【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

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見えない出口

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 翌日、俺の診察に訪れた医師から更に衝撃的な事を告げられた。

 「ウィストン様の毒は、無事消すことには成功したのですが、残念ながらお子をもうけることは、難しいかと思われます。複数の薬剤を投与するしかなかったのです。   
 もし、あの時、ヴィオレット様の指示されていた通りの処方をしていれば、この様な結果には、ならなかったはずです」

 医師の言葉に家族は、驚いた。

 「どういう事ですの?」

 母は、医師に詳しい説明を求めた。

 「実は、ご令息に用いられた毒は、東方のまだこの国にはないものでして、ヴィオレット様は、以前、東方からの商人にこの毒について聞いた事があるとおっしゃられていました。ですので、我々より知識が豊富なのです。元々、かの家は【毒公爵家】と呼ばれる程、毒に関する耐久性と知識がある事は、ご存知のはず」

 「では、彼女はウィストンを助ける為に、解毒剤を飲ませたか?」

 「そうでございます。この毒は、遅効性のもので、風邪の症状と酷似しております。風邪薬と一緒に摂ると命を落とす危険な物に変化します」

 「そんな…」

 「実は、クリーク公爵からダンドーラ公爵宛に内密に手紙を預かっております」

 「では、誰が毒を…」

 「毒が入っていたのは、リゾットです。しかも複数の薬剤を投与しなければならなくなったのは、ご令息に飲ませた解毒剤を吐き出させた為に、やむを得なく取った手段です」

 医師の伝える言葉を聞き、俺は絶望した。

   ーーー子をなせないーーー

 血を繋ぐことも貴族の義務の一つだ。俺は、その義務が果たせなくなった。

 医師と両親が部屋を出た後、自室の部屋の窓を見ながら、今後の身の振り方を考えた。

 俺は、公爵家を継ぐことは出来ない。弟が継ぐだろう。近衛騎士も辞めた。あれ程切望したヴィオレットとの未来も無くなった。今の俺は空っぽだ。何もない。ヴィオレットは、こんな俺を生かした。
 
 (もう、何もかもが遅い…俺は、愛した人を手放してしまった)

 半ば自暴自棄になりつつあった俺を、正気に戻したのも又、ヴィオレットだった。



 翌日、アンドレが見舞いに来た。その隣には、珍客が二人立っていた。

 
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