乙女ゲームの隠れチートモブ〜誰も知らないキャラを転生者は知っていた。〜

浅木永利 アサキエイリ

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一章5幕 王族と舞踏会、そして子爵級魔族

2話 聖十ノ徒 グライ

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舞踏会という地獄が終わってようやく一段落着くと思ったらまさかの2度目の招待状が届いた。次は見ずに燃やそうと思ったが、手紙のマークを見てそれをやめた。

クレアの誕生日会の招待状だった。

「おい、ルシアルカ。今夜クレアの所に行く。そうそうないと思うけど襲撃されたら確実に消せよ。そう強くなければ問題ないと思うからな。ただ、めっちゃくちゃ強いのであれば、、、テレパシーか、煙幕弾を放て。転移で駆けつけるからな。」

俺はルシアルカに元気に言うと、明るく返事を返してくれた。

だが、俺は知らなかった。これから俺の家に来るやつは俺には及ばなくても、、、彼らと相性が良く、俺らを脅かす、そんな存在とは知らず、、、俺は出かけてしまった。

ークレアの館ー

クレア。侯爵家生まれの闇魔法の才能を持った天才少女。ただ、生まれ育った環境は時期が悪く、両親は既に姉を当主にする気満々であり、姉も自分以上の才能に妬み家族総出で、クレアをないものにした。妹のクレアはどこかの政略結婚にでも使われる、、、はずだった。
本来の彼女はそのせいで心を閉ざし、そして世界を壊す魔王、、、この世界のラスボスになった。
だがそこに現れたのは勇者ではなくーーモブで世界最強のアラルだった。

「、、、アラルくん、、、来てよ、、、はやく、、、」

今日は彼女の誕生日会。いつもはそんなことしてくれないが、今回は何故か開いてくれた。いつもはしてくれないが、今回だけ優しい両親に違和感を覚えながらも、アラルくんを誘えるということに喜び、その違和感を放置した。
前日に両親の部屋の前を通るとその違和感の理由を知った。

『帝国の王子はいつになったら来るのかしら。あの子を早く連れてって欲しいわね、、、』

『まぁクレアの誕生日会の前に来るはずさ。それにしても帝国の王子に好かれるとは、、、つくづく運がないというか、、、いや、まあ私らから見たら得だがな。』

私を帝国の王子の花嫁にすること、、、帝国の王子は気性が荒く、正確に難ありということをよく聞いた。だからこそ、早くアラルくんが来て欲しいのだ。

「いや、最悪自分の手で、、、」

そう呟くと、自分の館の前にひとつの馬車が来た。紋様は帝国の王家、、、十中八九帝国の王子だろう。
アラルくんがまだ来ないとなると、自分の力で敵を倒すしかない、、、相手は剣術の技術が高い。だが、私のもある力がある。アラルくんから教えて貰った【邪悪支配】どんな魔法、技術より1段強い世界最強クラスの能力、、、これで、、、最悪時間を稼ぐ、、、アラルくんが来るまで!

「【邪悪支配】黒色領域 五感」

次の瞬間、王子達はきょろきょろし始める。周りが見えないからだ。この領域にいるものを全て五感を消すという能力。五感がなければ立つこともできないが、アラルにやると効かなかった。彼いわく、第六感を使えばいいだけという話だ。まぁとりあえず時間稼ぎは出来ている。後は何時間持つか、、、私は精神をすり減らしながら、能力を発動する。

「おいおい、そんなそこだけに集中してちゃダメだぜ?」

そんな呟きが、後ろから聞こえてくると、すぐに後ろを向くが、時すでに遅く、手刀で眠らされた。
かすかに見えた最後の光景には、かなり太った中年男性で、フードに十字架のエンブレムを着け、中にはパンツ一丁の姿をしたアラルくんが言っていた、いわゆる変態のようなものだった。

