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幕間2
ゾンビ
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その晩、私はまた夢を見た。
それはこの前の夢の続きだった。
崩れてしまったピラミッド。延々と続く暗闇。私は無の世界を彷徨い続けていた。無の世界はどこまで続いているのだろうか。歩き続ける私は血だらけだった。体がどんどん朽ちていく。夢の中の私はまるでゾンビだ。
「もう、少し……」
ピラミッドはもう無い。あるのは暗闇で、どこに何があるのかもわからない。
彷徨っていると後ろの方から何かが私の足元を掴んだ。私は慌てて振り向いた。わずかな明かりで眼前には骨が剥き出しになったゾンビが一人這っているのが見えた。
「お前のせいだ……」
その声からして、ゾンビの正体は友美だった。彼女の顔が私の方へと向けられる。とたんに彼女の左目の眼球が剥がれ落ちた。
「全部、お前が悪いんだ……」
「なんで、そんなこと言うの……」
私の歩みが止まる。友美のゾンビは私の足を決して離さなかった。しばらくの間、膠着が続く。やがて、どこからか数多ものゾンビや悪霊のようなものが私と友美を取り囲んだ。
「やめて……」
私は必死でゾンビや悪霊を払い退ける。それでも、数には敵わず、取り囲まれていく。
もうだめか。私はここで完全に暗闇の中に消えていくのか。そう思った時だった。一筋の光が射し込んで、私を取り囲んでいたゾンビや悪霊たちが突如、灰と化した。
「ああ、そんな……」
それと同時に友美の体も灰となりつつあった。
「ごめんね……」
最後の最後でごめんねと言った彼女は泣いているように思えた。灰と化した彼女は風に運ばれ、残った灰のみがあたりを漂っていた。
射し込んだ光は一直線に道を照らしていた。遠いどこかへと繋がっているその道を私は迷うことなく進みはじめた。
目が覚めると朝を迎えていた。朝日が閉じたカーテンの隙間から射し込んでいた。
「また変な夢を見ちゃった……」
カーテンを開けようとしたら左腕が痛みだした。前日に友美がつけた傷だった。私の気持ちが暗い方へと進んでいく。友美のことが心配だった。自分にできることは何だろうとも考えた。思えば、私の心が弱りはじめたのはこの頃からだった。
考えても何も出なかったので、私は朝食を食べるためにリビングへと向かった。リビングにはお母さんとお父さんが先に準備をして待っていた。久しぶりに家族三人での朝食だった。その食卓はこの頃の私にとって数少ない温かい時間だった。
時が来てしまった。語らねばならない時が。この街で一番の悲劇と私の青春の終わりを語らねばならない。もし、時を巻き戻せるとしたら私はこの日の午前中に巻き戻ってそこからの全てをやり直したい。私はこの朝に気づくべきだったのだ。友美が次に誰のもとへ行くのかを。そうしたら、あんな事にならずに済んだかもしれない。今更考えても仕方のない話だが。
それはこの前の夢の続きだった。
崩れてしまったピラミッド。延々と続く暗闇。私は無の世界を彷徨い続けていた。無の世界はどこまで続いているのだろうか。歩き続ける私は血だらけだった。体がどんどん朽ちていく。夢の中の私はまるでゾンビだ。
「もう、少し……」
ピラミッドはもう無い。あるのは暗闇で、どこに何があるのかもわからない。
彷徨っていると後ろの方から何かが私の足元を掴んだ。私は慌てて振り向いた。わずかな明かりで眼前には骨が剥き出しになったゾンビが一人這っているのが見えた。
「お前のせいだ……」
その声からして、ゾンビの正体は友美だった。彼女の顔が私の方へと向けられる。とたんに彼女の左目の眼球が剥がれ落ちた。
「全部、お前が悪いんだ……」
「なんで、そんなこと言うの……」
私の歩みが止まる。友美のゾンビは私の足を決して離さなかった。しばらくの間、膠着が続く。やがて、どこからか数多ものゾンビや悪霊のようなものが私と友美を取り囲んだ。
「やめて……」
私は必死でゾンビや悪霊を払い退ける。それでも、数には敵わず、取り囲まれていく。
もうだめか。私はここで完全に暗闇の中に消えていくのか。そう思った時だった。一筋の光が射し込んで、私を取り囲んでいたゾンビや悪霊たちが突如、灰と化した。
「ああ、そんな……」
それと同時に友美の体も灰となりつつあった。
「ごめんね……」
最後の最後でごめんねと言った彼女は泣いているように思えた。灰と化した彼女は風に運ばれ、残った灰のみがあたりを漂っていた。
射し込んだ光は一直線に道を照らしていた。遠いどこかへと繋がっているその道を私は迷うことなく進みはじめた。
目が覚めると朝を迎えていた。朝日が閉じたカーテンの隙間から射し込んでいた。
「また変な夢を見ちゃった……」
カーテンを開けようとしたら左腕が痛みだした。前日に友美がつけた傷だった。私の気持ちが暗い方へと進んでいく。友美のことが心配だった。自分にできることは何だろうとも考えた。思えば、私の心が弱りはじめたのはこの頃からだった。
考えても何も出なかったので、私は朝食を食べるためにリビングへと向かった。リビングにはお母さんとお父さんが先に準備をして待っていた。久しぶりに家族三人での朝食だった。その食卓はこの頃の私にとって数少ない温かい時間だった。
時が来てしまった。語らねばならない時が。この街で一番の悲劇と私の青春の終わりを語らねばならない。もし、時を巻き戻せるとしたら私はこの日の午前中に巻き戻ってそこからの全てをやり直したい。私はこの朝に気づくべきだったのだ。友美が次に誰のもとへ行くのかを。そうしたら、あんな事にならずに済んだかもしれない。今更考えても仕方のない話だが。
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