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23話
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「クラリサ嬢、メルティ嬢、ありがとう」
騎士達が嬉しそうに、お土産として持ってきたクッキーを頬張る。
デートコースがいつも訓練場だとわかったメルティは、頼んでクッキーを作ってもらって持っていくようになった。
ドタキャンのレドゼンツ伯爵家の令嬢と遠巻きにしていた騎士達も歓迎するようになる。いや逆に、見に来ると聞けば俄然やる気になった。
ここに見学に来るとすれば、騎士の家族か婚約者となり、ルイスが連れてきているとなれば、婚約者候補なのだろうと騎士達も思う様になったのだ。
そして、華がない訓練場に二人が訪れるだけで違う。特にメルティは、気遣い話しかけてくる。まだあどけない彼女は、みんなの妹の様な存在になりつつあった。
「ライアン様。靴ひもが解けそうですわ」
「あ、本当だ。ありがとう」
ホッとするメルティ。
今日の予言は、靴ひもを踏む映像だった。皆が同じ靴を履いているので、全員の足元を注視して探すのは大変だ。なにせ動き回っているのだから。
お菓子を食べに来た時がチャンスと、俯いていた。
「よく、やるわね。騎士の妻にでもなるつもり?」
ボソッと言うクラリサに驚いてメルティが、顔を上げた。
クラリサが目指しているのは、ルイスの妻の座。
ここにいる騎士達は全員貴族だが、男爵家から侯爵家と幅広い。しかも次男に三男もいる。家名を継ぐ者達だけではないのだ。
「別にそういう訳ではありません」
「そうなの? じゃ、ちやほやされるのが嬉しいのかしら」
「いいえ。そのような事は……」
予言を見た事はクラリサには話していない。今のところ、自分で防げるような内容ばかりだからだ。なのでクラリサは、メルティが騎士達の予言を見ているとは、気づいていなかった。
「ふうん。ところで明日の授業はダンスだそうね」
「え? はい。そのように聞いています」
クラリサがリンアールペ侯爵夫人の授業に関しての話を振ってきたのは初めてで、メルティは驚く。
授業は順調で、残り一か月を切った。
ダンスの授業を行うにあたり、場所を移動して行うと言う。つまり外出する。
「リンアールペ侯爵夫人宅で行うそうね」
「え……そうなのですか」
「まあ、白々しい」
どこで行うかは聞いていない。だがよく考えれば、そうなのかもとメルティは、クラリサに言われ気が付き驚いた。
「そうかもしれませんわね。ですがどこで行おうと、全力を尽くすのみですわ」
教わった淑女の態度でクラリサに返せば、ギロリと睨まれる。
「まあいいわ。デビュタントが楽しみね。あなたの無様な姿を見れるなんてね」
「え……」
クラリサの言葉に、メルティは目を瞬く。
彼女がパーティーに招待されているとは思っていなかった。あの時、招待状を貰ったのは、メルティだけだ。
クラリサは、ルイスとの関係が良くなってきた事もあり、姉としてパーティーに招待されると思っていた。
そしてメルティは、ある事実に気づいていない。そうパーティー用のドレスがない事だ。もちろん、クラリサはドレスを貸すつもりはない。
そもそもデビュタント用のドレスは華やかで、その一度だけ着るようなドレスだ。教養が身についても、ドレスがみすぼらしければ恥をかくのは必然だった。
「お姉様、パーティ―にご招待されていたのですね」
「当たり前じゃない!」
クラリサはつい叫んでしまい、ハッとして笑顔を繕う。
「そう……ですか」
リンアールペ侯爵夫人は、クラリサを認めていないと思っていたメルティは、少なからずショックを受けていた。ちょっとだけ優越感を持っていたのかもしれない。
落ち込む様子を見せるメルティを見たクラリサは、憂さ晴らしになったと機嫌を良くする。
「今日もクッキーをありがとう。今度は、お茶の席に招待するよ」
帰り際に、驚く言葉をルイスが言ったのでクラリサの機嫌はさらに上昇する。
だがメルティは不安になった。リンアールペ侯爵夫人に授業を受けたと言っても、お茶会など初めてなのだ。
しかも相手は、王族。次なる失態は許されない。
「ありがとうございます。楽しみにお待ちしておりますわ。ルイス殿下」
クラリサが嬉しそうに返す。
「もちろん、メルティ嬢も来てくれるよね」
「え……もちろんですわ。私も楽しみですわ」
ルイスが、メルティもと名指しをしたのでクラリサの機嫌は急降下する。
「なぜ、あなたまでお呼ばれされるのよ!」
馬車に乗り込んだとたん、面白くないとメルティに当たる。
「いつも一緒だからではないかしら? セットだと思われているのだわ」
リンアールペ侯爵夫人に授業を受ける前までは、こんな風に返す事などできなかった。喧嘩腰になるか俯いて何も言えなかったのが、堂々と返事を返した事に更に不機嫌になるクラリサ。
「いい気になるんじゃないわよ! いい? 予言を見たら言うのよ!」
「はい。お姉様」
メルティがにっこりとして返せば、クラリサが悔しそうな顔つきをする。
堂々とした態度が気に入らない。
