俺がモテない理由

秋元智也

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第四十七話 作戦実行

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今、未来を知っているのは、陸だけだろう。
だからこそ、自分の知っている未来を変えようと
考えたのだった。

無駄に命を散らす必要はない。
だが、この先の街を放置もできない。

サキュバスの魅了にかかった街の人達を元に戻す
事と、魔族であるサキュバスを追い出す事。
どちらも犠牲を出さずに解決させたいのだ。

サキュバスだと見抜けば、街の人を人質にとって
事あるごとに一人ずつ自害させた。

あの時は、それを食い止める為に、皆殺しにする
しかなかった。

もし、あの時話し合いで何とかなって居たら……。
もっと違った未来が来て居たかもしれない。

俺には、前の時の失敗がある。
今度こそ、上手くやるんだ。

そう決意を新たにしたのだった。


「さぁ、行こうぜ。そのサキュバスが支配して
 いる街にさっ」
「そうだね、街の皆を解放してあげないとだね」

誠治はいつも優しい。
だが、今回だけは普通の方法ではダメだった。

情報屋から聞いた街の状況をモンドと、レイネ
に話すと、すぐに出発しようという事になった。

「まずは、中に潜入してからが問題ですわね」
「魅了にかかっているなら、こっそり逃す事も
 出来ないだろうなぁ~」

レイネの言葉にモンドが反応する。
確かにそうだろう。
前回はそうして潜入してから、何とか説得しよ
うと試みたところを、潜入がバレて戦う事にな
ってしまったのだ。

あれは、本当に酷い戦いだった。

街の人は次々に自害していくし、サキュバス達
は色々な魔眼を駆使してくるしで、よく勝てた
と自分でも思ったくらいだった。

今度は、あのような大惨事にはさせないように
しなければならない。
そして、あの時ちらりと見えたサキュバス達の
中にナオが居た事だった。

周りに護られるような位置にいたのを思い出し
たのだ。

ナオの魔眼は真実を見抜くものだった。
戦いには不向きだが、交渉にはとても使える。

そして何より、護られるほどの地位に居るとい
う事が一番引っかかったのだ。

「今回は俺にいい考えがあるんだ。それは……」

俺はニヤリと笑うと、作戦を話し出したのだっ
た。


話し終えると、レイネが疑いの視線を向けてく
る。

「そんなに上手く行くかしら?それに、人質っ
 って一つ間違えたら向こうの怒りを買う事に
 なるのよ?いっそ、街の人間を説得する方が
 いいと思うわ。それに聖水があるんだし魅了
 を解いていけば逃す事も可能じゃない?」
「う~ん、そうだね。聖水があるのが一番の強
 みだからね。でも、陸はそれじゃ~ダメだと
 思ってるんだよね?」

誠治が俺をじっとみてくるので、力強く頷く。

「あぁ、それじゃダメだな。すぐに奴らに伝わ
 っちまう。奴らが人間を生かしておく理由も
 ないしな」
「それなら、わざわざ魅了を使って今も生かし 
 ておく理由もないじゃない」
「それは……精を……こほんっ、奴らの食事だ
 ろ?」
「確かに……サキュバスは一定期間のうちに精
 を摂取しないと生きていけない種族だからな」

モンドが納得したように頷く。

「だったら…」
「でもだ、その人質にするサキュバスは本当に
 大丈夫なのか?下っ端なら切り捨てられるだ
 けだろう?」
「いや、大丈夫だ。そこは俺に考えがあるんだ」

俺の考えは、一種の賭けに等しい。

もし、違って居たら、前回のように街の住人ご
と全滅ルートまっしぐらなのだ。

「分かった。僕は陸の意見に乗るよ」
「勇者様っ……ですが…」
「僕は陸がそうしたいのなら、それに従うよ?
 失敗したら僕らでカバーすればいいじゃない
 か」

誠治は全くもって男前だった。

「誠治、ありがとな」
「うん、勿論信じてはいるけど、一人で先走ら
 ないでね?」
「分かってるよ」
「俺らもいるのを忘れて貰っては困るな」

全面的に信じてくれる誠治に、協力的なモンド。
レイネは反対したそうだが、誠治が言えばなん
でも聞くので問題はなかった。

早速その街へと向かったのだった。





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