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第三章 ウェルカムキャンプ編
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「兄上が、おっしゃったんだ。ある人に、「俺たち弟世代は、いずれ兄世代を超えていく」と言われた、と。俺たち弟世代で兄上にこのようなことを言えるのは………アースしかいない。アースが兄上に、俺とキースに稽古をつけてくれるように働きかけてくれたんだろ? ………それなのに俺はまだ、兄上に勝てていない。」
確かに俺は、バルコニーから飛び降り現れたアルベルト殿下に、啖呵を切った。そして、キルたち騎士組に力を貸してほしいと頼んだ。キースは兄であるアルフォンスさんに対して、4割くらいの勝率をあげていると先程ジールに聞いたところだ。キルもアルフォンスさんや兄上に対してはそれくらいの勝率を上げられることも聞いた。
だけど、アルベルト殿下には勝てていないことも………。
俺の言った言葉を実現するために、キルは過剰な訓練を続けていたというとか………。
確かに俺は、俺たちはアルベルト殿下を超えると思っている。だけど、それは今ではない。13歳の俺達に対して、アルベルト殿下たちは成人間近の16歳だ。大人ならまだしも、この年齢の3歳差は大きすぎる。
今考えていることを、キルにしっかり伝えないと。
………よし。
俺はキルの顔の両側を手で挟んで、正面から見つめた。いわゆる、アッチョンブリケというやつだ。周りから変な声が聞こえてきたけど、一旦無視しよう。
「なっ! ア、アース!?」
キルは、目を見開いて大きな声を上げた。だけど、振り払おうとはしない。相変わらず、キルは優しい。俺はこれ幸いと、俺の想いを話すことにした。
「キル、確かに俺はアルベルト殿下にそういったよ。俺はそのつもりだし、皆もそうなれると思ってる。………だけど、今すぐにとは思っていないよ。俺たちとアルベルト殿下は、3つも年が離れている。大人ならまだしも、まだ成人を迎えていないこの時期の3歳差は、体格的にも精神的にもあまりに差が大きすぎる。もちろん、だからといってキルのこれまでの努力を否定するつもりはまったくないよ。時間の許す限り剣を振る姿勢は、本当に尊敬するよ。………だけど、俺のわがままを1つ言っていい? 少しだけ、ほんの少しだけ自分の体の心配をしてほしい。今は13歳の時のアルベルト殿下たちを、来年は14歳の時のアルベルト殿下を超えていこう。そして、いずれは勝てるようになろう。」
俺がそういうと、キルは再び、眩しそうに目を細めた。
「………とりあえず、手を離してくれ。みんなが見ている。」
え? 見ると、クラスの全員が教室に残って尚且つ俺たちのことを見ていた。
何で、食事をとりにいかないで俺たちのことを見てるの!? 確かに、少し騒がしくしてしまったけど………。俺はさっと、手を放した。
「ご、ごめんね。ここまで注目を集める気はなかったよ。………だけど、今言ったことは本当だよ。だから!」
すると、頭が少し重くなった。
見ると、キルが俺の頭の上に手を置いていた。
「わかった。もう、十分伝わったから。昼食にしよう。」
「本当!? よし! じゃあ、早速行こう!」
ーー
貴族院のレストランは、初学院のものよりも豪華だった。貴族院からは他国の貴族子女も来るということもあり、気合が入っているのだろう。
階は2つに分かれていて、暗黙の了解で伯爵家以上が2階席となっているようだ。貴族院は身分の関係ない平等を謳っているが、このように分かれているらしい。まあこれは、
身分があまりに違う者同士が同じ空間で食事をするのは、お互いにとってデメリットしかないということだろう。一方にとっては緊張で食事ものどを通らない、また一方にとってはプライドからか教養の違いからか、同じ空間で食事をするのは気に障る。うん、これが落ち着く形なのだろう。
俺はとりあえず、ハンバーグを頼んでみた。お店のレベルを確かめるのにいつも俺は、ハンバーグを頼むようにしている。
結果はすごくおいしかった。流石、貴族の子女が集まる貴族院のレストランだ。
「それで、アースはどの部に所属するんだ?」
「へ?」
ハンバーグに舌鼓を打っていると、キルからよくわからない質問が飛んで来た。思わず、変な声が出てしまった。いや、言葉の意味は分かるんだよ。どの部に所属するかでしょ。でも、どういうこと?
