【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

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第三王子

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 僕の母親が罪人だということを知ったのは10歳の時

 王宮の魔術師から血液鑑定の魔導具があると聞いて、興味を引かれた。

 そして、後学の為にその部屋に入る許可を得て、僕は知った。

 僕と父である国王陛下とは血が繋がっていないことを

 おかしいとは思っていた。

 僕の髪の色と兄達の髪の色は違う。

 よく似た銀色だが、彼らの持つ不思議な色とは違うのだ。

 だから、乳母を問い詰め本当の事を白状させた。

 当時、母は第二王子の婚約者だったのだが、王太子となった父との関係に軋轢が生じるのを防ぐため、第二王子は王位継承権を放棄し、隣国に婿入りした。

 当然、母とは婚約を解消している。

 母は自分が王太子妃になれると信じていた。

 周り特に義父であるハウエル侯爵にそう唆されていた。

 そして、父が側妃に召し上げた。

 既に王太子妃との間に二人の王子がおり、王家には母は必要とされていないお飾りの側妃。

 寂しさと悔しさで、銀色の髪を持つ騎士を部屋に招き入れて、愛欲に溺れていった。

 そして、それが発覚するとある騎士に罪を擦り付ける。

 モーリス・ブラウニーは親衛隊で、その日当直だった。

 母の侍女に嵌められて、辺境送りとなる。

 その後の調べでモーリスは無実が証明され、母と情人の騎士は死罪となった。

 表向きは病死だが、母は毒を賜った。

 真実を知ってからは無意味な生活を送っていた。

 ある時、僕は中庭のガゼボに兄達や王妃と一緒にいる女の子を見かけた。

 彼女の髪は王家独特の銀色

 楽しそうな風景が僕には羨ましかった。

 もし、母が過ちを犯していなかったら、あそこにいるのは僕だったかもしれない。

 そして、羨ましい気持ちが膨らんで、彼女と結婚したら、正式に僕は王族になれると考える様になった。

 僕の初恋はそんな打算的なものから始まった。

 国王に初めてのお願いで、ジョゼフィーネを婚約者にした。

 順調だと思っていた。彼女をあと少しで手に入れられると思った矢先に、彼女の母親が急死する。

 その後に後妻と義妹が侯爵家に入って来た。

 彼女の不遇な生活の始まりだった。

 僕は何とか助けたいと思っているが、下手に手助けをすると義母と義妹は彼女に仕置きをしている。

 だから、自然と距離を置いてしまった。

 そして、義妹を監視する為に婚約を解消して、ジャネットと婚約した。

 どうせ偽者の王子なのだから、ジョゼフィーネを守る風除け程度にはなっただろう。

 その後、彼女は辺境伯に嫁いだ。

 風の便りでは、溺愛されて大切にされていると

 良かった、不出来な僕の代わりに守ってくれる人ができて

 心からそう思って、エルリック・ブラックボンド辺境伯に手紙を書いた。

 どうかジョゼフィーネを幸せにしてあげください。

 僕の出生の秘密と一緒にそう書いて送った。

 約束通り彼は、ジョゼフィーネを大切にしている。

 自分の全てを捨てて、家と名前を捨てて、彼女の家に婿として入った。

 僕の役目は終わりを告げた。

 僕も新しい一歩を辺境地で踏み出している。

 いつか笑って会える事を願って、今日も子供達の世話をする。

 
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