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私は、翌年の王都でのデビューも見送った。
「君が行くと思っていたから。二人もその気なんだ。去年同様……」
「お父様。昨年は王都でデビューしたいという願いからその日だけの許可のつもりでした。ですがあなた方は、社交シーズン中戻ってこなかった。それで、タウンハウスを貸すと思いますか?」
「困るのよ。公爵家の子息の方と今年も会う約束をしているのよ。抗議が来るわよ」
シャーロット嬢の言葉に私は目を丸くする。
きっと嘘ではないのだろうけど、相手が本気ならすでに彼女の事は調べられているはずよ。
恋愛結婚が出来ると言っても男爵家の令嬢と公爵家の子息が出来るわけがない。せめて伯爵令嬢なら可能でしょうけどね。
お父様が自分の娘だと言ったからと言って、それを鵜呑みにして何も調べないわけないでしょう。むしろ一年後と言ったのは、その間に調べるつもりだったのでしょう。
たぶん公爵家の子息は、シャーロット嬢にぞっこんになった。伯爵令嬢なら結婚できる。両親に交際を申し込むのは待ちなさいと諭されたに違いない。
もしOKが出たのなら一年を待たずに、申し込んでくるわよ。ぞっこんなら尚更。シャーロット嬢の美貌なら誰かに取られる可能性があるものね。
でも誰からも打診はきていない。
当主の座とシャーロット嬢を天秤にかけ、相手は当主の座をとった。二人はその座がどれだけのものか、わかっていないのよね。
もし騙せたとしても、私の存在を知れば相手の知るところとなるでしょう。そうすれば、シャーロット嬢は捨てられる。
もちろんそれは、お父様も一緒。グルーン家の籍から外される事になる。お父様は、それをわかって二人に加担しているのでしょうね。
本当に恋は盲目とはよく言ったものよね。
「別に一日だけ参加するのなら、タウンハウスでもなくてもよろしいでしょう?」
「何を仰います。宿など今から手配など間に合いませんわ」
メーラ夫人の言葉に、そんな事知った事かと思うも三人は食い下がる。
段々、めんどくさくなってきた。
こっちも三人が居ない方が、スムーズに事が運ぶかもしれない。
「わかったわ。パーティーに参加する前後の三日間だけ許可するわ。それ以外の宿泊は、後日ご請求させて頂きます」
「すまないな、シャルル」
安堵するお父様だけど、二人は感謝の言葉すらない。それどころか……。
「全くこんな小娘が権限を持っているなんて。プロジェクトを受け継いだとかいうけど、ただのお飾りでしょう。偉そうに」
聞こえているわよ。許可を取り消されたいのかしら。
三人は、意気揚々と王都へと出かけて行った。そして、約束通り、三日間だけ泊まって帰って来たのだった。
よほどお金を請求されたくなかったのね。
それとも当てが外れたのかしら。
お金さえ払ってくれれば、社交シーズン中王都に居てもよかったのに。静かでよかったわぁ。いなかった20日間ぐらい。
王都は往復で20日ほどかかる。行くのが大変なのよね。でも来年は、当主として行かなくてはいけない。
お陰様で、プロジェクトは成功しとうとう王都でのお披露目となった。
もちろん行くのは私とお父様の二人のはずだったのだけどね。
でも、屋敷に二人を残しておくのも不安なのよね。という事で、昨年同様王家のパーティーの前後3日間だけの滞在を許した。
三人が王都に向けて出発した二日後、私達も王都へ向け出発。
「馬車が間に合ってよかったわ。乗り心地は凄くいいわね」
「そうだね。僕も乗せてもらえるなんて、ありがとう」
「もちろんよ。旦那様ですもの」
私の横に座る艶やかな紺の髪に、我が国では珍しい銀の瞳の彼は、レイモンド・ネポーヌ。いえ、昨日婚姻したのでレイモンド・グルーンになったのよね。
彼との結婚の事は三人は知らない。
さて知ったらどんな顔をするのかしらね。彼女達が、絶望する顔を早く見てみたいわ。
私も、擦れたものよね。
私達は、三人より後に出たはずだけど、タウンハウスには先に到着した。
三人が乗った馬車は、おじい様の代からある年季が入った馬車。それに乗って王都を往復など実は嫌だったのよ。
新しい馬車は、快適だったわ。まあこの世界ではの話だけど。
「どういう事? なぜあなたが先に着いているのよ」
「シャルル。あの新しい馬車はどうしたのだ?」
「まあ、その方はどなた?」
三人は驚いている。私が先についていた事、新しい馬車がある事、そして見た事がない男性が私の隣に立っている事に。
