9 / 11
9 人は見かけによらない
しおりを挟む
後に、全てはテオドールが仕組んだことだと判明した。彼は伯爵家の三男であるため、公爵家の肩書が欲しかったそうだ。
実はテオドールは学生時代から私を狙っていたらしい。見た目が良く御令嬢から人気のあったテオドールは、そのうち私から彼を好きになるだろうと、たかを括っていたらしい。しかし実際は、私と友人にはなれたが恋仲に発展することはなかった。
そのため、一年前に誘拐事件を計画した。彼が雇ったゴロつきたちに誘拐させて、自分が助けるという自作自演の予定だった。それで私がテオドールに惚れるはずという筋書きだったが……フィン様が一番に助けてしまった。
そして、私とフィン様が婚約。それを彼は恨んでいたらしい。そのため今回もう一度誘拐を計画した。
クラスの友人たちと集まる予定という話も真っ赤な嘘だったようだ。
「すみません。私は花言葉なんて全く知らなくて……アメリア様に花を贈りたいという話を騎士団でしていたら、あの男に『薔薇を贈ればいい。アメリアは黄色が一番好きだから、そうすれば喜ぶ』と言われたんです。あなたとあいつは友人だと知っていたので、話を信じてしまいました」
やはり、彼は花言葉を知っているタイプの男性ではなかったのね。それは見た目通りだ。
「そうだったの」
「あなたから『別れたい』と手紙を貰って初めて変だと気が付きました。そして、他の人に聞いたら黄色の薔薇は別れる時に贈る物だと聞いて青ざめたんです」
その後にテオドールに抗議したらしいが『まさかそんな冗談信じてたのか』と笑われたらしい。そして、誤解を解こうとしたが……私が会おうとしなかったのですれ違ったままになってしまった。
しかも、あの子どもは全く関係なかったことが判明した。テオドールは、この計画のために人を雇ってフィン様に似た容姿の子どもを探したらしいのだ。
そして見つかったのが、私が会ったあの子だった。あの子は父親が亡くなっており、お金に困っていたところにテオドールがやってきて大金をチラつかせて取引を持ちかけてきたらしい。
髪の毛は違う色だったので、可哀想だが染めたとあの子の母親が泣きながら話してくれた。
父親の肖像画を見せてもらうと、フィン様に少し似てはいるがもっと細身な男性だった。
「申し訳ありません。どんな処罰も受けます。お優しいあなた様に酷い嘘をつきました」
あの女性は私が渡したダイヤも売ってはおらず、そのまま返してくれた。
「あなたも被害者のようなものだわ。それに、これはもうあなたにあげたもの」
「いえ、しかし……」
「あの子の髪の毛、早く戻してあげてね」
「うっうっ……はい。ありがとうございます」
女性は泣き崩れていた。フィン様からは『あなたは甘いです』と言われたが、私はこれで良かったと思っている。
つまりは、私たちのすれ違いは全てテオドールが計画したことだった。
テオドールの罪が全て明らかになり、平民落ちさせた上での国外追放が決まった。なのでもう二度と会うことはないだろう。
彼の生家から我が家にも多額の賠償金が支払われたため、そのうち没落するのではないかという話もある。
「アメリアを泣かせて二度も誘拐したのに、金で許してやるんだ。感謝して欲しいものだな」
そう言ったお父様の目は笑っていなかった。そう、きっと……えげつない方法で搾り取ったのだろう。お父様はそういう男だ。敵には回したくはない。
男前で人気者だったテオドールが捕まったこの事件は、社交界をざわつかせた。ショックを受けた若い女性たちも多かったらしい。
誰もがテオドールは、爽やかで明るい好青年だと思っていた。しかし、実は裏ではかなり女遊びも激しかった上に金遣いも荒く……あまりいい男ではなかったようだ。
まさに人は見かけによらないものである。
実はテオドールは学生時代から私を狙っていたらしい。見た目が良く御令嬢から人気のあったテオドールは、そのうち私から彼を好きになるだろうと、たかを括っていたらしい。しかし実際は、私と友人にはなれたが恋仲に発展することはなかった。
そのため、一年前に誘拐事件を計画した。彼が雇ったゴロつきたちに誘拐させて、自分が助けるという自作自演の予定だった。それで私がテオドールに惚れるはずという筋書きだったが……フィン様が一番に助けてしまった。
そして、私とフィン様が婚約。それを彼は恨んでいたらしい。そのため今回もう一度誘拐を計画した。
クラスの友人たちと集まる予定という話も真っ赤な嘘だったようだ。
「すみません。私は花言葉なんて全く知らなくて……アメリア様に花を贈りたいという話を騎士団でしていたら、あの男に『薔薇を贈ればいい。アメリアは黄色が一番好きだから、そうすれば喜ぶ』と言われたんです。あなたとあいつは友人だと知っていたので、話を信じてしまいました」