「いやぁ途中何回も転移したけど、かなり時間が遅くなった。」

クレアのいる館に行くと、帝国の王家のエンブレムが道半ばに落ちていた。

「、、、こりゃかなりの非常事態だな、、、」

俺はすぐに神剣 幻死蒼剣を構えて、走り出す。多分相手は聖十ノ徒の右腕【グライ】だろう。
ゲームのチュートリアルが終わってすぐに戦った2面のボス。元々暗殺者で、その腕を買われて聖十ノ徒に入ったらしい。ここまでが彼の設定だ。
そして俺がこの世界に介入して気づいたことがある。いつぞやのボスの時もあったが、地味にボスのレベルのようなものが高くなっている気がする。気の所為にしては強くなりすぎているのだ。クレアが支配を覚えたのに戦った形跡が少ないところを見るに暗殺者に手も足も出ずに負けたということだが、レベル差があれば負けることは無い。なのに負けたということはそれだけ相手のレベルが上がっているということだ。
万が一にも俺が負けることは無い。だが、クレアに何かあったら、、俺は俺を抑えることが出来ないだろう。
そう思うと同時にある場所から殺気を感知する。こちとら元最強暗殺者であり殺し屋なのだ。殺気をコンマ数秒でも垂れ流したらすぐに気づける。相手はこっちに誰かいるということしか把握していない。相手はクレアを襲った張本人だろう。相手に躊躇はいらない、、すり潰す。

「神剣 神名解放! 幻死蒼剣!」

今までは相手の位置と空間、場所を把握することだけしか出来なかったが、今ではそれを不意をつき、なおかつ、全てのルールを無視して発動ができる。それ即ち、圧倒的物量と、質量による殺戮!!

「【叢雲】【叢雲】【叢雲】【叢雲】!!!」

なんでも切る一閃。暗殺者のいるところに無作為に放ち続ける。今の気分?ほら、ゲームで自分だけチート使えた時の高揚感。あれだよ。ちょーーきもちぃ。
だが、相手もこれでやられるほどやわではなかった。

「、、いやぁまじか、、1人残ってるな、、それも警戒が全く途切れない、、目が閉じる時でさえ感覚を研ぎ澄ましてる、、こーなったら最終奥義で行くか」

俺はすぐに相手の場所に転移し、目の前で居合切りの構えを取り、そして一閃と同時に俺は魔法を使う。

「時空魔法 タイム バック」

それはこの空間全体に作用し、そして、全ての斬撃は戻り、やがて雨のように降り注いだ。

「、、さて、これでも生きてるって言うことは、、君が聖十ノ徒右腕のグライだね?」

俺は至って冷静に、、いや、内なる怒りを沈めて、俺はそいつに質問する。

「ははっ、こんな化け物相手なら安請け合いするんじゃなかったぜ、、まあいいか、あぁ。俺がNo.2のグライだ。ちなみにお前、、なんで来た?こいつに好意を持つやつは帝国の皇子っていうイカれたやつぐらいだと思ってたんだが、、まぁ俺の感もそんくらいってわけか、、まぁ、その皇子からの仕事だからな、、まぁ足止めさせてもらうぜ?」

相手のやる気は満タン。俺もその怒りを増大させ

「憤怒術式、、焦土。」

相手を自身の領域に引きずり込み、ニコッと不気味な笑みを浮かべる。

「いいぜ、速攻でぶっ潰してやるよ!」

俺は天双剣 アタルカを構えて、いつも通り消しにかかる。

「霊流ーーー威風堂々。」

横一閃をしようとすると同時に斬撃を放つ時刀身がブレる斬撃を放つ。だがかつてアサネに見せたようなただブレる斬撃ではなく、全てが当たり判定のある斬撃。それは蜃気楼のようで、少し違う。まさに神の一撃となっていた。

「おいおい、困難当たったら死ぬどころかチリも残んねぇんじゃないか?
固定魔法 至宝結界」

グライはそれを避けることはせず、ただ魔法で防御した。本来なら魔法すら切断する攻撃は、軽々と防がれる。これがグライの固定能力。固定したものを全てほぼ無敵の状態にする。もちろん制限があり、1個固定を使うと、他のものには出来ないというもの。だが、それはゲームの設定。俺がこの世界に入り込んだことによってそれは、、ほぼ無限に無敵になれる。【無敵】のグライとなる。

「、、だがその無敵の固定。次の10手で壊してやるよ。」

そして俺はそれを破る宣言をする。
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