疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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それぞれの目的

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リリアのおかしい様子を見てカズがロイに質問する。

「ジーナ、何かすごく変だったね。ロイを意識しまくり。え?ロイ、ジーナに何か言ったの?」

「…。まあな。やっと俺の存在意識してもらえるようになったって事だ。
あの様子だったらカズよりは男として見てもらえてるかもな。そうだったらすまないな、カズ。」

「えー?やっぱり!まあ、良かったじゃんロイ。二人の事は全然良いんだよ。僕ジーナは憧れだし、今ラジオ様の屋敷のメイドさんにちょっと気になる子がいてるんだ。だから気にしないで。」

「え?カズ、変わり身が早いな。俺も見たことあるメイドか?」

「フフフフ。内緒。今度教えてあげるから。」

「そっか。上手くいくといいな。」

「ロイもね。」

「ああ。」お互い照れながら笑っていた。





リリアが手入れの道具を用意していると、ダンが話しかける。

「お嬢ちゃん、ロイと良いところだろうが、ちょっと話がある。

あんたが持ってきた薬草の種、今一部育ててるんだが、成長が止まってやがる。
かなり貴重な品種なんだろう?俺も話でしか聞いたことない薬草だ。」

「そうなんです。お父様からもらった時もそのような話でした。でも、あの薬草を早く収穫したいんです。」

リリアは真剣な仕事モードに切り替わった。

「あれだろ、あの化け物マーガレットに飲ませるつもりだろ?」

「流石です、ダンさん。そうなのです。マーガレットさんには今後担って頂く仕事が膨大です。
あの黒いあざだらけの体では負担が大きすぎます。まずは、あのあざを浄化して体を正常に戻さなければならないのです。シスタージャスミンの話だと一刻を争う話なので、実は焦っているんです。」

「そうだな。…俺はあの化け物ババアに雇われてるんだが、表向きは修道院の改修やごろつきからの護衛だ。

でもな、あいつ、自分が魔力に取り込まれた時の保険に俺を雇ってるはずだ。
妹に始末を頼んでるだろうが、あいつはシスターだ。汚い仕事は俺みたいなのにされるのが一番良い。」

「そんな…。」

「暗黙の契約だ。別に俺は構わない。だが、あの化け物ババアが死ぬのはまだ早すぎる。」

「そ、そうですよね。どうすれば、あの薬草が育つのかしら…。」

リリアは考えた。

「そうだわ、私の母親の故郷ではこの薬草を栽培しているってお父様が言ってた。
私、行ってみます。」

「お嬢ちゃんの母親ってアルバ家の奥様だろ?何年か前に死んだと聞いているが、どこの出身だ?」

「私もあまり知らないのですけど、『深緑の谷』と呼ばれている地域と聞いています。一応貴族の出だと。」

「『深緑の谷』!?本当か?」

「え、ええ。」

「なるほど…。そうか。そうか、そうか。点が点が繋がったぞ。お嬢ちゃんの妙な魔力とあのイヤリング。そういうことか。おい!今からあの化け物ババアの所に行くぞ!」

「え?あ、はい!」





シスタージャスミンに頼みリリア、ダン、ロイ、ラジオ、シスタージャスミンの5名でマーガレットの元に駆けつけた。

マーガレットはベッドから起き上がれないほど体力を奪われており、痛々しい姿になっている。
それでも、魔力を使い続け情報を収集し続けている。

「何でこんな状態でも魔力を使うんだよ!もうやめさせろよ!」ロイが不機嫌に言うが、
シスタージャスミンは諦めた顔で話す、

「無理よ。この人は人の話を聞きませんから。頑固者なんです。止められるのならとっくに止めています。」


「うるさいねえ。あたしのそばでごちゃごちゃ言うんじゃないよ。
ああ、アルバ家のお嬢さんか。良いタイミングだね。あんたのイヤリングを返すよ。それを持って精霊の地、深緑の谷に行きな。
あんたのルーツだろうからね。魔力も使いこなせるんだろう?」

「ええ。時々変わった動きをしますけど、おおかた自分の意思で使えます。」

「はっはっは…。だろうね。あんたの魔力は精霊の影響を受けるからね。でもまあ合格だろ。」

「合格とは?」

「あんたお母親の故郷には誰でも行けるわけじゃない。選ばれた魔力がないと入れない地だ。」

「あ、だからお父様は行きたくても行けなかったのね…。」

「さあ、早く行くんだ。あの地は消滅間近だよ。後継者がいないからね。いらないんだ。

あたしの情報はここまでだ。」

「それを調べるために魔力を?」

「自惚れるな。それだけじゃないよ。金になる情報をずっと探してるんだよ。もうお喋りはやめだ。早く出てってくれ。じゃあね。ダン、色々頼むよ。あんたにしか出来ないことがあるからね。」
マーガレットの声が掠れて生気が削られている。

「言われなくてもわかってるよ。俺の仕事だからな。」

「ありがとうございます。マーガレットさん。どうか、どうかもう少し待っていてください。あなたがこの地には絶対必要なのです。」



マーガレットは返事をせず、手でシッシと追い払うような仕草をした。


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