私の存在

戒月冷音

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第16話

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その数日後、私は第2王子殿下と合う機会をいただけた。
けれどその席には私とマルクス王子殿下。
それに、お兄様とお母様と…王妃陛下が、参加するお茶会となった。
「あの…お父様?どうして、王妃陛下が?」
「ミシェルに会いたいと、言われてな」
「もしかしてそれで、お母様が?」
「あぁ…アクイラスとマルクス殿下は交流があるが、子ども同士で
 話すとなれば、王妃陛下の相手が必要だから」
子供の交流に、親が入るのは無粋。
けれど、其の為に王妃陛下を一人には出来ないから…

「今日の昼前に、離宮のバラ園にあるガセポで…ということだが、場所は…」
「お兄様、分かりますか?」
「あぁ、そうだなアクなら知っているだろう」
「はい。一度行っております」
「メリーには済まないが…」
「王妃陛下のお相手は、お任せください」
心配そうなお父様を、私達三人が勇気づける。

ただ、
「なんで私だけ、お留守番なのですか?」
お姉様は、不服のようだ。
「こめんなさい、ハリエット。
 実はお留守番ではなく、貴女に私の代わりを務めてほしいのよ」
「えっ!?そうなの?」
「えぇ。
 今日は私のお父様とお母様、そして叔父様が、
 いつもの報告と納品に来られるの。
 予定では、私が居るはずだったんだけど、王妃様のお相手を
 貴女に任せられないでしょ?」
「それは、絶対無理です」
「クスクス…ですから、お父様達を任せようと…」
「分かりました。
 お祖父様とお祖母様、そして大叔父様の相手をすれば良いのですね。
 お母様がお帰りになるまで、引き止めますか?」
あんなに不服だったはずのお姉様が、なんだかすっごくやる気になっている。

丁度隣りにいたお兄様に聞くと、お姉様はお祖父様とお祖母様が大好きで、何時もであればお母様がお仕事の話をしている時に、よく顔を出してお邪魔をしていたらしい。
すると
「お兄様~…」
「ハ、ハリエット。どうしたのかなぁ?」
「ミシェルに、余計なことを言いましたわねぇ」
「余計って…ホントの事だ」
「せっかくミシェルに、良いところだけを見てもらってたのに…」
「良いところだけを見せていたら、いざという時に幻滅されるぞ」
「だって…」
お姉様は少し、困った顔をされた。
けれど私にとってお姉様は、どんなお姉様でも変わらない。
まぁ…悪いことをした場合は、姉であろうと叱りますけど…
そう考えながらニッコリと微笑むと、何故かお姉様が身震いした。
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