「馬車を新調しましたの。お陰様で移動時間を短縮できましたわ。彼は、プロジェクトのパートナーでもあり、夫でもあるレイモンドよ」
「「なんですって!?」」
「き、聞いていないぞ!」
お父様は、驚きと共に憤慨する。本気で怒っている様子。
「あら。なぜお父様に言わなくてはいけないのかしら? 私からすれば、そちらの方と婚姻した時点で、グルーン家を抜けてもおかしくないのですから、いちいち言う必要もないでしょう」
「だとしても、父である私に結婚の報告をするものだろう」
「ですから今したではありませんか。それに、サプライズですわ。驚きまして?」
私がクスリと笑えば、三人は黙り込んだ。何も言い返せないのだ。もしここで何かを言って私達の機嫌を損ねれば、三人一緒に追い出される。
そう考える頭は持っている様ね。
「はじめまして。ラドリフーン辺境伯管轄のネポーヌ家から婿入りしましたレイモンドです。できましたら、これから宜しくお願いします」
「まあご丁寧にありがとうございます。先ほどは驚いてしまって、取り乱し失礼したしました。私は、ゴランの妻、メーラですわ」
「私は娘のシャーロット・グルーンです」
シャーロットは、飛び切りの笑顔でカーテシーをした。
「おや、おかしな事を言うね。ゴラン様は僕と同じく婿入りしたと聞いております。再婚相手のご令嬢なのですから、グルーン家を名乗るのはおかしな事です」
「「!」」
レイモンドが、しれっと言えば三人は絶句する。
当主の私の配偶者であるレイモンドは、お父様より立場は上になる。その相手に、ズバッと言われれば言い返せないでしょう。
というか、やはりそう名乗っていたのね。
「そもそも彼女達は、なぜここに滞在しているのですか?」
わざと不思議そうな顔つきで私に問う。
いや、ごもっともな疑問でしょう。まあ彼は答えを知っていて質問をしているのですけどね。
「今年もどこぞのご子息と逢瀬のお約束をしたのだとか」
「そうですか。で? なぜここに泊まる事に?」
彼女達が誰と会おうが、ここに泊まる理由にはならない。そう言ったのだ。私も昨年そう答えたのだけどね。
「む、娘には了解を得ている。いいではないか! さあ、二人共疲れただろう。部屋で休もう。失礼する」
お父様が慌てて二人を連れ、部屋へと逃げて行った。三人は、グルーン家を乗っ取る事は不可能だと悟ったはず。
まあ、どう考えても無謀な企みだけどね。
「君が行くと思っていたから。二人もその気なんだ。去年同様……」
「お父様。昨年は王都でデビューしたいという願いからその日だけの許可のつもりでした。ですがあなた方は、社交シーズン中戻ってこなかった。それで、タウンハウスを貸すと思いますか?」
「困るのよ。公爵家の子息の方と今年も会う約束をしているのよ。抗議が来るわよ」
シャーロット嬢の言葉に私は目を丸くする。
きっと嘘ではないのだろうけど、相手が本気ならすでに彼女の事は調べられているはずよ。
恋愛結婚が出来ると言っても男爵家の令嬢と公爵家の子息が出来るわけがない。せめて伯爵令嬢なら可能でしょうけどね。
お父様が自分の娘だと言ったからと言って、それを鵜呑みにして何も調べないわけないでしょう。むしろ一年後と言ったのは、その間に調べるつもりだったのでしょう。
たぶん公爵家の子息は、シャーロット嬢にぞっこんになった。伯爵令嬢なら結婚できる。両親に交際を申し込むのは待ちなさいと諭されたに違いない。
もしOKが出たのなら一年を待たずに、申し込んでくるわよ。ぞっこんなら尚更。シャーロット嬢の美貌なら誰かに取られる可能性があるものね。
でも誰からも打診はきていない。
当主の座とシャーロット嬢を天秤にかけ、相手は当主の座をとった。二人はその座がどれだけのものか、わかっていないのよね。
もし騙せたとしても、私の存在を知れば相手の知るところとなるでしょう。そうすれば、シャーロット嬢は捨てられる。
もちろんそれは、お父様も一緒。グルーン家の籍から外される事になる。お父様は、それをわかって二人に加担しているのでしょうね。
本当に恋は盲目とはよく言ったものよね。
「別に一日だけ参加するのなら、タウンハウスでもなくてもよろしいでしょう?」
「何を仰います。宿など今から手配など間に合いませんわ」
メーラ夫人の言葉に、そんな事知った事かと思うも三人は食い下がる。
段々、めんどくさくなってきた。
こっちも三人が居ない方が、スムーズに事が運ぶかもしれない。
「わかったわ。パーティーに参加する前後の三日間だけ許可するわ。それ以外の宿泊は、後日ご請求させて頂きます」