やはり、彼は花言葉を知っているタイプの男性ではなかったのね。それは見た目通りだ。
「そうだったの」
「あなたから『別れたい』と手紙を貰って初めて変だと気が付きました。そして、他の人に聞いたら黄色の薔薇は別れる時に贈る物だと聞いて青ざめたんです」
その後にテオドールに抗議したらしいが『まさかそんな冗談信じてたのか』と笑われたらしい。そして、誤解を解こうとしたが……私が会おうとしなかったのですれ違ったままになってしまった。
しかも、あの子どもは全く関係なかったことが判明した。テオドールは、この計画のために人を雇ってフィン様に似た容姿の子どもを探したらしいのだ。
そして見つかったのが、私が会ったあの子だった。あの子は父親が亡くなっており、お金に困っていたところにテオドールがやってきて大金をチラつかせて取引を持ちかけてきたらしい。
髪の毛は違う色だったので、可哀想だが染めたとあの子の母親が泣きながら話してくれた。
父親の肖像画を見せてもらうと、フィン様に少し似てはいるがもっと細身な男性だった。
「申し訳ありません。どんな処罰も受けます。お優しいあなた様に酷い嘘をつきました」
あの女性は私が渡したダイヤも売ってはおらず、そのまま返してくれた。
「あなたも被害者のようなものだわ。それに、これはもうあなたにあげたもの」
「いえ、しかし……」
「あの子の髪の毛、早く戻してあげてね」
「うっうっ……はい。ありがとうございます」
女性は泣き崩れていた。フィン様からは『あなたは甘いです』と言われたが、私はこれで良かったと思っている。
つまりは、私たちのすれ違いは全てテオドールが計画したことだった。
テオドールの罪が全て明らかになり、平民落ちさせた上での国外追放が決まった。なのでもう二度と会うことはないだろう。
彼の生家から我が家にも多額の賠償金が支払われたため、そのうち没落するのではないかという話もある。
「アメリアを泣かせて二度も誘拐したのに、金で許してやるんだ。感謝して欲しいものだな」
そう言ったお父様の目は笑っていなかった。そう、きっと……えげつない方法で搾り取ったのだろう。お父様はそういう男だ。敵には回したくはない。
男前で人気者だったテオドールが捕まったこの事件は、社交界をざわつかせた。ショックを受けた若い女性たちも多かったらしい。
誰もがテオドールは、爽やかで明るい好青年だと思っていた。しかし、実は裏ではかなり女遊びも激しかった上に金遣いも荒く……あまりいい男ではなかったようだ。
まさに人は見かけによらないものである。
422
あなたにおすすめの小説
【完結】旦那に愛人がいると知ってから
よどら文鳥
恋愛
私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。
だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。
それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。
だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。
「……あの女、誰……!?」
この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。
だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。
※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。
あなたと別れて、この子を生みました
キムラましゅろう
恋愛
約二年前、ジュリアは恋人だったクリスと別れた後、たった一人で息子のリューイを生んで育てていた。
クリスとは二度と会わないように生まれ育った王都を捨て地方でドリア屋を営んでいたジュリアだが、偶然にも最愛の息子リューイの父親であるクリスと再会してしまう。
自分にそっくりのリューイを見て、自分の息子ではないかというクリスにジュリアは言い放つ。
この子は私一人で生んだ私一人の子だと。
ジュリアとクリスの過去に何があったのか。
子は鎹となり得るのか。
完全ご都合主義、ノーリアリティなお話です。
⚠️ご注意⚠️
作者は元サヤハピエン主義です。
え?コイツと元サヤ……?と思われた方は回れ右をよろしくお願い申し上げます。
誤字脱字、最初に謝っておきます。
申し訳ございませぬ< (_"_) >ペコリ
小説家になろうさんにも時差投稿します。
