俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。

ミミリン

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混乱してふらついてしまう

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アリスの居場所を聞いて早くアリスに会いたい。マリーナ嬢、何でアリスに会わせてくれないんだ?


マリーナ嬢は俺を睨んでいた。睨みながら口元だけがくつくつと鳴っている。

「ふっ、ふふっ。ふふふふ。ふふふふふはははは。」マリーナ嬢どうした?


マリーナ嬢は目から涙が出ていた。涙を拭きながらセリーヌ嬢を見て言う。


「これで分かったでしょう、アリス。アレックスの思いは本物だって。」


ん?アリス?アリスが隠れているのか?隠れているのなら早く姿を見せてほしい。


「アレックス、騙してごめんなさい。私ずっとアリスからあなたとのこと相談を受けていたのよ。あなたがアリスを思えば思うほど自分の外見の事で罪悪感を持ったり疑ったり大変だったのよ。ああ、ごめんなさい。これ以上の話は本人から話さないとね。」


何を言っているんだ?マリーナ嬢の言っていることが半分以上分からない。


「だからねアレックス。あなたの目の前に居る麗しき令嬢がアリスなのよ。」



「???ア、アリス?ん?目の前に居る…セリーヌ嬢…が…アリス?アリス!?」

セリーヌ嬢がアリスだって?嘘だろ?いや、確かに口の形や髪の色はアリスだが。

「アレックス様…。だまし討ちみたいなことをして本当にごめんなさい。気を悪くしているわよね。」
アメジストの瞳が揺れてはかない表情をしている。


声はアリスだ!本物だ!


ちょっと待て、アリスの容姿がここまで美しいなんて予測していなかった。隠していたのか。
何故だ?というか、この美しい令嬢が俺の婚約者という事なのか?
俺、アリスへの思いを本人に思いっきりぶつけたよな?ちょっと、恥ずかしい。今日はパーティーでこれからこのアリスと踊るのか?薬の発案者の発表は?ああ、頭が混乱する…。


あまりに情報が多すぎて思考がまとまらない。


人生で初めて毒でも病気でもないのに立ち眩みを経験した。


足元がふらついて近くにあった棚に体重を支えてもらう。


「アレックス様!」アリスが心配そうに立ち上がる。動く姿も美しい…。


「アリス…。アレックス様じゃなくてアレクだろう?」
ふらつきながら言いたいことはそこだった。かなり疲れているぞ俺。


「ああ、救護の人間を呼ぶわ。色々と情報が多すぎたわよね。パーティーまで時間はあるし、アレックスは別室を用意するからそこで休憩するといいわ。」マリーナ嬢が提案してくれた。

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