「すまないな、シャルル」
安堵するお父様だけど、二人は感謝の言葉すらない。それどころか……。
「全くこんな小娘が権限を持っているなんて。プロジェクトを受け継いだとかいうけど、ただのお飾りでしょう。偉そうに」
聞こえているわよ。許可を取り消されたいのかしら。
三人は、意気揚々と王都へと出かけて行った。そして、約束通り、三日間だけ泊まって帰って来たのだった。
よほどお金を請求されたくなかったのね。
それとも当てが外れたのかしら。
お金さえ払ってくれれば、社交シーズン中王都に居てもよかったのに。静かでよかったわぁ。いなかった20日間ぐらい。
王都は往復で20日ほどかかる。行くのが大変なのよね。でも来年は、当主として行かなくてはいけない。
お陰様で、プロジェクトは成功しとうとう王都でのお披露目となった。
もちろん行くのは私とお父様の二人のはずだったのだけどね。
でも、屋敷に二人を残しておくのも不安なのよね。という事で、昨年同様王家のパーティーの前後3日間だけの滞在を許した。
三人が王都に向けて出発した二日後、私達も王都へ向け出発。
「馬車が間に合ってよかったわ。乗り心地は凄くいいわね」
「そうだね。僕も乗せてもらえるなんて、ありがとう」
「もちろんよ。旦那様ですもの」
私の横に座る艶やかな紺の髪に、我が国では珍しい銀の瞳の彼は、レイモンド・ネポーヌ。いえ、昨日婚姻したのでレイモンド・グルーンになったのよね。
彼との結婚の事は三人は知らない。
さて知ったらどんな顔をするのかしらね。彼女達が、絶望する顔を早く見てみたいわ。
私も、擦れたものよね。
私達は、三人より後に出たはずだけど、タウンハウスには先に到着した。
三人が乗った馬車は、おじい様の代からある年季が入った馬車。それに乗って王都を往復など実は嫌だったのよ。
新しい馬車は、快適だったわ。まあこの世界ではの話だけど。
「どういう事? なぜあなたが先に着いているのよ」
「シャルル。あの新しい馬車はどうしたのだ?」
「まあ、その方はどなた?」
三人は驚いている。私が先についていた事、新しい馬車がある事、そして見た事がない男性が私の隣に立っている事に。
「馬車を新調しましたの。お陰様で移動時間を短縮できましたわ。彼は、プロジェクトのパートナーでもあり、夫でもあるレイモンドよ」
「「なんですって!?」」
「き、聞いていないぞ!」
お父様は、驚きと共に憤慨する。本気で怒っている様子。
「あら。なぜお父様に言わなくてはいけないのかしら? 私からすれば、そちらの方と婚姻した時点で、グルーン家を抜けてもおかしくないのですから、いちいち言う必要もないでしょう」
「だとしても、父である私に結婚の報告をするものだろう」
「ですから今したではありませんか。それに、サプライズですわ。驚きまして?」
私がクスリと笑えば、三人は黙り込んだ。何も言い返せないのだ。もしここで何かを言って私達の機嫌を損ねれば、三人一緒に追い出される。
そう考える頭は持っている様ね。
「はじめまして。ラドリフーン辺境伯管轄のネポーヌ家から婿入りしましたレイモンドです。できましたら、これから宜しくお願いします」
「まあご丁寧にありがとうございます。先ほどは驚いてしまって、取り乱し失礼したしました。私は、ゴランの妻、メーラですわ」
「私は娘のシャーロット・グルーンです」
シャーロットは、飛び切りの笑顔でカーテシーをした。
「おや、おかしな事を言うね。ゴラン様は僕と同じく婿入りしたと聞いております。再婚相手のご令嬢なのですから、グルーン家を名乗るのはおかしな事です」
「「!」」
レイモンドが、しれっと言えば三人は絶句する。
当主の私の配偶者であるレイモンドは、お父様より立場は上になる。その相手に、ズバッと言われれば言い返せないでしょう。
というか、やはりそう名乗っていたのね。
「そもそも彼女達は、なぜここに滞在しているのですか?」
わざと不思議そうな顔つきで私に問う。
いや、ごもっともな疑問でしょう。まあ彼は答えを知っていて質問をしているのですけどね。
「今年もどこぞのご子息と逢瀬のお約束をしたのだとか」
「そうですか。で? なぜここに泊まる事に?」
彼女達が誰と会おうが、ここに泊まる理由にはならない。そう言ったのだ。私も昨年そう答えたのだけどね。
「む、娘には了解を得ている。いいではないか! さあ、二人共疲れただろう。部屋で休もう。失礼する」
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