお前が一緒に来てるんだよ?」

俺の指摘に頬を膨らませながら抗議してきたのは
聖女のレイネだった。

いつも同じパーティにいるせいで忘れているよう
だが、彼女も誠治にフラれているのだ。
それも、何度もだ……。

「あはは、いくところがないなら、いいよ。僕は
 陸さえいてくれたらそれでいいから。陸は一緒
 に住んでくれるでしょ?」
「まぁ~仕方ねーな。毎回宿じゃ高いしな」

ニッコリと笑うと、俺の腰に手を回すと抱きつい
て来た。
本当に甘えん坊なやつだ。

全く、俺がしっかりしねーとな。


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