だが一度でも予言してもらえば、もうメルティについて来てもらう必要もなくなる。
気に入った騎士でもいるのだろうけど、もう会えなくなるわよとほくそ笑むのだった。
騎士達が嬉しそうに、お土産として持ってきたクッキーを頬張る。
デートコースがいつも訓練場だとわかったメルティは、頼んでクッキーを作ってもらって持っていくようになった。
ドタキャンのレドゼンツ伯爵家の令嬢と遠巻きにしていた騎士達も歓迎するようになる。いや逆に、見に来ると聞けば俄然やる気になった。
ここに見学に来るとすれば、騎士の家族か婚約者となり、ルイスが連れてきているとなれば、婚約者候補なのだろうと騎士達も思う様になったのだ。
そして、華がない訓練場に二人が訪れるだけで違う。特にメルティは、気遣い話しかけてくる。まだあどけない彼女は、みんなの妹の様な存在になりつつあった。
「ライアン様。靴ひもが解けそうですわ」
「あ、本当だ。ありがとう」
ホッとするメルティ。
今日の予言は、靴ひもを踏む映像だった。皆が同じ靴を履いているので、全員の足元を注視して探すのは大変だ。なにせ動き回っているのだから。
お菓子を食べに来た時がチャンスと、俯いていた。
「よく、やるわね。騎士の妻にでもなるつもり?」
ボソッと言うクラリサに驚いてメルティが、顔を上げた。
クラリサが目指しているのは、ルイスの妻の座。
ここにいる騎士達は全員貴族だが、男爵家から侯爵家と幅広い。しかも次男に三男もいる。家名を継ぐ者達だけではないのだ。
「別にそういう訳ではありません」
「そうなの? じゃ、ちやほやされるのが嬉しいのかしら」
「いいえ。そのような事は……」
予言を見た事はクラリサには話していない。今のところ、自分で防げるような内容ばかりだからだ。なのでクラリサは、メルティが騎士達の予言を見ているとは、気づいていなかった。
「ふうん。ところで明日の授業はダンスだそうね」
「え? はい。そのように聞いています」
クラリサがリンアールペ侯爵夫人の授業に関しての話を振ってきたのは初めてで、メルティは驚く。
授業は順調で、残り一か月を切った。
ダンスの授業を行うにあたり、場所を移動して行うと言う。つまり外出する。
「リンアールペ侯爵夫人宅で行うそうね」
「え……そうなのですか」
「まあ、白々しい」
どこで行うかは聞いていない。だがよく考えれば、そうなのかもとメルティは、クラリサに言われ気が付き驚いた。
「そうかもしれませんわね。ですがどこで行おうと、全力を尽くすのみですわ」
教わった淑女の態度でクラリサに返せば、ギロリと睨まれる。
「まあいいわ。デビュタントが楽しみね。あなたの無様な姿を見れるなんてね」
「え……」
クラリサの言葉に、メルティは目を瞬く。
彼女がパーティーに招待されているとは思っていなかった。あの時、招待状を貰ったのは、メルティだけだ。
クラリサは、ルイスとの関係が良くなってきた事もあり、姉としてパーティーに招待されると思っていた。
そしてメルティは、ある事実に気づいていない。そうパーティー用のドレスがない事だ。もちろん、クラリサはドレスを貸すつもりはない。
そもそもデビュタント用のドレスは華やかで、その一度だけ着るようなドレスだ。教養が身についても、ドレスがみすぼらしければ恥をかくのは必然だった。
「お姉様、パーティ―にご招待されていたのですね」
「当たり前じゃない!」
クラリサはつい叫んでしまい、ハッとして笑顔を繕う。
「そう……ですか」
リンアールペ侯爵夫人は、クラリサを認めていないと思っていたメルティは、少なからずショックを受けていた。ちょっとだけ優越感を持っていたのかもしれない。
落ち込む様子を見せるメルティを見たクラリサは、憂さ晴らしになったと機嫌を良くする。
「今日もクッキーをありがとう。今度は、お茶の席に招待するよ」
帰り際に、驚く言葉をルイスが言ったのでクラリサの機嫌はさらに上昇する。
だがメルティは不安になった。リンアールペ侯爵夫人に授業を受けたと言っても、お茶会など初めてなのだ。
しかも相手は、王族。次なる失態は許されない。
「ありがとうございます。楽しみにお待ちしておりますわ。ルイス殿下」
クラリサが嬉しそうに返す。
「もちろん、メルティ嬢も来てくれるよね」
「え……もちろんですわ。私も楽しみですわ」
ルイスが、メルティもと名指しをしたのでクラリサの機嫌は急降下する。
「なぜ、あなたまでお呼ばれされるのよ!」
馬車に乗り込んだとたん、面白くないとメルティに当たる。
「いつも一緒だからではないかしら? セットだと思われているのだわ」
リンアールペ侯爵夫人に授業を受ける前までは、こんな風に返す事などできなかった。喧嘩腰になるか俯いて何も言えなかったのが、堂々と返事を返した事に更に不機嫌になるクラリサ。
「いい気になるんじゃないわよ! いい? 予言を見たら言うのよ!」
「はい。お姉様」
メルティがにっこりとして返せば、クラリサが悔しそうな顔つきをする。
堂々とした態度が気に入らない。
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