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第三章 ウェルカムキャンプ編
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「アクア先生、キャンプで使われる森の広さはどれくらいでしょうか?」
「だいたい、直径30㎞くらいなの。万が一に備えて、等間隔に騎士と魔導士を配置して、あなたたちを見守ることにしているの。」
直径30㎞か………。半径でないなら、問題ないな。魔力展開し薄く延ばせば、C級を感知することはできないが、強大な魔力を持つA級以上の魔物なら感知することができるだろう。
俺はアクア先生にお礼を述べた。
「直径30㎞なら問題ないね。魔力展開して薄く延ばせば、A級以上の魔物なら感知できると思う。ということで、ジールに木属性での精度の高い近距離感知をお願いしてもいい?」
俺がそういうと、ジールやキルたちだけではなく、クラスメイトのみんなも目を見開いていた。
………どうしたのだろうか? 俺が首をかしげると、キルが一瞬視線をさまよわせながら、口を開いた。
「………直径30㎞の感知が問題ないのか?」
「え? 問題ないよ? ………あー、そういうことね。ごめんね、俺の実力不足でがっかりさせたかな………さすがに直径30㎞くらいあると、C級レベルの弱い魔力の感知は
難しいんだ。これからできるようにするから、もう少し時間をもらってもいい?」
「いや………ああ、楽しみにしている。」
なんとも歯切れの悪い返事ではあるが、まあいいかな。がっかりさせないように、これから頑張ることにしよう。
さてと、俺と組んでくれるクラスメイトを探さなければならないな。あたりを見回してみると、だいたいチームが組み終わっているようだった。
………もしかして俺、余る?
どうしたものかとクラスメイトをそれとなく見つめると、どうしたものかと言いたげな表情で視線をそらされてしまった。
待って、もしかして俺、嫌われているのか? 俺がオロオロしだして、キルたちが口をひらこうとしたその時、緊張したような声で俺の名前が呼ばれた。
「ア、アース様………。アース様がご不快でなければ、私たちと組みませんか?」
すがるような目で声のした方を見ると、そこには朝に出会ったオルト様たちの姿があった。
朝の様子を見る限り、彼らは仲のいい3人組のようだ。あと1人、誰を入れるのか決めあぐねていたのだろう。
ご不快でなければと言っているが、むしろ、俺なんかを入れて迷惑ではないだろうか? 本当は3人で行動したいだろうし、こんなにも目立ってしまった俺を引き取っては、オルト様たちも目立ってしまうかもしれない。
「私はとてもうれしいですけど………3人のご迷惑にならないでしょうか? 」
「迷惑なんて、そのようなことはございません! ………その、キルヴェスター殿下の側近でいらっしゃる辺境伯家次男のアース様が、我々のような下級貴族の子息と一緒だとご不快にならないかと思ったのです。」
なるほど、そういうことか………。
もともと一般市民である俺に、身分差で不快になることはほとんどない。俺としては、友達を増やすチャンスである。
「身分をわきまえることは貴族としてはもちろん大切です。しかし、言動等で不快になることはあっても、単なる身分差で不快になることはありませんよ。というのも、私の主であるキルヴェスター殿下も、身分差を理由に門前払いするような方ではないからです。キルヴェスター殿下の側近の中では、私が1番下の身分ですが、殿下は分け隔てなく接してくださいます。そんな主の姿勢を私は尊敬し、実行しています。ですから、オルト様たちが下級貴族だからという理由で私が不快になることはございません。」