「その顔は………何も知らないというわけだな。貴族院では、午後のコマが終わった後の時間は生徒が自主活動をすることになっているんだ。もちろん技術を磨くためでもあるが、1番はつながりづくりのためだな。ここには国内外の子女が集まっているから、まあ将来のためにというわけだ。」
ほーう、なるほど。貴族らしく、ありそうな話だ。
学生らしく、とても魅力的な話だ。だけど、どういう部があるのかわからないからな。
「なるほどね。………参考までに、どのような部があるの?」
「ありすぎて、ここでは説明できないが………。順当に行くなら、魔導士クラブじゃないか? なあ、ジール?」
「そうッスね。魔導士なら俺を始め基本的にはみんな、所属しているッス。騎士クラブや魔導士クラブは、自己研鑽のための訓練と魔道具師のための研究が目的ッスね。」
魔導士クラブか………。順当に行けば、俺も魔導士クラブに入るのが妥当だろう。だけど、俺は色々と特殊すぎる。属性にしろ、召喚魔法にしろ魔力量にしろ、かなり注目を集めそうだ。
コネづくりが目的ならもちろん、入った方が良いと思う。だけど、将来的にこの国に残るかはわからない。無責任かもしれないけど………その時が来た時、俺は今までの笑顔でキルに仕えられるかはわからないからさ。
………うん、今を全力で楽しもう。
「魔導士クラブは………俺の特性を考えるとかなり目立つと思うし、厄介ごとになりそうな予感がするよ。みんなはどう思う?」
俺がそういうと、皆はそれぞれ微妙な顔をして渋々頷いた。やはり、入らない方が良いかもしれない。訓練なら、師匠やジールにお願いすれば問題ないと思う。
「時間はたっぷりあるし、ゆっくり色々な部を回ってみるよ。」
「そうか、わかった。その時は、俺も一緒に回るからな。」
「へ? いやー、王子を連れまわすのは忍びないというかなんというか………」
「俺も行くからな。」
キルはさわやかな笑顔で有無を言わせない圧を俺に放ってきた。院内で、俺を野放しにするのは心配ということだろうか? 少々癪だけど、そんな眩しい笑顔を向けられたら、俺は耐えることができない。
「わかりました。」
「よし。………そういえば、あの角の生えた」
「キャーー!!! 魔物よー!!!」
すると、1階の方から生徒たちの叫び声が聞こえてきた。
貴族院のレストランに魔物だと? なんだろう、すごく嫌な予感がする。よし、すぐに行こう。
確かに俺は、バルコニーから飛び降り現れたアルベルト殿下に、啖呵を切った。そして、キルたち騎士組に力を貸してほしいと頼んだ。キースは兄であるアルフォンスさんに対して、4割くらいの勝率をあげていると先程ジールに聞いたところだ。キルもアルフォンスさんや兄上に対してはそれくらいの勝率を上げられることも聞いた。
だけど、アルベルト殿下には勝てていないことも………。
俺の言った言葉を実現するために、キルは過剰な訓練を続けていたというとか………。
確かに俺は、俺たちはアルベルト殿下を超えると思っている。だけど、それは今ではない。13歳の俺達に対して、アルベルト殿下たちは成人間近の16歳だ。大人ならまだしも、この年齢の3歳差は大きすぎる。
今考えていることを、キルにしっかり伝えないと。
………よし。
俺はキルの顔の両側を手で挟んで、正面から見つめた。いわゆる、アッチョンブリケというやつだ。周りから変な声が聞こえてきたけど、一旦無視しよう。
「なっ! ア、アース!?」
キルは、目を見開いて大きな声を上げた。だけど、振り払おうとはしない。相変わらず、キルは優しい。俺はこれ幸いと、俺の想いを話すことにした。
「キル、確かに俺はアルベルト殿下にそういったよ。俺はそのつもりだし、皆もそうなれると思ってる。………だけど、今すぐにとは思っていないよ。俺たちとアルベルト殿下は、3つも年が離れている。大人ならまだしも、まだ成人を迎えていないこの時期の3歳差は、体格的にも精神的にもあまりに差が大きすぎる。もちろん、だからといってキルのこれまでの努力を否定するつもりはまったくないよ。時間の許す限り剣を振る姿勢は、本当に尊敬するよ。………だけど、俺のわがままを1つ言っていい? 少しだけ、ほんの少しだけ自分の体の心配をしてほしい。今は13歳の時のアルベルト殿下たちを、来年は14歳の時のアルベルト殿下を超えていこう。そして、いずれは勝てるようになろう。」
