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夜道は注意
しおりを挟むさて、デリスをしばらく撒けてよかった。
私はこれから修道院に戻らなくては。
日も暮れているし、本当はタクシー見たいな馬車に乗れたらいいけど勝手がわからないわ。
徒歩で行けるところまで行ってみましょう。
リリアは持っていた地図を見てながら徒歩で修道院を目指した。
街全体がどんよりとした雰囲気だ。
日雇いの仕事が終わったのだろう。酒場で男たちが酔っ払っている。
何人もいるが楽しそうではない。
仕事が終わってやることもなく娯楽も酒や賭け事、女を買うことくらいしかないのだろう健康的な雰囲気はない。
一人酒屋の隅で食器を洗っている小さな少年がいてる。
身なりはボロボロになった服を来ており、目もうつろだ。
自主的ではなく体力の限界を超えて無理やり働かされているのだろう。
「子供を見ればその地域の状態が大体分かるけど。想像以上にひどいわね。」
子供を見ていて気が緩んだのか、前から見るからに柄の悪そうな男が近づいているのを気付けなかった。
男はスキンヘッドで目がギョロリとしている。妙な刺青が腕に入っている。
体は細いのに両腕だけ太いという不自然な筋肉がついている。
「おう、ねーちゃん!見ねえ顔だな!ちょっと太ってるし変な格好してるが、
まあまあ顔は可愛いじゃないか。俺と一緒に遊ぼうぜ!」
「い、いえ、遊びません。私修道院に帰るのです。この道を通してください。」
「はあああ?修道院?何だよシスター見習いってか?けけけけ。おもしれー!
こんな地区でシスター目指すなんてよっぽど訳ありだな?
どうせ男に捨てられたとかだろ?俺が慰めてやるよ!
シスターなんてやめとけ、俺がいいところ紹介してやるよ!さあさあ行こうぜ!」
強引に腕を掴まれる。
「やめてください!困ります!いや!」
「おいおい、俺の前で騒ぐなよ。おい、何だそのデブ女。」
「ああ、坊ちゃんかい?いやねこの姉ちゃんが修道院のシスターになるっているから
俺は親切に別の働き口を探してやってるんですよ。」
「嫌がってんだろ。しかもデブだ。しかも変な身なりしているぞ。
この服悪趣味だが素材は良い。まあ、お前じゃ分かんないだろうけどな。
多分訳ありだ。離してやりな。」
「えー。せっかく見つけたのにー。んだよ。」
「今度俺がもっと細い女持ってきてやるから今日はここでやめとけよ。」
「絶対ですよ坊ちゃん。じゃあ、この女坊ちゃんに渡しときます。 じゃあな!。」
スキンヘッドのガラ悪男は唾を吐いて何処かに行った。
「あ、ありがとうございます。」
助けてくれた男性を見ると20歳前後の美青年が目の前にいた。
先ほどの男とは違い綺麗な肌艶。薄いベージュの髪色、
目は少女漫画に出てきそうな青色だった。
「お前、今日来た隣領のどうしようもない貴族の娘だろ。」睨むようにリリアを見る。
「そうです。事情がありまして、これから一人で修道院に向かうところです。」
「馬車も護衛もなしでしかも変に目立つ格好しているからあんな奴に見つかるんだよ。
化粧もおかしいぞ。噂通りバカみたいな身なりだな。行動も馬鹿だ。」
「確かに。服装も何もかも迂闊でした。おっしゃる通りです。
お見苦しいところお見せして申し訳ありませんでした。」リリアは深く青年に頭を下げる。
「何だよ、見た目とやっていることと今の態度がバラバラだぞお前。
デブだし。まあいい。ここで面倒起こされると困るから俺が修道院まで送ってやるよ。」
「ありがとうございます。ここまで親切にしていただいて。必ずやお礼をさせてください。」
「お前みたいなデブの礼なんていらねーよ。さあ、行くぞ。」
足早に修道院に向かう。
青年の後ろをピッタリついて行く。
時々小走りになってもリリアは同じ感覚を保って小走りになる。リリアはずっと真顔だ。
修道院に着くとシスタージャスミンが出てきた。
「まあ、ロイ。それにリリア嬢。全く状況が掴めません。
説明して頂きたいのですが、もう夜も遅いです。リリア嬢は休みなさい。ロイ、ありがとう。」
「ああ、シスター、たまには良いことするだろ俺。」
「さあ、どうでしょうね。あなたがすべきことは夜の街に繰り出すことなのかしら。じゃあね。」
夜の修道院に男性を入れることはできない。
早々とシスタージャスミンは扉を閉めてロイと距離を置いた。
「シスタージャスミン、すみません。今日はあなたに多々迷惑をかけてしまいました。
本当にごめんなさい。
そしてお願いをあの短時間で全て聞いてくれて本当に助かりました。感謝します。」
リリアは深々と礼をした。
シスタージャスミンもリリアの体型、ドレス、化粧と今の態度がチグハグで違和感を感じていた。
「…何か事情があるのでしょう。修道院ではさまざまな方います。
遅いのでリリア嬢用食事はもうありません。
こんなところで我慢できるのなら寝床を用意しますが。」
「ありがとうございます。食事はいりません。
毛布さえあれば寝れます。貸していただけると幸いです。」
「…分かりました。ついて来て下さい。」
部屋に着くとぼんやり中が見えた。
来客用の寝室のようだ。質素だがシーツもマットレスもある。
明かりをつけるとリタさんに頼んでおいた荷物が梱包した状態で積んである。
服も靴もそして本の山たちも。
「重ね重ねありがとうございます。これからお世話になります。
リリア・アルバです。リリアとお呼びくださいシスタージャスミン。」再度お辞儀をした。
「いえ、荷物をここに運んだだけです。ではおやすみなさい。」
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