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第十一章 彼らの選択
第百十八話
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(俺が守る!)
熱風はすぐに納まった。ティモシーが結界を張ったからだ! 彼は上半身を起こし右手を突き出していた。
その結界は、炎を吸収している!
「ほぉ。これほどとは……」
これには、トンマーゾもそう零す。
炎を全て吸収するとティモシーは、パタンと倒れ込む。
(体が重い……。あ、そっか。普段使ってないから魔力の量が少なくて……)
ティモシーの意識はそこで切れる。
普段、魔術を使わないティモシーは、魔術師にしては魔力の容量が少ない為、結界を使った事により一気に魔力を消費し気を失ったのである。
「ティモシー!」
ランフレッドは、慌ててしゃがみ込んだ。
レオナールがふとトンマーゾを見ると、彼はまた走り出していた!
その彼を慌ててレオナールは追いかけようとするもまたもや炎が迫って来ていた。先ほどよりも威力が弱いものの、レオナールが張った結界がまたもや破られた! だが今回も三人を炎は襲わなかった。
「何とか間に合いましたか……」
レオナールが振り向けば、近くにブラッドリーが来ていて結界を張っていた。ティモシーが張った結界同様に炎を吸収する。
「クレ! お前は俺まで殺す気か! おっと!」
トンマーゾが炎を放った者に文句を言っていると、ブラッドリーが吸収した炎を二人に放った為、彼はそれに向け魔術を放った! 助けに来たクレによってトンマーゾは封印を解除されていた。
ボンっと衝撃音の後、辺りは霧に包まれた! 水系の魔術だった為に水蒸気爆発が起きたのだ!
レオナールが腕を振り、その霧を振り払うと二人の姿は既になかった。
「レオナール様、お怪我は?」
「ありません。ブラッドリー、ありがとうございます。助かりました」
ブラッドリーの質問に、レオナールは二人が逃げた先をジッと見つめたまま答えた。そして、その視線をランフレッドに向ける。
「ランフレッド。ティモシーからペンダントを譲り受けましたか?」
その問いに、ランフレッドは頷く。
「そうですか。決心をしてくれたようですね」
「決心……」
レオナールの言葉を拾い、ランフレッドは呟く。
「ティモシーは、母親の言いつけを守り今までは魔術師である事を隠して過ごしていました。ですが彼は、その言いつけを破り魔術師としての道を選ぶ決心をしたようです」
そう話すレオナールの顔には、安堵が浮かんでいた。
「そう言えば、三人はどうしました?」
「束縛してあります。逃げはしないでしょう」
ブラッドリーに振り返り聞いたレオナールにそう答えた。彼の言う通り彼らは大人しくその場に留まっていた。トンマーゾの所に戻れば殺される可能性があるのだ。賢明な判断だろう。
「さて、戻りますか」
レオナールの言葉に二人は頷くと、ランフレッドはティモシーを抱きかかえ立ち上がった――。
熱風はすぐに納まった。ティモシーが結界を張ったからだ! 彼は上半身を起こし右手を突き出していた。
その結界は、炎を吸収している!
「ほぉ。これほどとは……」
これには、トンマーゾもそう零す。
炎を全て吸収するとティモシーは、パタンと倒れ込む。
(体が重い……。あ、そっか。普段使ってないから魔力の量が少なくて……)
ティモシーの意識はそこで切れる。
普段、魔術を使わないティモシーは、魔術師にしては魔力の容量が少ない為、結界を使った事により一気に魔力を消費し気を失ったのである。
「ティモシー!」
ランフレッドは、慌ててしゃがみ込んだ。
レオナールがふとトンマーゾを見ると、彼はまた走り出していた!
その彼を慌ててレオナールは追いかけようとするもまたもや炎が迫って来ていた。先ほどよりも威力が弱いものの、レオナールが張った結界がまたもや破られた! だが今回も三人を炎は襲わなかった。
「何とか間に合いましたか……」
レオナールが振り向けば、近くにブラッドリーが来ていて結界を張っていた。ティモシーが張った結界同様に炎を吸収する。
「クレ! お前は俺まで殺す気か! おっと!」
トンマーゾが炎を放った者に文句を言っていると、ブラッドリーが吸収した炎を二人に放った為、彼はそれに向け魔術を放った! 助けに来たクレによってトンマーゾは封印を解除されていた。
ボンっと衝撃音の後、辺りは霧に包まれた! 水系の魔術だった為に水蒸気爆発が起きたのだ!
レオナールが腕を振り、その霧を振り払うと二人の姿は既になかった。
「レオナール様、お怪我は?」
「ありません。ブラッドリー、ありがとうございます。助かりました」
ブラッドリーの質問に、レオナールは二人が逃げた先をジッと見つめたまま答えた。そして、その視線をランフレッドに向ける。
「ランフレッド。ティモシーからペンダントを譲り受けましたか?」
その問いに、ランフレッドは頷く。
「そうですか。決心をしてくれたようですね」
「決心……」
レオナールの言葉を拾い、ランフレッドは呟く。
「ティモシーは、母親の言いつけを守り今までは魔術師である事を隠して過ごしていました。ですが彼は、その言いつけを破り魔術師としての道を選ぶ決心をしたようです」
そう話すレオナールの顔には、安堵が浮かんでいた。
「そう言えば、三人はどうしました?」
「束縛してあります。逃げはしないでしょう」
ブラッドリーに振り返り聞いたレオナールにそう答えた。彼の言う通り彼らは大人しくその場に留まっていた。トンマーゾの所に戻れば殺される可能性があるのだ。賢明な判断だろう。
「さて、戻りますか」
レオナールの言葉に二人は頷くと、ランフレッドはティモシーを抱きかかえ立ち上がった――。
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