俺がそういうと、キルは再び、眩しそうに目を細めた。
「………とりあえず、手を離してくれ。みんなが見ている。」
え? 見ると、クラスの全員が教室に残って尚且つ俺たちのことを見ていた。
何で、食事をとりにいかないで俺たちのことを見てるの!? 確かに、少し騒がしくしてしまったけど………。俺はさっと、手を放した。
「ご、ごめんね。ここまで注目を集める気はなかったよ。………だけど、今言ったことは本当だよ。だから!」
すると、頭が少し重くなった。
見ると、キルが俺の頭の上に手を置いていた。
「わかった。もう、十分伝わったから。昼食にしよう。」
「本当!? よし! じゃあ、早速行こう!」
ーー
貴族院のレストランは、初学院のものよりも豪華だった。貴族院からは他国の貴族子女も来るということもあり、気合が入っているのだろう。
階は2つに分かれていて、暗黙の了解で伯爵家以上が2階席となっているようだ。貴族院は身分の関係ない平等を謳っているが、このように分かれているらしい。まあこれは、
身分があまりに違う者同士が同じ空間で食事をするのは、お互いにとってデメリットしかないということだろう。一方にとっては緊張で食事ものどを通らない、また一方にとってはプライドからか教養の違いからか、同じ空間で食事をするのは気に障る。うん、これが落ち着く形なのだろう。
俺はとりあえず、ハンバーグを頼んでみた。お店のレベルを確かめるのにいつも俺は、ハンバーグを頼むようにしている。
結果はすごくおいしかった。流石、貴族の子女が集まる貴族院のレストランだ。
「それで、アースはどの部に所属するんだ?」
「へ?」
ハンバーグに舌鼓を打っていると、キルからよくわからない質問が飛んで来た。思わず、変な声が出てしまった。いや、言葉の意味は分かるんだよ。どの部に所属するかでしょ。でも、どういうこと?
「その顔は………何も知らないというわけだな。貴族院では、午後のコマが終わった後の時間は生徒が自主活動をすることになっているんだ。もちろん技術を磨くためでもあるが、1番はつながりづくりのためだな。ここには国内外の子女が集まっているから、まあ将来のためにというわけだ。」
ほーう、なるほど。貴族らしく、ありそうな話だ。
学生らしく、とても魅力的な話だ。だけど、どういう部があるのかわからないからな。
「なるほどね。………参考までに、どのような部があるの?」
「ありすぎて、ここでは説明できないが………。順当に行くなら、魔導士クラブじゃないか? なあ、ジール?」
「そうッスね。魔導士なら俺を始め基本的にはみんな、所属しているッス。騎士クラブや魔導士クラブは、自己研鑽のための訓練と魔道具師のための研究が目的ッスね。」
魔導士クラブか………。順当に行けば、俺も魔導士クラブに入るのが妥当だろう。だけど、俺は色々と特殊すぎる。属性にしろ、召喚魔法にしろ魔力量にしろ、かなり注目を集めそうだ。
コネづくりが目的ならもちろん、入った方が良いと思う。だけど、将来的にこの国に残るかはわからない。無責任かもしれないけど………その時が来た時、俺は今までの笑顔でキルに仕えられるかはわからないからさ。
………うん、今を全力で楽しもう。
「魔導士クラブは………俺の特性を考えるとかなり目立つと思うし、厄介ごとになりそうな予感がするよ。みんなはどう思う?」
俺がそういうと、皆はそれぞれ微妙な顔をして渋々頷いた。やはり、入らない方が良いかもしれない。訓練なら、師匠やジールにお願いすれば問題ないと思う。
「時間はたっぷりあるし、ゆっくり色々な部を回ってみるよ。」
「そうか、わかった。その時は、俺も一緒に回るからな。」
「へ? いやー、王子を連れまわすのは忍びないというかなんというか………」
「俺も行くからな。」
キルはさわやかな笑顔で有無を言わせない圧を俺に放ってきた。院内で、俺を野放しにするのは心配ということだろうか? 少々癪だけど、そんな眩しい笑顔を向けられたら、俺は耐えることができない。
「わかりました。」
「よし。………そういえば、あの角の生えた」
「キャーー!!! 魔物よー!!!」
すると、1階の方から生徒たちの叫び声が聞こえてきた。
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