屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜

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第二章

伯爵様と一緒☆

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 「わー、すごーい、お空も海も青いのに、ちょっと色が違うのね? 空と海の境の線がずーっと続いてるよ! 地平線みたいー!」
 「ああ、地面と空との境は地平線と言うが、海と空の境は水平線と呼ぶんだ」
 「すいへいせーん」

 可愛らしいミルフィの声に、荒んだ心がちょっと癒やされる。

 海に囲まれた日本では、水平線を見るのはそんなに大変な事じゃないからな……。
 むしろ現代日本で地平線を拝むのは不可能じゃないかと。
 いや、北海道へ行けば見れるのか……?

 まぁ、良い。
 今私達が居るのは、伯爵様のチャーターした船の中。
 次の寄港地まで二泊三日の旅である。

 その間の食事は船で提供してくれるらしい。

 そのための料理人や給仕の人まで居るんだぜ?
 その分船代が高くなるなら「要らん」と言ってはみたけど。

 「ははは、伯爵家自慢の船の乗り心地は如何かな?」

 先のから本邸へ帰るらしい伯爵様も同乗するとあって、あっさり却下された。
 ……そう、あのデカい屋敷が別荘だって!

 たまたまあの港町に視察に来てたその時に私達が営業しちゃったもんだから、伯爵様の目に留まったと。
 ……なんつー間の悪さ。
 流石に泣きたくなったよね。

 「旦那様、昼餐の支度が整いましたので、食堂へどうぞ」
 「おお、待っておったぞ!」

 伯爵様が一人、お貴族様用の食堂へ消えていく。

 私達は使用人用の食堂で、シーフードピラフを頂く。
 うん、まぁ美味しい。
 けど、この昼食代だけで一日三食分の費用が飛んで行く事を思うと、ね……。

 ちなみに船の規模は小さなフェリー程。
 私達には男女に分かれて二部屋、二段ベッドを設えた部屋を与えられている。
 馬車とクロエは荷室と専用馬房に居る。
 さっき様子を見てきたら、幸いクロエは船酔いもなく元気そうだった。

 船酔い、といえばむしろ……

 「うぅ、美味そうな匂いのはずなのに、今はとんでもなく不愉快だなんて……、うぅ……」

 ロイスが気分悪そうにしている。

 馬車酔いする様な子じゃないんだけどね。
 やっぱり船慣れはしてないからなー……。

 海は初めてでも船には慣れてるミルフィは平然とピラフ食べてるからね。
 冒険者稼業で海にも慣れてる彼は言うに及ばず。

 「冒険者ギルドでも、貴族様の無茶振りはあるからな。しかしこちらは対価が命となりかねんから、間にギルドが入ってヤバい案件は受け付けない事になっている。こればかりは金で何とかなる話ばかりじゃないからな」

 しかし、商業はまさに金がものを言う世界。
 商人も、貴族の顧客を持つか持たないかの差は大きい。

 故に、私達にとって最大の盾となり得る商業ギルドの守りも今回は全くの役立たずなのである。
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