俺がモテない理由

秋元智也

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第二十五話 ユニコーンの伝説

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人通りの多い広場では、屋台が出ていた。
誠治は串肉を買ってくると、当たり前のように俺
にも渡してきた。

別に食べたいなら自分の分だけでもいいのに。
誠治はいつもそう言う気遣いが出来る奴なのだ。

だから……誰にでも好かれるのだ。

「はい、陸の分」
「ありがと……」

一口齧ると肉汁が溢れてきて、塩しか掛けていない
はずなのに、美味しかった。

「ここの結構美味しいね」
「…………そうだな」

誠治は俺を元気づけようとしている。
それは分かるのだが、今は少し干渉に浸りたかった。

ただ黙って食べ終えると、空を眺めた。

雲一つない青空が、眩しい。

「ねぇ、陸はバンパイアの弱点ってなんだと思う?」
「それは、あれだろ?聖武器や、聖剣だろ?」
「うん、それもあるけど……ユニコーンが嫌いみたい」
「はぁ?それって伝説上の生き物だろ?」
「そうでもないらしいよ?さっきレイネに聞いたん
 だけどね。この海辺の街は年に数回ユニコーンが
 見られるんだって。カップルで見ると幸せになれ
 るって言い伝えがあるって言ってたんだ」

そう言う迷信は女子が好きそうな話題だった。

もれなく、レイネも誠治と一緒にみたいと思って
話したのだろう事は見え見えだった。

「それで?夜にでも行くのか?」
「えっ……いいの?」
「あぁ、勝手に見てこいよ」
「何を言ってるの?陸も一緒に行くんだよ?陸が
 いなかったら僕が見ても意味ないでしょ?」
「……?」

何を言い出すのか!全くこの友人は女に言えば喜
びそうなセリフを俺に言ってどうするんだよ?

「そう言えば、金貨って毎月ギルドに振り込まれ
 るんだよな?ギルドが預かってくれるならさ、
 各自持ってなくてもいいんじゃねーの?」
「陸、言ってなかったけど、帝国を出る時に言わ
 れたんだ。リリス皇女との縁談を断ったからさ
 、振り込まれる額も下がるってさ」

一瞬耳を疑った。

魔王討伐の報奨金だったよな?
それも、死ぬまでもらえるって言ってなかったか?

「なんでだよ?ずっと振り込むって言ってなかった
 のかよ?」
「まぁ、そうだろうと思ったけどね。別に僕はそれ
 でも困らないし、いいと思うんだ」
「よくないだろ?俺の金でもあるわけだし……」

つい言葉が出てしまう。
勇者パーティーの金なのだ。

だから、俺の金でもある。

「また稼げばいいじゃん。僕らなら簡単でしょ?
 冒険者登録もしてあるし、ランクだってもうB級
 になったじゃん。それに僕は陸がいれば、問題な
 いと思ってるよ?だって、陸あれからすっごく強
 くなったじゃん」
「それは……そうだけど……」

それでも、貰える物はもらいたい。
のんびりしたスローライフをしたいのだ。

この世界に来てから慌ただしい生活だった。
最初の一年は死に物狂いで魔法を覚えた。
その後は、旅に出て野党に襲われながらも魔王城に
辿り着いたのだ。

戦わずに済んだけど、それでもそれからは魔王と
一緒に魔族の討伐をして平和を勝ち取ったのだ。

ここで、また魔族の残党なんかに邪魔されたくは
ないのだった。



 

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