俺は一度、キルに視線を向けた。キルは、若干照れたような表情を浮かべたが、すぐにいつも通りの表情へと切り替えて、静かに頷いた。
これは、了承を意味の頷きだろう。俺は再びオルト様たちに視線を戻して、笑顔を浮かべた。
「私からも、オルト様たちのチーム入りを望みます。私を仲間に入れていただけますか?」
「よ、喜んで………。」
オルト様たちは一瞬、眩しそうな顔をした後、首を何回か縦に振ってこたえてくれた。
よかった、これで無事にイベントに参加できそうだ。キルたちも安心してくれるだろう。
「ありがとうございます。それじゃあ、軽く打合せに………」
俺はその瞬間、窓に向かって手のひらを向け、『氷弾』と素早く詠唱した。氷弾はいつでも発射できるよう、俺の頭上にいくつか浮かんでいる。
………なんだ? 一瞬、強い敵意を遠くから向けられたような気がした。決して、厨二病をこじらせているわけでも、感知に何かが引っ掛かったわけでもない。だけど、覚えのある
悪意が向けられたような気がした。
俺の臨戦態勢に素早く反応したのはキルたちだった。すぐに各々、警戒態勢をとった。
「………アース、急にどうした? 何か感知したのか?」
俺はすぐに、氷弾を消して、みんなを安心させるために笑顔を浮かべた。
「ごめん、俺の勘違いだったみたい。………少し、悪意のある視線を強く感じたから、咄嗟に体が反応してしまったんだ。特に、魔力感知に何かが引っ掛かったわけではないから、
俺の気のせいだったよ。クラスの皆さんも、驚かせてしまい申し訳ありませんでした。」
「アース君、教室内で攻撃魔法を発動するのはダメですの。今後は気を付けてほしいですの。」
アクア先生がロリっ娘ボイスでそう言うと、クラスのみんなはくすくすと笑ってその場を流してくれた。
………よかった。突然攻撃魔法を発動する危険人物に思われなくて。俺が一息つくと、キルが穏やかな笑みを浮かべながら俺の背後に立った。そして、耳元で小声でささやいた。
「本当に何もないのか? 気になるなら、俺の権限で調べさせるが………。」
「本当に大丈夫だよ。一応、魔力展開で感知してみたけど、特に何も引っかからなかったから。」
俺もキルに合わせて小声でそう返すと、キルは一応納得したようで、一つ頷いた。
それから俺は、オルト様たちと少し打ち合わせをすることにした。
「だいたい、直径30㎞くらいなの。万が一に備えて、等間隔に騎士と魔導士を配置して、あなたたちを見守ることにしているの。」
直径30㎞か………。半径でないなら、問題ないな。魔力展開し薄く延ばせば、C級を感知することはできないが、強大な魔力を持つA級以上の魔物なら感知することができるだろう。
俺はアクア先生にお礼を述べた。
「直径30㎞なら問題ないね。魔力展開して薄く延ばせば、A級以上の魔物なら感知できると思う。ということで、ジールに木属性での精度の高い近距離感知をお願いしてもいい?」
俺がそういうと、ジールやキルたちだけではなく、クラスメイトのみんなも目を見開いていた。
………どうしたのだろうか? 俺が首をかしげると、キルが一瞬視線をさまよわせながら、口を開いた。
「………直径30㎞の感知が問題ないのか?」
「え? 問題ないよ? ………あー、そういうことね。ごめんね、俺の実力不足でがっかりさせたかな………さすがに直径30㎞くらいあると、C級レベルの弱い魔力の感知は
難しいんだ。これからできるようにするから、もう少し時間をもらってもいい?」
「いや………ああ、楽しみにしている。」
なんとも歯切れの悪い返事ではあるが、まあいいかな。がっかりさせないように、これから頑張ることにしよう。
さてと、俺と組んでくれるクラスメイトを探さなければならないな。あたりを見回してみると、だいたいチームが組み終わっているようだった。
………もしかして俺、余る?
