俺がモテない理由

秋元智也

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第三話 好きな人

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俺には、いつも返答に困る事があった。

それは、幼馴染みの森田誠治の事だ。
彼は、とにかくモテる。

男女構わず、とにかく優しいのだ。
それは、俺に対しても同じだった。

「今日は朝食作ってみたんだけど、一緒にどうか
 な?」
「ん?あぁ……そういえば腹減ったかも…」
「なら、一緒に食べよう。」
「あぁ。さんきゅな」

一緒に住むようになる前から、こう言う事はよく
あった。

毎回気を使い過ぎだと言っても、全く変わらなか
った。
それだけではない。

「そういえば、また振ったんだって?」
「ん?そうだね。なんか勘違いさせてしまったみ
 たいなんだ。僕には好きな人が居るって言った
 んだけどな~」
「その好きな人って誰だよ?どうせ戻れねーなら 
 こっちで見つければいいだろ?」
「うん?ここに居るよ?僕には陸さえいれば、そ 
 れでいいからねぇ~」

なんつー事を言い出すんだ?
って、そう言いながら俺の口元についたソースを
指で拭うとペロリと舐めたのだった。

「また悪い冗談か?まぁいい。俺も誠治がいれば
 それでいいよ。勇者がいなければ、魔王討伐も
 無理だったしな」
「そういう意味じゃないんだけど。まぁ今はそれ 
 でいいよ。ほんと、陸は手強いなぁ~……」

そう言って、いつも冗談で流されるのだ。
俺だって可愛い子から告白されてみたいもんだぜ。

こうして魔王も討伐して報奨金ももらった。
そして死ぬまで毎月もらえる謝礼金は国から支給
されるのだった。

だが、誠治は皇帝の娘との縁談を断ってしまった。
これが俺たちにどんな意味を持つかなど、知る由
もなかったのだった。

帝国の首都に屋敷をもらって、報奨金で優雅に暮
らす事も可能になった。
だが、俺たちはそうはしなかったのだった。

「今日も依頼探しに行こう!」
「あぁ?金だって余裕だろ?」
「いいじゃん、たまには二人で行かない?」
「たまにはって……絶対あの女がついて来るだろ?」

その女とは、同じパーティーメンバーだった聖女
のレイネの事だった。

戦士のモンドは、一緒に暮らす事を断り宿に今で
もいる。
その理由はわからないが、すっごい勢いで拒否さ
されたが印象的だった。




     ♦︎




あの日は、屋敷をもらって誠治が嬉しそうにして
いた。
そして、夕飯がてらに飲みに言った時だった。

「報奨に屋敷をもらったんだ、よかったらモンド
 も一緒に暮らさない?レイネも行くところない
 って言うから一緒に暮らすんだけど?」

誠治は悪気もなくモンドを誘ったのだ。

「屋敷か……陸も一緒なのか?」
「勿論。いつも陸とは同じ部屋を取ってたからね。
 彼がいないと僕が眠れないんだよ」
「そうか……なら俺は遠慮しておく……」
「なんで?モンドって陸の事気に入ってたと思っ
 てたけど?」
「…/////……ばっ……それは……」

小首を傾げた誠治にモンドは顔を真っ赤にしてい
たのだった。

「どうした?お、モンドも一緒に住むのか?」

なんの気なしに言った陸の言葉に、モンドは何も
言わずに走って行ってしまった。

「どうしたんだ?あいつ……」
「さぁーね、まぁ、僕ら3人になりそうだよ?
 掃除は任せてもいい?」
「あぁ、魔法でちゃちゃっと済ませてやるよ」

こうして、今に至るのである。



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