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珠里の悦び
しおりを挟む誠也に胸を触られるのは、たまらなく気持ちがいい。
ふくらみに唇を這わされ、舌で乳輪を舐め回されると、お腹の奥がゾクゾクしてくる。ちゅぷちゅぷと濡れた音を立てて乳首を吸われると、知らず息が乱れてのけぞりそうになる。
温かい口内で、ぷくりと勃った珠里のつぼみがぬるぬる転がされている。美味しそうにしゃぶられると、気持ち良さとせつなさで誠也の頭を掻き抱いてしまう。
はしたない声が漏れて恥ずかしいのに、そういう自分を喜んでもいる。ひどく興奮して身体が痺れてくる。もっと欲しくなって脚が勝手に開いていく。
押し付けあっている性器は蜜と泡でぬるぬるになっていた。剛直なほどそそり立ったペニスにクリトリスが当たる度に、下腹部が疼いて誘い込んでしまいたくなる。
昨日したばかりで、正直膣口がヒリヒリしている。挿入したら、昨日より痛いかもしれない。
でも、珠里は欲しくなっていた。荒々しく勃起した誠也のそれを、自分の奥に深く閉じ込めたいと思った。
「珠里……。挿れたい……」
誠也がどこか申し訳なさそうな声色で、珠里を見つめてくる。なんて可愛らしい人だろう。恥ずかしそうなのに、とても色っぽくて野性的な瞳にドキドキする。
珠里は胸がいっぱいになり、誠也の唇に熱を込めてくちづけた。
深いキスに溺れながら、乳房をまさぐられて腰が揺れる。ぬちゅぬちゅと擦りあっていた性器が滑り、誠也の先端が珠里の柔らかな襞を探ろうとしている。
「挿れて……。誠ちゃんの、欲しい……」
珠里は自ら腰を浮かした。膣口に欲望の塊を押し当てられる。ドキリとするほど硬くて熱い。誠也がペニスに手を添えて角度を調節する。間近で見つめあっていると、その深い色に吸い込まれそうになる。
「ゆっくり、そのまま腰を落として」
優しく囁かれ、身体から力が抜けた。珠里は誠也の肩に掴まりながら、そろそろと腰を下ろしていく。しとどに濡れているのでほとんど抵抗はない。ぬぷぬぷと襞をめくっていくように、熱いペニスが珠里の中に押し込まれていく。
「あ、ぁあ……っ」
ぐちゅっと音がして、全部呑み込んだのが分かった。誠也が呻くような快楽の声を漏らし、珠里の身体をギュッと抱きしめてくる。
内側が満たされる感覚に一瞬気が遠くなった。こうして繋がると、むしろこの形が本来なのではと思うほどの一体感が込み上げてくる。
「大丈夫か……?辛くない?」
珠里はゆるゆると首を振った。
「……誠ちゃんが中にいると、すごく幸せな気持ちになる」
心地良さと嬉しさで、少しだけ瞳が潤んだ。誠也が眩しそうに眼を細め、「俺もすごい幸せだよ」と更に強く抱きしめた。
「私の中って、どんな感じ……?」
「あったかい。ぬめぬめして、いやらしい。包まれる感じで、めちゃくちゃ気持ちいい」
「……好き?」
「このまま死んでもいいくらい、好きだよ」
誠也の甘い言葉は何よりの媚薬になる。珠里は陶酔感にクラクラしながら、誠也にしがみついて腰をゆっくりと揺らし始めた。
上下に動くたびに、ぬちゅっ、ぬちゅっと恥ずかしい音が漏れる。唇と舌を絡ませ肌をくっつけあって、もっとひとつに溶けあおうとする。
お尻にあてがわれた大きな手のひらが熱い。誠也も下からえぐるように珠里を突きあげてくる。
途切れないキスの合間に互いの呼吸がだらしなく乱れ、珠里の乳房が挑発するように誠也の胸板をくすぐっている。
「あぁ、珠里……。締まる……っ」
恍惚とした表情で誠也が息を漏らした。蕩けそうな顔。自分が誠也にこういう表情をさせていることに心底喜びを感じて、涙が出そうになる。
珠里はより深く誠也を感じたくて、締め付けるように淫らに腰を振った。誠也の息がもっと荒くなる。ペニスに擦られている箇所に、じわじわと快楽の兆しが生じ始めた。
「ふ、あっ、誠ちゃん……っ」
「……イキそう……?」
誠也が珠里の唇を引っ張るように食んだ。腰を回すように押し上げながら、珠里の乳首をクリクリと指で弄ってくる。それがますます刺激になり、珠里は何度か頷きながら誠也の髪をギュッと掴んだ。
