Home, Sweet Home

茜色

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嵐の夜

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 長く続いたキスの後、唇を離すと透明な糸がお互いの唇をつたって落ちた。
 オレンジ色の灯りを受けて、藤堂さんの眼の奥がキラキラ光っている。美しい獣みたいな瞳。私たちは呼吸を荒くしながら、再度唇を求めあった。

「・・・悪い。もっと優しくしたいけど、無理かも。全然余裕ない」
「いいんです。嬉しい・・。私も、ずっとこうしてほしかった」
 私の言葉を聞いて、藤堂さんはせつなげに顔を歪めた。藤堂さんの表情を見て、ようやく私は思い知った。5年前のあの夜の想い出に囚われていたのは、決して自分だけではなかったということを。

 藤堂さんが私のルームウェアの上衣に手を掛けた。今日着ているのは、頭から被るタイプのネグリジェのようなデザインだった。ブラは寝る前に自室で外している。膝上までまくれていた裾を一気にたくし上げられ、思いきり胸を露出させられた。完全に脱がせる前に一度手を止め、藤堂さんは私の胸のふくらみをじっと見下ろした。

 恥ずかしい。見つめられるだけで、胸の先がじんじんと痺れて反応してしまいそうになる。
「そんなに、見ないで・・・」
「やだよ。ずっと見たくてたまらなかったんだから」
 藤堂さんはフウッと息をつくと、おもむろに私の乳首を口に含んだ。
「あっ、やっ・・・!」
 ルームウェアが腕と首にまだ引っかかっている状態で、剥き出しの乳房を撫で回され、蕾を強く吸われる。掠れた喘ぎが勝手に喉から漏れ出してきて、自分がこんなに甘い声を出すのかと驚いた。藤堂さんは濡れた音を立てながら私の乳首を吸い上げ、乳輪をいやらしく舐めた。
「だ、め・・・!藤堂、さん。そんなにしちゃ・・・」
 じゅわっと脚の間から蜜があふれ出すのを感じ、ひどく恥ずかしくなる。
 私は快感と羞恥に震えて身をよじらせた。藤堂さんがもどかしそうに身を起こし、私のルームウェアを完全に脱がせて畳の上に放り投げる。ショーツもあっと言う間に引き下ろされ、スルリと脚から抜き取られた。

 心細さに胸を両手で抱くと、藤堂さんは私のおでこに優しくキスしてくれた。それから慌ただしく自分の着ているものを脱ぎ捨てていく。
 贅肉のない筋肉質のなめらかな肌が私の前に現れた。5年前にこの身体に抱かれた夜を想い出して、お腹の奥がキュッと疼いてしまう。藤堂さんが下着も脱ぎ捨てている気配がして、私は胸が痛いくらいに緊張して吐息を震わせた。

 藤堂さんの裸の身体が私の素肌に重なっていく。
 大きな熱い手が私の肩から腕、脇の下からお腹へと這いまわり、やがて目的のものを見つけたかのように両の乳房を包み込んだ。
 すくい上げるように柔らかく揉みしだかれ、手のひらの熱にとろけてしまいそうになる。気持ち良くて淫らな気持ちに翻弄されて、いつしか私は深く喘いでいた。

「・・・あっちに行ってからずっと、何度もおまえの身体を想い出してた」
 藤堂さんは私の胸に唇を這わせながら囁いた。
「・・・札幌で?」
 私は藤堂さんの髪に指を差し入れながら、まるで幼い子を慈しむように見下ろす。
「札幌で。淋しい男だろ。おまえを想い出して、何度も一人で抜いたよ」
 情けなそうに笑う藤堂さんの顔を両手で挟み、私は愛おしさで胸がいっぱいになりながら甘くくちづけた。キスしながら胸を愛撫されると、感じすぎて舌がぴくぴくと跳ねてしまう。藤堂さんはそれを面白がって、私の乳首を指でキュッキュッと優しく摘んで遊んでいる。

「私、も・・・。ずっと、何回も、想い出してた・・・」
「・・・自分で、したの?」
 そんなことは恥ずかしくて答えられない。私がきつく眼を閉じて「知らない」という態度を取ると、藤堂さんは更に乳首への刺激を強めて私を問い詰める。
「教えて。俺のこと想い出して、自分でした・・・?」
「いや。言わない」
「言って。知りたい。俺を想って、してくれたの?・・・ん?」
「ああっ。やぁん・・・!」
 乳首を指先で引っ張られクリクリと先端を転がされると、あられもない淫らな声が漏れてしまう。
「答えるまで、やめない」
 藤堂さんの指が、私の腫れた蕾を執拗に苛める。私は身をのけぞらせ、とうとう観念した。
「し、た・・・。自分で、した・・・。藤堂さんに、逢いたくて・・・」
「俺もだよ。おまえにずっと逢いたかった。・・・鞠子」
 藤堂さんは私の乳房にしゃぶりついて、硬く尖った乳首を銜えて噛んだ。
「あああ・・・!はぁっ・・・」
 私は藤堂さんの頭を胸に掻き抱き、両脚をせつなく擦り合わせて甘く鳴いた。


