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誰が悪いんだ?
しおりを挟む帰路につく間、司教とゲイブは時折ほくそ笑み、スクーは普段通りポーカーフェイス。
ケントは顔色が悪く、世話係はげっそりしている。
精霊は自分の花を勝手に持っていかれたことに腹を立てており不機嫌顔で世話係の頭に乗っていた。
バスク地区に着くと、皆はすぐダンの元に向かった。
「おい、老いぼれ!遺体の確認をしてきたぞ!
お前から回収した刃物と切り口が一致していた!
もう言い逃れは出来んからな!その辛気臭い顔もいつまでできるか分からんぞ!
ぐっふっふっふ。」と司教からダンに報告する。
「…。」ダンは黙ったままだ。
「物的証拠が見つかったので、これからは裁判に向けて各機関が動くでしょう。
もう、あなたに用はありません。
アルバ家は裁判の準備のため帰ります。
次にあなたを見るときは裁判ですね。
まあ、それがあなたの命日かもしれませんね。
大切なメイドのかたきを取るために手は抜きませんから、覚悟しておくことですね。
では、失礼します。行きましょうケント様。」
「あ、ああ。」
「…。」ダンはケントをジロリと見る。
「うっ。…。」
ケントはダンの目を見ることが出来なかった。
あの日確認したデリスの姿、この老人は悪くないと思ったこと…。
この人の目を見てしまうと何故か許しを請いたくなってしまう。
口を開くと、この老人に言い訳を聞いて欲しくなってしまう…。
そのケントの心の葛藤を感じたゲイブはケントを無理やり強引に外へ連れていった。
「ケント様、これから裁判です。お心をしっかり持ってください!
あの老人のせいでデリスが死んだのです。
あの老人の仲間がリリア様なのです。
アルバ家のためにも我々が正義を勝ち取るのですよ。
お母様のマリア様が亡き今、あなたがしっかりしなければアルバ家は衰退となります。
マリア様のお力をあなたが引き継ぐため。それがアルバ家の栄光のためでございます。分かりましたね。」
「あ、ああ。そうだな。」
ケントはゲイブの言葉を聞いて心が軽くなった。
そうだ、全てリリアが悪いんだ。
リリアがあの時あんなことを受け入れなければ良かったんだ。
ゲイブもそう言っていた。リリアが悪いんだ。
あいつさえいなければみんなが幸せになれる。
あの老人のことは気の毒だが、リリアに関わったから人生を狂わされたんだ。
デリスもリリアのせいであんな姿にされたんだ。
リリアは生かして置けない。
この裁判には勝たないといけないんだ。
そうすれば、精霊は僕のものだ。
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