不意に、誠也が珠里を抱いたまま立ち上がった。ちゅぽんっと蜜を飛ばしてペニスが抜かれる。
戸惑っていると、浴室の壁に両手を付いた形で立たされ、いきなりバックからぬぷりと貫かれた。躊躇する間もない、やや乱暴な挿入。なのにちっとも嫌じゃなかった。痛くもなかった。
珠里の性器は欲深に誠也を咥えこみ、奥へ奥へと誘いながら淫靡にうねった。体勢が変わるとペニスが当たる位置も微妙に変わる。今はより淫らな感触を伴って珠里の奥を攻め立てている。
「誠ちゃん……っ、きもち、いい……っ。ダメ、これ、すごい、きちゃう……っ」
「いいよ、いつでもイけよ」
耳の中に誠也の舌がねじ込まれる。後ろからきつく抱かれながら、左手で乳首を弄られ、右手でクリトリスをゆるゆると擦られる。
こんな状態で腰を何度も打ち付けられたら、もう何も考えることなどできない。最奥を擦られ、いやらしく刻み付けられ、これ以上逃げられないところまで追い込まれてしまう。
「あ、ぁっ……!イッちゃう……っ」
激しい絶頂感に頭の奥が真っ白になった。
痙攣するように身体が震え、そこから一気に力が抜けていく。フワフワした甘い快楽の余韻に絡めとられ、珠里はそのまま崩れ落ちそうになった。誠也に抱きかかえられていなかったら、浴室の床に膝を打ち付けていたかもしれない。
誠也がペニスを勢いよく引き抜き、珠里のお尻に思い切り射精した。
生温かい液体が太腿までしたたり落ちていく。珠里は呼吸を荒げたまま首を後ろに向け、誠也とまた唇を吸いあった。
その後、ふたりはようやく檜の湯船に浸かった。
お湯の中ではお互い肩を揉んだり脚をマッサージしあったが、触れあっているうちにまた甘いムードになってきて、結局キスが長引く羽目になった。お互いに長いこと想いを抑えてきたせいか、一度想通じあったら歯止めが効かなくなってしまったようだ。
とうとう珠里がのぼせそうになったので、誠也が抱きかかえるようにして慌ててバスルームを出た。
浴室でのセックスに加え、昼間遊んだ疲れもだいぶ溜まっていたらしい。髪を乾かした後、ふたりともベッドに倒れ込むなり、あっという間に深い眠りに落ちてしまった。
翌朝は7時過ぎに眼が覚めた。
カーテンを少しだけ開けて外を見ると、今日も抜けるような青空が広がっていて樹々の緑が鮮やかで眩しかった。なんて美しい朝。新鮮な空気を吸いに、散歩に行きたくなるような。
だが今日はもう帰るのだと思うと名残惜しくてたまらず、何よりもこのコテージとお別れするのが淋しかった。そのせいもあって、なかなかベッドから出る気になれない。
「帰りたくないなぁ……」
明日から会社だと思うと、余計に気が滅入る。それ以上に、誠也とふたりきりで過ごした夢のようなバカンスが終わってしまうのがひどく悲しい。
「また来よう。今度は俺がちゃんと予約取るから。な?」
子供をなだめるように、優しく髪を撫でてくれる。珠里は「うん」と甘えた声を出して、誠也の胸に頬をすり寄せた。
旅が終わるのは残念だけれど、自分は愛する人と同じ家に帰ることができるのだ。それだけでも十分贅沢で幸せなことなのだと心から感じられて笑顔になる。
寝間着代わりに着ていたバスローブは、起きた時点でほぼはだけていた。
それをいいことに、誠也が珠里の身体をあちこち弄りだした。手つきがエッチなので、珠里もついつい恥ずかしい声を出してしまう。
自分ばかり悔しいので、お返しに誠也のいろいろなところも触ったりくすぐったりした。そうやってひとしきりじゃれあって遊び、何度も何度もキスをした。
ようやく身体を離してから、ベッドでパンとチーズの簡単な朝食を取った。
珠里がはだけた胸元にヨーグルトを少し落としてしまい、誠也は当然のようにそれを舌で舐めとった。それからまた乳首を吸ったり転がしたりが始まり、結局いつまで経っても服を着ることができなかった。
着替えを済ませ、荷物をまとめ終えたのはチェックアウトぎりぎりの時間だった。
たくさんの幸せな想い出に感謝しつつ、ふたりはコテージにさよならを告げ、K高原を後にした。
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