甘味食して、甘淫に沈む

箕田 はる

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「何って、見れば分かるだろ」
 明臣が挑発するような目で、清次を見返す。春信は怒られると、身体の温度が急激に下がっていく。
「こんなとこでしたりして、春信君が身体を痛めたらどうするつもりなんだ」
「……えっ」
 春信は目を見開き、清次を見つめる。不機嫌そうではあるが、怒ってはいないようだった。
「……それはそうだな」
 明臣も予想外の対応に困惑はあれど、納得したように立ち上がる。
「大丈夫か?」
 明臣に手を取られ、引き上げられるように立たされる。
「来なさい」
 そう言いながら、清次が向かったのは寝室だった。
「本当は夫婦の寝室だから、部外者は入れたくないのだが……」
 扉を開き、清次が春信の手を引く。寝台の前に春信を立たせると、背後から清次が春信にだけ聞こえるように耳元で囁く。
「今日だけだよ。どちらが君に相応しいか、証明してみせるからね」
 春信は唾を飲む。一体何をするつもりなのか、春信には想像出来かねていた。ただ、心臓だけが何かを予感しているかのように、高鳴っていた。
 清次が春信をこちらに向かせると、唇を重ねる。春信の指に絡ませるように、清次の指が割り込む。絡み合う舌先をそのままに、寝台に押し倒され、明臣とは違う優しくも執拗な愛撫が始まる。
「おい、勝手に始めるなよ」
 明臣が寝台に乗ったことで、春信の頭上が沈む。
 清次が上体を起こしたことで唇が離れ、唾液が糸を引く。色香漂う清次を惚けたような目で見送る春信を、明臣が後ろから抱き起こす。
「春信」
 強引に顔を後ろに向けられ、明臣が噛みつくような口づけをする。
「んっ……はぁッ……」
 その荒々しさに、春信は苦しさと甘い快楽に酔いしれる。
 口づけに夢中になっているうちに、清次に帯を解かれ春信の浴衣の前が開かれる。首筋から、胸元へと熱い手の平と濡れた舌先が煽るようにして辿る。
「ッ……ぁ……やっ」
 明臣に顎を掴まれ、春信は口端から何とか喘ぎを漏らす。清次の様子が見えないだけに、与えられる刺激がいつもより強い。
 腹部から下肢に唇が降りる擽ったさと快楽。上からも下からも責め立てられ、春信は下肢が痛いほどに反応していた。
 清次が春信の立ち上がった竿に口づける。それだけで、目が眩らんでしまう。
 春信は耐えきれず唇を離す。
「あ、だめっ……せいじくん」
 口に含まれ、春信は清次の頭に手をやる。逃れようとするも、今度は明臣が後ろから押さえつけ、浴衣を脱がされる。手を前に回し、曝け出された春信の素肌を弄り始める。
「えっ……ぁ……あきおみ」
 唇を塞がれたことで、さらに逃げ道も拒絶も防がれる。
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