6 / 10
5話 勉強タイム①
しおりを挟む
「すいません。遅くなりました。ええと、この国の歴史でしたよね。」
「はい。そうです。教科書のページは、57ページです。」
「はい。」
寝室から戻ってきたアイリスは椅子に座り歴史の教科書を開いた。
ノートも準備をして家庭教師、ルグリスを真っ正面から見た。
ルグリスは苦笑した。
「準備は終わったみたいですね。じゃあ、この国の創立者は誰ですか?」
「フェイリア・リジア・クリントンです。」
「その通りです。我が国、クリントン王国は隣国、パリアランス帝国のお力添えがあってこそできた国です。もともとクリントン王国があったところには、亡国ゼシル王国があったところです。ゼシル王国はパリアランス帝国に戦いを挑み返り討ちにあったあげくのはてに滅ぼされた王国です。本来ならパリアランス帝国の領土となるはずでしたが、当時の皇帝は帝国の皇族で皇位継承権を持たない第5王子、フェイリア・リジア・クリントン国王陛下がご即位なされるよう皇帝陛下がおっしゃったそうです。そのような理由で亡国ゼシルの跡地にクリントン王国ができたのです。」
アイリスはルグリスが言ったことを分かりやすくかつ簡潔にノートにまとめた。
アイリスの手が止まるのを待ってからルグリスはおもむろに口を開いた。
「先ほど寝室で誰かと話されていたようでしたが?いったい誰とどんな話を?」
アイリスはピキリと固まった。ナノハも目を丸くしてアイリスを見る。
「なぜそう思ったのですか?」
アイリスはなるべくルグリスと目をあわせないようにして言った。
「それは、話し声が聞こえてきたからです。どんな内容かは分かりませんでしたが女の子の声でしたね。またアイリス様の今の態度が本当だとものがたっています。何か異論はありますか?」
アイリスは下を向き、ナノハは声をあげた。
「質問です!お嬢様はなぜ、そのような密会を?」
会った前提で話が進められている。
「勿論、皇太子の婚約者についてや、密会相手と約束をしたり。いろいろではないでしょうか?」
ナノハが納得したようにうなずきアイリスが叫び声をあげた。
「なんで話の内容を知っているの!」
ナノハが「ああ。やっぱり密会を。」と小さな声でつぶやきちらりとルグリスを見た。
「あっていましたか。前回来た時に、寝室に盗聴器を設置しました。」
「は?じゃあ、あの話も?」
「勿論。これで一語一句間違いなく聞き取りました。録音もしていましたが今から見ますか?」
ルグリスは耳にはめているイヤホンを指先でたたいた。
アイリスはヤバイとばかりに即答した。
「見る?誰が見るのよ!ルグリス。あなたね。絶対国王陛下に見せるでしょ!」
ルグリスが大きくうなずいた。
「もちろん。」
アイリスが青ざめた。
「常習犯だ。」
「今なんと?」
聞こえていたらしい、ルグリスがアイリスに微笑みを向けた。
「あ、いえ。なんでもありません!」
「そうですよね?まさか常習犯だなどと言っておりませんよね?」
「も、勿論言ってません。っていうかなんで私が常習犯などと言うのですか?」
「それは勿論他の所でもやっているのでは?と思ったからですよね?」
「聞こえてたんですか!」
「もちろん。」
「なら、内容は知っていますよね!授業に戻りましょう!」
「そうですね。まぁ。そんなに慌てないでください。今週の土曜日には絶対にしないので。もっと早くしてあげますよ。」
「えっ!しなくていいです!しなくていいです!」
思わずアイリスは机をバンッ、と叩いて立ち上がった。
「はい。そうです。教科書のページは、57ページです。」
「はい。」
寝室から戻ってきたアイリスは椅子に座り歴史の教科書を開いた。
ノートも準備をして家庭教師、ルグリスを真っ正面から見た。
ルグリスは苦笑した。
「準備は終わったみたいですね。じゃあ、この国の創立者は誰ですか?」
「フェイリア・リジア・クリントンです。」
「その通りです。我が国、クリントン王国は隣国、パリアランス帝国のお力添えがあってこそできた国です。もともとクリントン王国があったところには、亡国ゼシル王国があったところです。ゼシル王国はパリアランス帝国に戦いを挑み返り討ちにあったあげくのはてに滅ぼされた王国です。本来ならパリアランス帝国の領土となるはずでしたが、当時の皇帝は帝国の皇族で皇位継承権を持たない第5王子、フェイリア・リジア・クリントン国王陛下がご即位なされるよう皇帝陛下がおっしゃったそうです。そのような理由で亡国ゼシルの跡地にクリントン王国ができたのです。」
アイリスはルグリスが言ったことを分かりやすくかつ簡潔にノートにまとめた。
アイリスの手が止まるのを待ってからルグリスはおもむろに口を開いた。
「先ほど寝室で誰かと話されていたようでしたが?いったい誰とどんな話を?」
アイリスはピキリと固まった。ナノハも目を丸くしてアイリスを見る。
「なぜそう思ったのですか?」
アイリスはなるべくルグリスと目をあわせないようにして言った。
「それは、話し声が聞こえてきたからです。どんな内容かは分かりませんでしたが女の子の声でしたね。またアイリス様の今の態度が本当だとものがたっています。何か異論はありますか?」
アイリスは下を向き、ナノハは声をあげた。
「質問です!お嬢様はなぜ、そのような密会を?」
会った前提で話が進められている。
「勿論、皇太子の婚約者についてや、密会相手と約束をしたり。いろいろではないでしょうか?」
ナノハが納得したようにうなずきアイリスが叫び声をあげた。
「なんで話の内容を知っているの!」
ナノハが「ああ。やっぱり密会を。」と小さな声でつぶやきちらりとルグリスを見た。
「あっていましたか。前回来た時に、寝室に盗聴器を設置しました。」
「は?じゃあ、あの話も?」
「勿論。これで一語一句間違いなく聞き取りました。録音もしていましたが今から見ますか?」
ルグリスは耳にはめているイヤホンを指先でたたいた。
アイリスはヤバイとばかりに即答した。
「見る?誰が見るのよ!ルグリス。あなたね。絶対国王陛下に見せるでしょ!」
ルグリスが大きくうなずいた。
「もちろん。」
アイリスが青ざめた。
「常習犯だ。」
「今なんと?」
聞こえていたらしい、ルグリスがアイリスに微笑みを向けた。
「あ、いえ。なんでもありません!」
「そうですよね?まさか常習犯だなどと言っておりませんよね?」
「も、勿論言ってません。っていうかなんで私が常習犯などと言うのですか?」
「それは勿論他の所でもやっているのでは?と思ったからですよね?」
「聞こえてたんですか!」
「もちろん。」
「なら、内容は知っていますよね!授業に戻りましょう!」
「そうですね。まぁ。そんなに慌てないでください。今週の土曜日には絶対にしないので。もっと早くしてあげますよ。」
「えっ!しなくていいです!しなくていいです!」
思わずアイリスは机をバンッ、と叩いて立ち上がった。
0
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
毒姫の婚約騒動
SHIN
恋愛
卒業式を迎え、立食パーティーの懇談会が良い意味でも悪い意味でもどことなくざわめいていた。
「卒業パーティーには一人で行ってくれ。」
「分かりました。」
そう婚約者から言われて一人で来ましたが、あら、その婚約者は何処に?
あらあら、えっと私に用ですか? 所で、お名前は?
毒姫と呼ばれる普通?の少女と常に手袋を着けている潔癖症?の男のお話し。
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる