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三章 ゴミ拾いともふもふ融合
39 シルバーフォックスの姉妹
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『アイツら行った?』
『うん、今日も生き延びたわね』
『本当にね。絶対にこの餌場は譲らないんだから!』
『そうね、こんな魔力のたくさん詰まった餌場、手放す方がどうかしてるわよね』
『ねー』
ロキやソニン、プロフェンが逃げ帰った姿を見送るのは二匹の子狐。
ルーク達が出会ったシルバーフォックスは、二匹のうちの一匹だっらーたのだ!
一匹が相手を翻弄し、もう一匹が死角から魔法の連撃を加えていたのだ。真正面から戦う術しか持たぬロキ達は、この姉妹の連携によって痛手を負っていた。
もし真正面から戦うタイプであったのなら、力は拮抗していたように思うが、そこは姉妹の方が駆け引きが上手だった。
姉のインフ、妹のルエンザ。
二匹共に災害級に至る三尾である。
『最初出会った時、雑魚だと思ったのに』
『まさか群のヌシが他に居たとはね』
『アレでもあたし達に至るくらい強かったわよ?』
『でも、あたし達の方が一枚上手だった。大丈夫、アイツらまっすぐ突っ込むことしか知らない猪よ。どれだけ凄い力を持ってたってあたしとアンタの敵じゃないわ』
『そうだといいわね。でもアイツ……普通じゃなかった』
先ほど戦ったハンターラビット。
恐ろしいほどまでの気迫。その上で魔法を使った。
今までそんな個体見たことない。
『ユニークかしら?』
『この餌場で育ったからユニークになった?』
『じゃあ、死に物狂いで奪いにくるかもね』
『実際、毎回手を焼いてるわ。アレだけ手傷を負わせたのに、翌日には何事もなかったように襲ってきたのよ? きっとここ以外にも餌場を持ってるわよアイツ』
『欲しいわね、そこの餌場も』
『奪っちゃいましょうよ、そこの餌場も』
『ふふ、悪い子ねルエンザ』
『インフこそ、引き止めないじゃない』
『だってぇ、強くなる為には芳醇な魔力を蓄える必要があるもの』
そう言って、逃げ帰ったハンターラビットのナワバリの上に生えるレインボートリュフに食いついた。
『んふ、やっぱり美味しい』
『傷は癒えないけど、魔力の回復でトントンよね?』
『癒しの魔法は使えないのよね。尻尾が増えたら使えるようになるかしら?』
『保有魔力量次第じゃない? 回復させてくれる隙を与えてくれるとは思わないけど』
『自然治癒しかないかー』
『頻繁にこないことを祈るわ』
『でも縄張り奪われたアイツが他の部下連れてきたら流石に厳しいわよ?』
『罠でも仕掛ける?』
『かかってくれるかしら?』
『かかっても気づかずに突っ込んできそうね』
『あー、そう言うところありそー』
想像の上で罵倒し、勝ち取った餌場を堪能する。
三日かけて勝ち取った餌場は、それから一週間平穏な日々を送った。
『ねぇ、ルエンザ? 本当に来なくなったわね、アイツら』
『本当ねー、おかげで魔力が弱まってあまり成長できなかったわ』
姉妹は四尾へと成長したが、災害級を超えることはない。
最低限で三尾。最高でも八尾を災害級とする。
尾が一本増えるたび、扱う魔法の数も増えるのだが、それに付け加えて、九尾に至れば人に化けるのだ。
人の中に混じり、唆かす。
文字通り興味本位で国を滅ぼす脅威となるのだ。
故に傾国。
それに至らない内はちょっと強いだけの化け物にすぎない。
それでも人類にとっては十分厄介だが。
◇
その頃ロキ達は、修行の末に新しいスキルの扱い方を取得していた。
『へぇ、浮遊と伸縮、引き寄せにこんな使い道があるなんてな』
ロキの言葉に僕は本当だよねぇと同意する。
『問題はあたしが砲弾がわりになるって不満点くらいだよな』
『プロフェン版もあるぞ!』
伸縮のスキルを発動させ、最大限に縮めて全力パンチでカッ飛ばすと言うゴリ押しの遠距離攻撃手段だった。
相手が遠距離でくるならこっちも遠距離だ! みたいな脳筋なノリだ。頭の中まで筋肉である事を自他共に認めているところあるよね。
なお、ロキが全力で殴ってもソニンもプロフェンも無傷が約束されている。僕の編み物を二重三重に纏わせての安全重視である。
おかげで身動きが取れないが頑丈さだけは跳ね上がったのでヨシ! とはロキ談。
この二名が不満の声をあげてる理由は、せっかくのリベンジ戦に共闘できない事にある。やられっぱなしで終われないのはバトルジャンキーのハンターラビットならではだ。
あとプロフェンは単純に食い意地の問題だね。
食い物の恨みは怖いことを教えてやるんだって意気込んでいるところへ砲弾として抜擢されたのだ。憤りは凄まじいものだった。
他にも回りくどいスキル運用方もいくつかあった。
『養分抽出』によるレインボートリュフからの魔力強奪だ。
問題はあの場所でシルバーフォックスに見つからずに実行する事が今の僕には厳しいこと。
浮遊で移動したって、匂いでバレるってソニンに指摘されたよね。
そもそもロキが許可しなかったし。
『そんなズル、ハンターラビットの沽券に関わる。俺の戦いは真剣勝負だからな!』
言ったら聞かないロキがこうなったらもう僕は止められない。
戦場に向かう彼らに対し、僕ができることと言えば。
労って見送る事くらいだ。
頑張ってね、みんな。
『うん、今日も生き延びたわね』
『本当にね。絶対にこの餌場は譲らないんだから!』
『そうね、こんな魔力のたくさん詰まった餌場、手放す方がどうかしてるわよね』
『ねー』
ロキやソニン、プロフェンが逃げ帰った姿を見送るのは二匹の子狐。
ルーク達が出会ったシルバーフォックスは、二匹のうちの一匹だっらーたのだ!
