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第十五章 謀略に始まり謀略で終わる
第百八十四話
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その組織に当時十六歳のクレも志願していた。彼女はサンチナドに心酔する一人で、優しく強いステラミリスを慕っていた。
そんな彼女と組んでトンマーゾはエクランド国に送り込まれた。二人は年も離れている事もあり、知らない者としてそれぞれ潜伏する事になった。
暫くはそれぞれの当てがられた国に潜伏し、優秀な薬師の獲得と魔術師を探し出す事が役割だった。だが、エクランド国では優秀な薬師は沢山いたが獲得――つまり国へ連れ帰る事は困難だった。
薬師達は、この国で仕事が出来るのがステータスだからだ。わざわざ聞いた事もない国に行こうという者はいなかった。
魔術師だって見当たらない。そもそもこの国は他国と違い思ったより警備が強化されていた。
薬師に関して言えば国にいる者達を手厚く保護している。仕事がないと言えば紹介もしてくれる。
そして薬師達の管理もきちんとされていた。
魔術師の組織の存在は、暫くは知られてはならない為、目星をつけるだけで良しとされている。薬師獲得は、いずれ魔術師の世界が訪れる時に戦争になる恐れもあり、自分達側に優秀な薬師達を揃えておきたいという考えからだった。
魔術師の国とわかった時点でサラスチニ国と戦争する国などいないと思うトンマーゾだったが、命令に背く事も出来ないので、自ら薬師になりエクランド国に潜伏する事にした。
トンマーゾはステラミリスと定期的に連絡を取り合っていた。と言っても、彼女が精神体になって会いに来る形だった。
その彼女に、クレがトンマーゾの監視をしているみたいだと教わる。彼の情報が入って来ているのをステラミリスは掴んだのだ。
トンマーゾはやっと何故あんな小娘と組まされたか理解した。
クレはサンチナドにある事ない事吹き込まれ、一時期ステラミリスの婚約者だったトンマーゾの監視役にあてられたのだ。彼女もまた精神体で動ける体質だった。
それにこの国にあてがられた理由もだ。手柄を立てられては困るからだ。どう考えてもこの国から薬師を連れ帰るのは無理だった。薬師の国から薬師を一人も連れて来られない。トンマーゾの株は下がる。
トンマーゾは当初、自分を認めてもらうつもりだった。だがそれは諦め、サンチナドの謀略を暴く事にする。ステラミリスと連絡を取り合っているのを知られては困る。監視されるのも動きづらい。
そこで王宮専属薬師になる事を思い立つ。知り合いを作り後見人を確保する。そして一発合格を狙う。失敗すれば次はないからだ。なってしまえばどうしようも出来ないだろうが、なろうとしているのならば阻止できるからである。
トンマーゾは一発合格を果たす。薬師になったばかりだが、薬師の技術は以前から習得していたから出来た事だった。
その後、ステラミリスとの連絡は昼間行う事にした。トンマーゾとステラミリスは指輪を交換しあっていた。それはマジックアイテムでお互いを感じられる物。つまり精神体が近くにいるとわかる物だった。
ステラミリスが訪ねて来た時は、そっと裏手の森に入り魔術で自分を眠らせステラミリスと会話していた。夜だとクレが精神体で監視に来るかもしれないからだ。
そんな彼女と組んでトンマーゾはエクランド国に送り込まれた。二人は年も離れている事もあり、知らない者としてそれぞれ潜伏する事になった。
暫くはそれぞれの当てがられた国に潜伏し、優秀な薬師の獲得と魔術師を探し出す事が役割だった。だが、エクランド国では優秀な薬師は沢山いたが獲得――つまり国へ連れ帰る事は困難だった。
薬師達は、この国で仕事が出来るのがステータスだからだ。わざわざ聞いた事もない国に行こうという者はいなかった。
魔術師だって見当たらない。そもそもこの国は他国と違い思ったより警備が強化されていた。
薬師に関して言えば国にいる者達を手厚く保護している。仕事がないと言えば紹介もしてくれる。
そして薬師達の管理もきちんとされていた。
魔術師の組織の存在は、暫くは知られてはならない為、目星をつけるだけで良しとされている。薬師獲得は、いずれ魔術師の世界が訪れる時に戦争になる恐れもあり、自分達側に優秀な薬師達を揃えておきたいという考えからだった。
魔術師の国とわかった時点でサラスチニ国と戦争する国などいないと思うトンマーゾだったが、命令に背く事も出来ないので、自ら薬師になりエクランド国に潜伏する事にした。
トンマーゾはステラミリスと定期的に連絡を取り合っていた。と言っても、彼女が精神体になって会いに来る形だった。
その彼女に、クレがトンマーゾの監視をしているみたいだと教わる。彼の情報が入って来ているのをステラミリスは掴んだのだ。
トンマーゾはやっと何故あんな小娘と組まされたか理解した。
クレはサンチナドにある事ない事吹き込まれ、一時期ステラミリスの婚約者だったトンマーゾの監視役にあてられたのだ。彼女もまた精神体で動ける体質だった。
それにこの国にあてがられた理由もだ。手柄を立てられては困るからだ。どう考えてもこの国から薬師を連れ帰るのは無理だった。薬師の国から薬師を一人も連れて来られない。トンマーゾの株は下がる。
トンマーゾは当初、自分を認めてもらうつもりだった。だがそれは諦め、サンチナドの謀略を暴く事にする。ステラミリスと連絡を取り合っているのを知られては困る。監視されるのも動きづらい。
そこで王宮専属薬師になる事を思い立つ。知り合いを作り後見人を確保する。そして一発合格を狙う。失敗すれば次はないからだ。なってしまえばどうしようも出来ないだろうが、なろうとしているのならば阻止できるからである。
トンマーゾは一発合格を果たす。薬師になったばかりだが、薬師の技術は以前から習得していたから出来た事だった。
その後、ステラミリスとの連絡は昼間行う事にした。トンマーゾとステラミリスは指輪を交換しあっていた。それはマジックアイテムでお互いを感じられる物。つまり精神体が近くにいるとわかる物だった。
ステラミリスが訪ねて来た時は、そっと裏手の森に入り魔術で自分を眠らせステラミリスと会話していた。夜だとクレが精神体で監視に来るかもしれないからだ。
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