最愛の婚約者に婚約破棄されたある侯爵令嬢はその想いを大切にするために自主的に修道院へ入ります。
ひよこ麺
恋愛
ある国で、あるひとりの侯爵令嬢ヨハンナが婚約破棄された。
ヨハンナは他の誰よりも婚約者のパーシヴァルを愛していた。だから彼女はその想いを抱えたまま修道院へ入ってしまうが、元婚約者を誑かした女は悲惨な末路を辿り、元婚約者も……
※この作品には残酷な表現とホラーっぽい遠回しなヤンデレが多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。
また、一応転生者も出ます。
【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件
よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます
「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」
旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。
彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。
しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。
フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。
だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。
私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。
さて……誰に相談したら良いだろうか。
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
【完結】不倫をしていると勘違いして離婚を要求されたので従いました〜慰謝料をアテにして生活しようとしているようですが、慰謝料請求しますよ〜
よどら文鳥
恋愛
※当作品は全話執筆済み&予約投稿完了しています。
夫婦円満でもない生活が続いていた中、旦那のレントがいきなり離婚しろと告げてきた。
不倫行為が原因だと言ってくるが、私(シャーリー)には覚えもない。
どうやら騎士団長との会話で勘違いをしているようだ。
だが、不倫を理由に多額の金が目当てなようだし、私のことは全く愛してくれていないようなので、離婚はしてもいいと思っていた。
離婚だけして慰謝料はなしという方向に持って行こうかと思ったが、レントは金にうるさく慰謝料を請求しようとしてきている。
当然、慰謝料を払うつもりはない。
あまりにもうるさいので、むしろ、今までの暴言に関して慰謝料請求してしまいますよ?
「君の回復魔法は痛い」と追放されたので、国を浄化するのをやめました
希羽
恋愛
「君の回復魔法は痛いから」と婚約破棄され、国外追放された聖女エレナ。しかし彼女の魔法は、呪いを根こそぎ消滅させる最強の聖なる焼却だった。国を見限って辺境で薬草カフェを開くと、その技術に惚れ込んだ伝説の竜王やフェンリルが常連になり、悠々自適なスローライフが始まる。
一方、エレナを追放した王国はパニックに陥っていた。新しく迎えた聖女の魔法は、ただ痛みを麻痺させるだけの「痛み止め」に過ぎず、国中に蔓延する呪いを防ぐことができなかったのだ。
原因不明の奇病、腐り落ちる騎士の腕、そして復活する魔王の封印。
「頼む、戻ってきてくれ!」と泣きつかれても、もう遅い。
私の店は世界最強の竜王様が警備しているので、王家の使いだろうと門前払いです。
※本作は「小説家になろう」でも投稿しています。
元カノが復縁したそうにこちらを見ているので、彼の幸せのために身を引こうとしたら意外と溺愛されていました
おりの まるる
恋愛
カーネリアは、大好きな魔法師団の副師団長であるリオンへ告白すること2回、元カノが忘れられないと振られること2回、玉砕覚悟で3回目の告白をした。
3回目の告白の返事は「友達としてなら付き合ってもいい」と言われ3年の月日を過ごした。
もう付き合うとかできないかもと諦めかけた時、ついに付き合うことがてきるように。
喜んだのもつかの間、初めてのデートで、彼を以前捨てた恋人アイオラが再びリオンの前に訪れて……。
大好きな彼の幸せを願って、身を引こうとするのだが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる