112 / 171
第三章 ウェルカムキャンプ編
109
しおりを挟む
俺は次に、ローウェルに視線を移した。
俺はみんなに耳を貸すようにジェスチャーをした。
ジールとローウェルは面白そうに耳を寄せ、キルとキースは一応聞く体制をとってくれた。
「ローウェル、あの時の約束を果たすよ。治そう、ローウェルの魔力回路。そして、一緒につくろう、魔導士の黄金時代を。(小声)」
俺がそういうと、全員目を見開いて固まってしまった。
魔力回路とは、その名のとおり身体の中にある魔力が流れる管だ。ローウェルは初学院1年生の時に上級魔法を発動しようとして、魔力回路がズタボロとなり、魔導士生命を絶たれてしまっていた。
その魔力回路を、俺が治療すると約束したのだ。
そもそも、魔力回路の修復は不可能と言われていた。魔法はイメージだ。魔力回路は血管のように確かに体の中に存在するが、物理的には見えないのだ。だから、どのようなものかしっかりとイメージすることができず、治療が困難だった。
それから、後から判明することだが、魔力回路には本人の魔力が濃密にダイレクトに流れている。そこに他人の魔力で回復魔法を行使しようとしても、魔力が反発しあい治療が不可能でもあった。
それを、俺が治すと言ったのだ。みんなが驚きを隠せなくても仕方がない。
すると、ローウェルが俺のことをさっと抱き寄せた。
「………ありがとう、アース。」
「まだお礼を言うには早いよ、ローウェル。実際に魔力回路の治療をしたわけではないから、可能性があるとしか言えない。………それでもいい?」
「ああ、アースに任せるぜ。」
「うん、全力を尽くすよ。早速今晩にしようか、魔法の訓練を再開する上でも早い方が良いよね?」
俺がそういうと、すぐに首を横に振ってキルの方をちらっと見やった。
「俺の治療よりも、主の方が先だな。ジールから色々聞いているだろ? アースも主と2人で話したいだろうし、主もきっと望んでいる。だから、今晩は主との時間にあててくれ。」
「ローウェルがそういうなら………わかったよ。明日、必ず治療しようね。」
「ああ、よろしく頼むぜ。」
すると、少し低い声で声をかけながら、キルが俺とローウェルを引きはがした。
キルの方をちらっと見ながら話をしていたので、不快にさせてしまたのだろう。
「おい、何を2人でこそこそ話しているんだ? アース、ローウェルの治療は治療して終わりじゃない。魔力回路が壊れた者がいきなり魔法を使えるようになったら、周りの
人間はどう思う? 治療の前にしっかりとした根回しが必要だ。」
うっ………確かにそのとおりだ。
国内だけではなく、「悪魔の呪い」と同様に諸外国に広まる内容に思える。俺はそのまま項垂れてしまった。
「まあそう落ち込むな。俺が、兄上やザールに話をつける。アースは思ったように行動すればいい。ローウェルのこと、よろしく頼むな。」
………なんというか、すごく成長したような気がする。
思春期な部分はおいておくとしても、冷静だし対応も的確だ。剣術だけではなく、王族として主としての勉強も当然の様にこなしてきたのだろう。
「うん、キルにお願いするよ。ありがとう。」
「………ああ。」
すると、キルは眩しそうに俺のことを見つめた。いつものように、そっぽを向くと思ったけどどうしたのだろうか?
俺とキルがちょっと見つめ合っている状態になっていると、アクア先生の声が聞こえてきた。
「挨拶は済んだかしら? それでは、授業を始めますの。」
ーー
貴族院は、午前2コマ・午後1コマという時間割だ。
今日の午前は、どちらも座学だった。初学院の内容が少し難しくなった感じだ。算術はまあ、前世知識があるとして歴史は予習範囲内だったため、ゆるりと受けた。
午前のコマが終わったということは、いよいよ楽しみにしていた昼食だ!
貴族院内にはレストランがあるのだ。さて、どのくらい美味しいのだろうか?
すると、キルは机に立てかけていた自分の剣を掴んだ。まあ、騎士だから教室に剣を置いていくわけはないかな………?
「じゃあ、騎士棟に行ってくる。」
「え? 昼食は?」
騎士棟にもレストランがあるのだろうか? それとも、お弁当を持ってきているのだろうか?
どちらにしても、食べるならみんなで一緒に食べたいけどな………。
「昼食は………いらない。今日は腹がすいていないから、剣を振りに行ってくる。」
昼食を食べないで、剣を振りに行く………あっ、そうだ。ジールから、キルはオーバーワークだと聞いていたんだ。でもまさか、食事を抜いてまで訓練をしているとは思わなかった。
「今日はということは、いつもは食べているの?」
「………いつもは食べている。」
なるほど。俺はキルの背後にいる側近3人の方に目線を送った。忠実なる側近のみんなは、主の意志を汲むことよりも主の健康状態を優先したようだ。
3人はそろって、首を横に振った。
「いつもは食べているなら安心したよ。だけど、俺は今日初めて貴族院のレストランを利用するからさ、キルのおすすめの料理を教えてほしいな。」
俺はいつもは食べているらしいキルに、おすすめ料理を聞いてみた。若干意地悪様な気もするけど、食事を抜くのはよくない。なんとしても、キルに食事をとらせなければいけない。
これが俺の初任務のようだ。
「………オ、オムライスがおすすめだ。」
ふーん、なるほど。行かない代わりにおすすめ料理を教えるから、食べて来いということか。俺の主は、どうしても食事より訓練を優先したいらしい。
ここは素直に話した方がよさそうだ。
「………ねえ、キル。キル自身も、食事を抜くのはよくないとわかっているよね? 俺たちの体は今、成長期を迎えている。そんな時に、食事を抜いて体を動かしていたら」
「アースが言ったんだろ」
「え?」
俺は何を言われたのかわからずに、キルのことを見つめ返してしまった。
キルが俺の話を遮ったことにも驚いたし、俺がその原因だと言った。もちろん、「食事を抜いて、剣を振れ」と言ったこともないし、手紙にも書いたことはない。心当たりは………
正直ない。
「………俺がキルに何か言ったの? ごめんね、正直心当たりがないんだ。もし、俺の言葉でキルに無理をさせているのなら撤回させてほしい。」
キルは無言で俺を見つめ返すと、そっぽを向いて静かに話し始めた。
俺はみんなに耳を貸すようにジェスチャーをした。
ジールとローウェルは面白そうに耳を寄せ、キルとキースは一応聞く体制をとってくれた。
「ローウェル、あの時の約束を果たすよ。治そう、ローウェルの魔力回路。そして、一緒につくろう、魔導士の黄金時代を。(小声)」
俺がそういうと、全員目を見開いて固まってしまった。
魔力回路とは、その名のとおり身体の中にある魔力が流れる管だ。ローウェルは初学院1年生の時に上級魔法を発動しようとして、魔力回路がズタボロとなり、魔導士生命を絶たれてしまっていた。
その魔力回路を、俺が治療すると約束したのだ。
そもそも、魔力回路の修復は不可能と言われていた。魔法はイメージだ。魔力回路は血管のように確かに体の中に存在するが、物理的には見えないのだ。だから、どのようなものかしっかりとイメージすることができず、治療が困難だった。
それから、後から判明することだが、魔力回路には本人の魔力が濃密にダイレクトに流れている。そこに他人の魔力で回復魔法を行使しようとしても、魔力が反発しあい治療が不可能でもあった。
それを、俺が治すと言ったのだ。みんなが驚きを隠せなくても仕方がない。
すると、ローウェルが俺のことをさっと抱き寄せた。
「………ありがとう、アース。」
「まだお礼を言うには早いよ、ローウェル。実際に魔力回路の治療をしたわけではないから、可能性があるとしか言えない。………それでもいい?」
「ああ、アースに任せるぜ。」
「うん、全力を尽くすよ。早速今晩にしようか、魔法の訓練を再開する上でも早い方が良いよね?」
俺がそういうと、すぐに首を横に振ってキルの方をちらっと見やった。
「俺の治療よりも、主の方が先だな。ジールから色々聞いているだろ? アースも主と2人で話したいだろうし、主もきっと望んでいる。だから、今晩は主との時間にあててくれ。」
「ローウェルがそういうなら………わかったよ。明日、必ず治療しようね。」
「ああ、よろしく頼むぜ。」
すると、少し低い声で声をかけながら、キルが俺とローウェルを引きはがした。
キルの方をちらっと見ながら話をしていたので、不快にさせてしまたのだろう。
「おい、何を2人でこそこそ話しているんだ? アース、ローウェルの治療は治療して終わりじゃない。魔力回路が壊れた者がいきなり魔法を使えるようになったら、周りの
人間はどう思う? 治療の前にしっかりとした根回しが必要だ。」
うっ………確かにそのとおりだ。
国内だけではなく、「悪魔の呪い」と同様に諸外国に広まる内容に思える。俺はそのまま項垂れてしまった。
「まあそう落ち込むな。俺が、兄上やザールに話をつける。アースは思ったように行動すればいい。ローウェルのこと、よろしく頼むな。」
………なんというか、すごく成長したような気がする。
思春期な部分はおいておくとしても、冷静だし対応も的確だ。剣術だけではなく、王族として主としての勉強も当然の様にこなしてきたのだろう。
「うん、キルにお願いするよ。ありがとう。」
「………ああ。」
すると、キルは眩しそうに俺のことを見つめた。いつものように、そっぽを向くと思ったけどどうしたのだろうか?
俺とキルがちょっと見つめ合っている状態になっていると、アクア先生の声が聞こえてきた。
「挨拶は済んだかしら? それでは、授業を始めますの。」
ーー
貴族院は、午前2コマ・午後1コマという時間割だ。
今日の午前は、どちらも座学だった。初学院の内容が少し難しくなった感じだ。算術はまあ、前世知識があるとして歴史は予習範囲内だったため、ゆるりと受けた。
午前のコマが終わったということは、いよいよ楽しみにしていた昼食だ!
貴族院内にはレストランがあるのだ。さて、どのくらい美味しいのだろうか?
すると、キルは机に立てかけていた自分の剣を掴んだ。まあ、騎士だから教室に剣を置いていくわけはないかな………?
「じゃあ、騎士棟に行ってくる。」
「え? 昼食は?」
騎士棟にもレストランがあるのだろうか? それとも、お弁当を持ってきているのだろうか?
どちらにしても、食べるならみんなで一緒に食べたいけどな………。
「昼食は………いらない。今日は腹がすいていないから、剣を振りに行ってくる。」
昼食を食べないで、剣を振りに行く………あっ、そうだ。ジールから、キルはオーバーワークだと聞いていたんだ。でもまさか、食事を抜いてまで訓練をしているとは思わなかった。
「今日はということは、いつもは食べているの?」
「………いつもは食べている。」
なるほど。俺はキルの背後にいる側近3人の方に目線を送った。忠実なる側近のみんなは、主の意志を汲むことよりも主の健康状態を優先したようだ。
3人はそろって、首を横に振った。
「いつもは食べているなら安心したよ。だけど、俺は今日初めて貴族院のレストランを利用するからさ、キルのおすすめの料理を教えてほしいな。」
俺はいつもは食べているらしいキルに、おすすめ料理を聞いてみた。若干意地悪様な気もするけど、食事を抜くのはよくない。なんとしても、キルに食事をとらせなければいけない。
これが俺の初任務のようだ。
「………オ、オムライスがおすすめだ。」
ふーん、なるほど。行かない代わりにおすすめ料理を教えるから、食べて来いということか。俺の主は、どうしても食事より訓練を優先したいらしい。
ここは素直に話した方がよさそうだ。
「………ねえ、キル。キル自身も、食事を抜くのはよくないとわかっているよね? 俺たちの体は今、成長期を迎えている。そんな時に、食事を抜いて体を動かしていたら」
「アースが言ったんだろ」
「え?」
俺は何を言われたのかわからずに、キルのことを見つめ返してしまった。
キルが俺の話を遮ったことにも驚いたし、俺がその原因だと言った。もちろん、「食事を抜いて、剣を振れ」と言ったこともないし、手紙にも書いたことはない。心当たりは………
正直ない。
「………俺がキルに何か言ったの? ごめんね、正直心当たりがないんだ。もし、俺の言葉でキルに無理をさせているのなら撤回させてほしい。」
キルは無言で俺を見つめ返すと、そっぽを向いて静かに話し始めた。
293
あなたにおすすめの小説
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に1話ずつ更新
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
王子に彼女を奪われましたが、俺は異世界で竜人に愛されるみたいです?
キノア9g
BL
高校生カップル、突然の異世界召喚――…でも待っていたのは、まさかの「おまけ」扱い!?
平凡な高校生・日当悠真は、人生初の彼女・美咲とともに、ある日いきなり異世界へと召喚される。
しかし「聖女」として歓迎されたのは美咲だけで、悠真はただの「付属品」扱い。あっさりと王宮を追い出されてしまう。
「君、私のコレクションにならないかい?」
そんな声をかけてきたのは、妙にキザで掴みどころのない男――竜人・セレスティンだった。
勢いに巻き込まれるまま、悠真は彼に連れられ、竜人の国へと旅立つことになる。
「コレクション」。その奇妙な言葉の裏にあったのは、セレスティンの不器用で、けれどまっすぐな想い。
触れるたび、悠真の中で何かが静かに、確かに変わり始めていく。
裏切られ、置き去りにされた少年が、異世界で見つける――本当の居場所と、愛のかたち。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
夜が明けなければいいのに(洋風)
万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。
長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。
「名誉ある生贄」。
それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。
部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。
黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。
本当は、別れが怖くてたまらない。
けれど、その弱さを見せることができない。
「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」
心にもない言葉を吐き捨てる。
カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。
だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。
「……おめでとうございます、殿下」
恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。
その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。
――おめでとうなんて、言わないでほしかった。
――本当は、行きたくなんてないのに。
和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。
お楽しみいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる