二世帯住宅から冒険の旅へ

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第16話 冒険者

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「辰巳、帰って来ないね。どうしよう」

「ふすふす」

「わかってるけどさ。でもなんでいやなの?」

「ふんふん」

「そっかー。怖かったのか。でもそれはボーたちを守るためでしょ?」

「ふん」

「やりすぎ? 見てないからわからないけどそんなにひどかったの?」

「ふすん」

「あー。ちょっとそういうとこあるよね。普段はおとなしくて優しいんだよ」

「ふんふん」

「そうだよ。ちょっとなでさせてあげたら落ち着くと思うんだよね。反省してたし」

「ふす」

「ねえ、あなたさっきからボーと話してるの?」

「ふぇっ?!? だれ?!」

「あ、驚かしちゃった? ごめんなさい」

「あれ? 冒険者っぽい?」

「そう、わたしたち冒険者よ。森の見回りに行くところだったんだけど……あなたはこんなところで一人でなにしてるの?」

「オレも冒険者だよ。いっしょに来た友達が森の奥に行っちゃったから帰りを待ってるんだ」

「そう……気を落とさないでね」

「?」

「ルィル、行くぞ」

「あなたも早く帰ったほうがいいわ。森の入り口でも一人でいるのは危険よ。それじゃ」

「あ、どうも。…………行っちゃったね」

「ふむ」

「ボーはいつもいつごろ村に帰るの?」

「ふす」

「もうちょっといる? それまでに辰巳が帰って来るといいな。そうしたらいっしょに帰れるもんね」

「ふすふす」

「ん? なんかいる?」

「ふんっ」

「え? 上? わっなに?」

「きゅるる」

「サルっぽいやつ……ペッペ?」

「ぺっぺっぺっ」

「ん? なにしてるの?」

「ぺっぺっぺっ」

「あ、いっぱいいる。ボーと遊びに来たの?」

「ふんっ」

「いたずら?」

「きぃきぃ」

「いたずらじゃないの? ボーはいやみたいだけど」

「きゅる」

「まあそんなこともあるよね」

「ききき」

「いいよ。ヒマだし。いつもなにしてるの?」

「きっききき」

「木の上からボーにいたずらする? やっぱいたずらじゃん」

「きゅるる」

「ボーがかまってくれない? まあ興味なさそうだもんね」

「きぃきき」

「まあまあ、森にはほかに遊んでくれる動物はいないの?」

「きゅるるる」

「あー森のそとから来るのに興味があるのか」

「ききゅるきぃ」

「森は飽きた? それはしょうがないよね」

「きゅるるきぃ」

「遊びたいかあ。みんなで遊べるのがいいよね」

「きゅ」

「そっちのボーにいたずらしようとしてるペッペたちもちょっと集まって!」

「ぺっぺっきゅっきぃ」

「ききっ」

「きゅるるるる」

「よし。これからみんなで遊べるゲームをやろう」

「きゅ?」

「ひとりひとつずつ適当に石を選んで。できるだけきれいで特徴的なやつ」

「ききき」

「そうそんな感じ。自分の石だってちゃんとわかるように」

「きゅるる」

「投げちゃダメだよ。大事にして」

「きぃ?」

「そう。大事なものだよ。それが自分の身代わりだからね」

「きっきっ?!」

「魔術じゃないよ。遊びだから。それを使って探検ごっこしよう」

「きゅう?」

「ここにコースを描くよ。このなかを探検するんだ」

「きぃきぃ」

「そう。ここが入り口。みんなここに石を置いて」

「きき」

「そしたら順番にこのサイコロを振るんだ」

「き?」

「こんなふうにそっと振るだけでいいよ。投げちゃダメ」

「きゅる?」

「そううまいね。振ったら上に出た点の数だけ石を動かしてマスを進める」

「きゅ」

「そう。順番に全員振って動かしたらまた最初のひとがサイコロを振るんだよ」

「きゅう」

「それでコースの途中で、たとえばこのマスに止まったらどんぐりをひとつもらえる」

「きき?」

「マスによってはどんぐりがとられることもあるよ」

「きゅぃ」

「コースを探検して一番奥まで行ったら終わり。そのとき持ってるどんぐりの数が多いひとがえらい。みんなでほめる」

「きゅう」

「やってみよ」


そのあと双六がペッペに流行するとは思ってなかった。
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