一匹が相手を翻弄し、もう一匹が死角から魔法の連撃を加えていたのだ。真正面から戦う術しか持たぬロキ達は、この姉妹の連携によって痛手を負っていた。
もし真正面から戦うタイプであったのなら、力は拮抗していたように思うが、そこは姉妹の方が駆け引きが上手だった。
姉のインフ、妹のルエンザ。
二匹共に災害級に至る三尾である。
『最初出会った時、雑魚だと思ったのに』
『まさか群のヌシが他に居たとはね』
『アレでもあたし達に至るくらい強かったわよ?』
『でも、あたし達の方が一枚上手だった。大丈夫、アイツらまっすぐ突っ込むことしか知らない猪よ。どれだけ凄い力を持ってたってあたしとアンタの敵じゃないわ』
『そうだといいわね。でもアイツ……普通じゃなかった』
先ほど戦ったハンターラビット。
恐ろしいほどまでの気迫。その上で魔法を使った。
今までそんな個体見たことない。
『ユニークかしら?』
『この餌場で育ったからユニークになった?』
『じゃあ、死に物狂いで奪いにくるかもね』
『実際、毎回手を焼いてるわ。アレだけ手傷を負わせたのに、翌日には何事もなかったように襲ってきたのよ? きっとここ以外にも餌場を持ってるわよアイツ』
『欲しいわね、そこの餌場も』
『奪っちゃいましょうよ、そこの餌場も』
『ふふ、悪い子ねルエンザ』
『インフこそ、引き止めないじゃない』
『だってぇ、強くなる為には芳醇な魔力を蓄える必要があるもの』
そう言って、逃げ帰ったハンターラビットのナワバリの上に生えるレインボートリュフに食いついた。
『んふ、やっぱり美味しい』
『傷は癒えないけど、魔力の回復でトントンよね?』
『癒しの魔法は使えないのよね。尻尾が増えたら使えるようになるかしら?』
『保有魔力量次第じゃない? 回復させてくれる隙を与えてくれるとは思わないけど』
『自然治癒しかないかー』
『頻繁にこないことを祈るわ』
『でも縄張り奪われたアイツが他の部下連れてきたら流石に厳しいわよ?』
『罠でも仕掛ける?』
『かかってくれるかしら?』
『かかっても気づかずに突っ込んできそうね』
『あー、そう言うところありそー』
想像の上で罵倒し、勝ち取った餌場を堪能する。
三日かけて勝ち取った餌場は、それから一週間平穏な日々を送った。
『ねぇ、ルエンザ? 本当に来なくなったわね、アイツら』
『本当ねー、おかげで魔力が弱まってあまり成長できなかったわ』
姉妹は四尾へと成長したが、災害級を超えることはない。
最低限で三尾。最高でも八尾を災害級とする。
尾が一本増えるたび、扱う魔法の数も増えるのだが、それに付け加えて、九尾に至れば人に化けるのだ。
人の中に混じり、唆かす。
文字通り興味本位で国を滅ぼす脅威となるのだ。
故に傾国。
それに至らない内はちょっと強いだけの化け物にすぎない。
それでも人類にとっては十分厄介だが。
◇
その頃ロキ達は、修行の末に新しいスキルの扱い方を取得していた。
『へぇ、浮遊と伸縮、引き寄せにこんな使い道があるなんてな』
ロキの言葉に僕は本当だよねぇと同意する。
『問題はあたしが砲弾がわりになるって不満点くらいだよな』
『プロフェン版もあるぞ!』
伸縮のスキルを発動させ、最大限に縮めて全力パンチでカッ飛ばすと言うゴリ押しの遠距離攻撃手段だった。
相手が遠距離でくるならこっちも遠距離だ! みたいな脳筋なノリだ。頭の中まで筋肉である事を自他共に認めているところあるよね。
なお、ロキが全力で殴ってもソニンもプロフェンも無傷が約束されている。僕の編み物を二重三重に纏わせての安全重視である。
おかげで身動きが取れないが頑丈さだけは跳ね上がったのでヨシ! とはロキ談。
この二名が不満の声をあげてる理由は、せっかくのリベンジ戦に共闘できない事にある。やられっぱなしで終われないのはバトルジャンキーのハンターラビットならではだ。
あとプロフェンは単純に食い意地の問題だね。
食い物の恨みは怖いことを教えてやるんだって意気込んでいるところへ砲弾として抜擢されたのだ。憤りは凄まじいものだった。
他にも回りくどいスキル運用方もいくつかあった。
『養分抽出』によるレインボートリュフからの魔力強奪だ。
問題はあの場所でシルバーフォックスに見つからずに実行する事が今の僕には厳しいこと。
浮遊で移動したって、匂いでバレるってソニンに指摘されたよね。
そもそもロキが許可しなかったし。
『そんなズル、ハンターラビットの沽券に関わる。俺の戦いは真剣勝負だからな!』
言ったら聞かないロキがこうなったらもう僕は止められない。
戦場に向かう彼らに対し、僕ができることと言えば。
労って見送る事くらいだ。
頑張ってね、みんな。
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