どうしたものかとクラスメイトをそれとなく見つめると、どうしたものかと言いたげな表情で視線をそらされてしまった。
待って、もしかして俺、嫌われているのか? 俺がオロオロしだして、キルたちが口をひらこうとしたその時、緊張したような声で俺の名前が呼ばれた。
「ア、アース様………。アース様がご不快でなければ、私たちと組みませんか?」
すがるような目で声のした方を見ると、そこには朝に出会ったオルト様たちの姿があった。
朝の様子を見る限り、彼らは仲のいい3人組のようだ。あと1人、誰を入れるのか決めあぐねていたのだろう。
ご不快でなければと言っているが、むしろ、俺なんかを入れて迷惑ではないだろうか? 本当は3人で行動したいだろうし、こんなにも目立ってしまった俺を引き取っては、オルト様たちも目立ってしまうかもしれない。
「私はとてもうれしいですけど………3人のご迷惑にならないでしょうか? 」
「迷惑なんて、そのようなことはございません! ………その、キルヴェスター殿下の側近でいらっしゃる辺境伯家次男のアース様が、我々のような下級貴族の子息と一緒だとご不快にならないかと思ったのです。」
なるほど、そういうことか………。
もともと一般市民である俺に、身分差で不快になることはほとんどない。俺としては、友達を増やすチャンスである。
「身分をわきまえることは貴族としてはもちろん大切です。しかし、言動等で不快になることはあっても、単なる身分差で不快になることはありませんよ。というのも、私の主であるキルヴェスター殿下も、身分差を理由に門前払いするような方ではないからです。キルヴェスター殿下の側近の中では、私が1番下の身分ですが、殿下は分け隔てなく接してくださいます。そんな主の姿勢を私は尊敬し、実行しています。ですから、オルト様たちが下級貴族だからという理由で私が不快になることはございません。」
俺は一度、キルに視線を向けた。キルは、若干照れたような表情を浮かべたが、すぐにいつも通りの表情へと切り替えて、静かに頷いた。
これは、了承を意味の頷きだろう。俺は再びオルト様たちに視線を戻して、笑顔を浮かべた。
「私からも、オルト様たちのチーム入りを望みます。私を仲間に入れていただけますか?」
「よ、喜んで………。」
オルト様たちは一瞬、眩しそうな顔をした後、首を何回か縦に振ってこたえてくれた。
よかった、これで無事にイベントに参加できそうだ。キルたちも安心してくれるだろう。
「ありがとうございます。それじゃあ、軽く打合せに………」
俺はその瞬間、窓に向かって手のひらを向け、『氷弾』と素早く詠唱した。氷弾はいつでも発射できるよう、俺の頭上にいくつか浮かんでいる。
………なんだ? 一瞬、強い敵意を遠くから向けられたような気がした。決して、厨二病をこじらせているわけでも、感知に何かが引っ掛かったわけでもない。だけど、覚えのある
悪意が向けられたような気がした。
俺の臨戦態勢に素早く反応したのはキルたちだった。すぐに各々、警戒態勢をとった。
「………アース、急にどうした? 何か感知したのか?」
俺はすぐに、氷弾を消して、みんなを安心させるために笑顔を浮かべた。
「ごめん、俺の勘違いだったみたい。………少し、悪意のある視線を強く感じたから、咄嗟に体が反応してしまったんだ。特に、魔力感知に何かが引っ掛かったわけではないから、
俺の気のせいだったよ。クラスの皆さんも、驚かせてしまい申し訳ありませんでした。」
「アース君、教室内で攻撃魔法を発動するのはダメですの。今後は気を付けてほしいですの。」
アクア先生がロリっ娘ボイスでそう言うと、クラスのみんなはくすくすと笑ってその場を流してくれた。
………よかった。突然攻撃魔法を発動する危険人物に思われなくて。俺が一息つくと、キルが穏やかな笑みを浮かべながら俺の背後に立った。そして、耳元で小声でささやいた。
「本当に何もないのか? 気になるなら、俺の権限で調べさせるが………。」
「本当に大丈夫だよ。一応、魔力展開で感知してみたけど、特に何も引っかからなかったから。」
俺もキルに合わせて小声でそう返すと、キルは一応納得したようで、一つ頷いた。
それから俺は、オルト様たちと少し打ち合わせをすることにした。
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