 藤堂さんの愛撫は、あっという間に私の心と体をほどいてとろけさせた。
「すごいな。あのときより何倍も濡れてる。オトナになったんだな」
「や・・・。そういうこと、言わないで・・・。あぁ・・・っ」
「なんで?さっきからエッチなこと言うたびに、どんどん身体がいやらしくなってるぞ」
 藤堂さんが耳元で囁きながら、私の性器を撫で回し、指でくちゅくちゅと掻き回している。もう中に指が2本挿入されていて、いわゆるGスポットと言われる辺りを繰り返し攻められ、私のお腹の奥はじわじわと快感に押し上げられていた。
 だらしなく唇が開いたままなので、唾液が零れ落ちそうでとても恥ずかしい。でも藤堂さんは、私が乱れていくのを見るのがたまらないと言って、さっきから私の感じやすい場所を執拗に苛めていた。

 指を中に挿れて抜き差ししながら、別の指でクリトリスをコリコリといじられた。
 同時に刺激されるといきなり快感が増し、身体が急速に開発されていくのが分かる。藤堂さんは私のいろいろなところを触ったり捏ねたり啜ったりしながら、私の反応を見て喜び、愛おしげにきつく抱き寄せ、何度も濡れたキスをした。

 かなり早い段階から、藤堂さんのモノが硬く盛り上がって私のお腹や太腿に当たっているのを感じていた。指を中に挿れてからは更に硬度が増し、藤堂さんも相当苦しいんじゃないかと心配になるほどだった。
 5年前に一夜を共にしたとき、私は藤堂さんのペニスそのものを見なかった。怖くて恥ずかしくて、藤堂さんが避妊具をつけるときもずっと眼をそらしていたのだ。
 でも今は、すごく見たいと思った。触れたいとも思った。私を想い出して一人で自慰をしたと打ち明けてくれた喜びが、その気持ちに拍車をかけていた。

「藤堂さん・・・。私も触っていい?」
 藤堂さんは驚いたように私の顔を見下ろした。その眼に、ひどく色っぽい野性的な光が宿る。
「本当にオトナになったんだな。・・・いいよ、触って。嬉しいよ」
 そう言って藤堂さんは身体を起こすと、布団の上に座り直してから私の腕を優しく引っ張り上げた。向き合って座ると、ドキドキしながら藤堂さんのそそり立っているペニスをじっと見た。

 それは予想していた以上に大きくて、上を向いて力強く屹立していた。
 5年前、経験のなかった私の身体の中に本当にこれが挿入されたなんて、ちょっと信じられない気がして胸が苦しくなる。
 今もまだ、脅えるような気持ちが少し。そしてそれ以上に、欲望と深い愛情が私の身体の奥からこみ上げてくる。
 私はそっと手を伸ばして、意思を持っているかのごとく勃起しているペニスに触れてみた。藤堂さんが気持ちよさそうに熱い吐息を漏らす。眼を薄く閉じて私の手の動きに感じてくれている藤堂さんを見ていたら、私もまた胸がいっぱいになって深く感じてしまう。

 熱くなった肉棒を手で擦りながら、藤堂さんの唇にキスした。教わったわけでもないのに、自然と手が上下にしごくように動く。
「すごい、気持ちいい・・・」
 藤堂さんが恍惚とした声を出した。嬉しい。自分の手で大好きな人を感じさせている。自然と私の秘所からも新しい蜜がたらたらとあふれ出す。
 藤堂さんの手も、再び私の秘裂をいやらしく愛撫し始めた。蜜をすくいとった指が、ぬるぬるとなすりつけるようにしてクリトリスを転がす。別の指がゆっくりと、濡れそぼった窪みへ差し入れられる。
 私は思わず、深く息を吸い込んだ。藤堂さんが指を器用に動かすたびに、私の脚の間からちゅぷちゅぷと恥ずかしい水音が響き渡った。

 外はまだ嵐だ。でも私たちの耳に、雨風の音はもう聞こえてこない。


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