俺がモテない理由

秋元智也

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第二十六話 別行動

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夜になると、モンドたちと合流した。

「まったく、どうしようもないですわね」
「全くだ!それでも冒険者かと言いたいくらいだ」

何か二人は愚痴を漏らすように集合場所の宿屋の
一階へと戻ってきていた。

「何かあったのですか?」

誠治が不思議そうに聞くと、聞いてくれとばかり
に二人は話始めたのだった。

人が神隠しのように消えていくので、ギルドでも
対策を打ったらしい。
それが、A級冒険者に依頼を出す事だった。

だが、俺らが到着する数日前にその冒険者が慌て
て依頼を取消しにきたと言うのだ。

『俺たちじゃ手に負えねー。他を当たってくれ!
 仲間がやられたんだ。俺らは手を引く。ランク
 が下がっても構わねー取り消させてくれ』

あまりに危機迫る勢いで言ってきたので、それを
承諾したのだという。

そのあとに来た勇者パーティーの自分達が依頼を
取った事を知って、簡単に説明だけしたらしい。

なので、A級パーティーが失敗した事や一人犠牲
になった事を言わなかったのだそうだ。

「それって、やっぱりタンク?それとも戦士?」
「戦士よ。タンクの人は命からがら逃げてきたと
 言ってたけど……多分逃してもらったんでしょ
 うね…普通、回復職を無効化したなら、そのま
 ま全滅させるはずだもの」
「だよな~、やっぱりこれは……」

モンドも同じ意見らしい。

「見せしめって事かな?あるいは、僕らに対して
 の当てつけか……」
「そうだろうな……」

誠治がポツリと言った言葉にモンドも頷いた。

「どっちにしろ、性格が悪いわね」

レイネも同感だと頷く。

「まぁ、私達には魅了も通じないから問題ないけ
 ど、街の人はそうではないのよね~」
「まさか、街の人全員には使えないよな?」

俺が言った言葉に、二人は何も言わんかった。

「だって、眷属は一日一体なんだろ?」
「魅了は数に制限はないわ。聖水で正気に戻るけ
 どかかってる人と、そうではない人の区別がつ
 かないのが問題なのよ」
「魔力が高いか、聖武器所持者。これが魅了にか
 からない条件だからな」

モンドが自慢気に言う。

「なら、魔力の少ないモンドは危ないって事か」
「それなら大丈夫だ。そんな事もあろうかと…」

モンドは腰に下げた探検を抜いた。
それは聖剣を鍛えた時に余ったアダマンタイトで
作った武器だった。

剣士なので大きな大剣を持ってはいるが、一応は
投擲武器として所持しているらしい。

「それに、陸にもあるだろ?その世界樹の杖は聖
 剣よりも神聖な杖だぞ?」
「そう……なんだ」

なるほど、勇者パーティーは全員が聖武器保持者
という事だったのだ。

「まぁ、油断はできないがな」

モンドの声に重なるように誠治が呟く。

「それにしても、奴の居所もだけど、心臓の隠し
 場所も探さないとな……」

確かに一理ある。
奴を見つけても、肝心の弱点が無ければ、無限に
再生してしまうのだ。

「いっそ、吊し上げて朝日を浴びせるとか?」
「その時は灰になっても、いつかは復活しますよ?」
「えっ……灰になったら終わりじゃねーの?」
「だから純血と言ったでしょ?混血ならそれでい
 いのですが、奴は純血のバンパイアの王だった
 と」

そう言えば、そんな事も言ってた気がした。
厄介な………。

なんでそんなのが、魔王に仕えてるんだよ。
自立してろよっ!

俺は、今それどころではないのに…。
確かにあの時、チラッと見えたあの顔。
微かに思い出す笑顔。

彼女に似ていたのだ。

「陸、今日の夜少し出かけない?」
「あぁー私も夜は暇ですわよ?」
「それって、最近ユニコーンの目撃があるってあ
 の丘に行くのか?だったら俺も…」

レイネに続いてモンドまで行くと言い出したのだ
った。

「君たちは別で行けば……」
「なら、お前らだけで言ってこいよ。俺はいいや。
 ちょっと疲れたから先に寝るわ」
「ちょっと、陸っ……」

楽しみにしていた誠治には悪いが、俺は飯を食べ
終わると早々に2階の取ってある部屋に行く。

いつもなら、すぐに眠気が来るのに、今日は目が
覚めてしまっていた。

「そう言えば、いつものアレがないんだっけ……」

いつもは、寝る前に誠治が甘い蜂蜜入りのホット
チョコを入れてくれた。

疲れた時や、寝苦しい夜はそれを飲むと、ぐっす
りと眠れたのだった。

「甘え過ぎかな……あいつがいつも甘やかすから
 俺も……」

つい甘えてしまっていたのだと気づいたのだった。








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