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4 これがハーレム……
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「勇者様~!勝負しよ~ぜ~♡」
「ルーン!あんたはまた!勇者様は私と剣の素振りをするのよ!!」
「ええ~?勇者様は私と魔法についてのお話をするの♡邪魔しないで~。」
「皆さん、勇者様はお疲れですから、私とお茶でも~……。」
勇者様しか見えてないらしい四人の進行方向にいた俺は、パ──ン!!と跳ね飛ばされてしまい、そのままゴロゴロと地面を転がった。
それを周りにいた騎士達が止めてくれて、更にヒョイっと抱っこして起き上がらせてくれる。
しかもパンパンと埃まで払ってくれたのだが、俺は状況もわからず、その突然やってきた美女軍団に視線は釘付けだ。
ポカンとしている俺の元へ、先ほどのお兄さんが近づいてきた。
「彼女達は、勇者様と同じく神託により選ばれし仲間達でございます。
魔法使いの<メルク>さんに、剣士の<アイリーン>さん。
格闘家の<ルーン>さん、回復士の<キュア>さんです。」
お兄さんはピッ!ピッ!と美女達を順番に指差し紹介すると、それが聞こえたらしい四人はクルッと俺の方へ視線を移す。
「そういえば何?その小汚いおじさんは。
この場所に入れるのは神託の勇者と選ばれし仲間達、そして王族と騎士達、神官達だけのはずでしょ?」
アイリーンが腕を組みジロッ!と俺を睨みながらそう言うと、ルーンがうーん?と首を傾げる。
「なんか変な格好してるな、おっさん!しかも弱そう~!転んだだけで死にそうじゃん!」
ガガ──ン!!!
面と向かって若いお嬢さんに悪口言われて、凄く凹んだ。
汗をダラダラ掻きながらショックで黙っていると、メルクがふーん?と呟き、品定めする様な目で見てくる。
「筋力も魔力も虫以下ね~。子供並しかないわ。クックルの餌にでもするの?」
<クックル>
友好モンスターと呼ばれる人と共生しているモンスター。
白くて巨大なダチョウの様な姿をしていて、人を背中に乗せて走ってくれる。
「エ……エサ……!!?」
不穏な言葉に固まると、キュアがフルフルと首を横に振った。
「ダメですよ~。食べるクックルちゃんが可哀想です。
硬くて臭いお肉ではなく、柔らかくて美味しいお肉をあげないと……。」
助かったけど、何かヤダ……!
フルボッコな四人の言いようにダメージを受けたが、それを注意してくれたのは、なんと今まで黙って傍観していた王様だった。
「神託によって選ばれし戦士達よ。彼こそが、異世界より現れし神からの贈り物だ。
失礼な態度は改めよ。」
「「「「はぁぁぁぁ────!!?」」」」
四人は一斉に叫び俺をジロジロ見つめると、その直後、ぶぶ──!!と一斉に吹き出した!
「ちょっ!!嘘でしょ!!??何でこんな、汚らしいおっさんが来ちゃったの?!」
「こんな弱いオッサンじゃ~秒で死んじゃうぜ~?!」
「きっとぉ~勇者様が何でも出来るパーフェクトな人だから、必要ないって神様が思ったんじゃな~い?」
「ちょっと皆さん言い過ぎですよ~。もしかして、凄い能力があるのかも……?」
そのまま大笑いし始めた四人の美女と、一切興味なしの勇者様。
俺は怒り…………はしない。
これでもクレーマーの客相手に、頭を下げ続けて約10年。こんな若者達の誹謗中傷など、羽ばたく蝶の風程度だから!
ほたほた~と笑いを浮かべ、頭の中は既に有給の残り日数のことでいっぱいだ!
青ざめながら唸り声をあげていると、何と聖職者?達がヨイショヨイショと運動会の大玉みたいな巨大な水晶を部屋の中に運んできた。
何だ?あれ?
初めて見るモノに興味を惹かれジッと見つめていると、聖職者のお兄さんがその水晶の前に進み出て、俺に向かって説明を始めた。
「これは人の魂の職業を見ることができる【全透水晶】と呼ばれているアイテムでございます。
こうして手を触れることで、自身の名前とその職業がこの水晶に浮かびます。」
そのお兄さんが、その【全透水晶】とやらに触ると、ポッ!と白い光がそこから漏れて、突然その頭上に何かの文字が浮かび上がる。
<神官>
【シン】
光属性魔法、回復魔法、結界、状態異常解除魔法。
「おおおお~!」
俺はその水晶の能力を目の当たりにして、拍手を送った。
最初に出てくるのがその人の魂の職業とやらで次に出てくるのが名前──ということらしい。
しかし、その次に浮かんでいるのはなんだろう??
不思議そうにしている俺に、そのお兄さん……シンは、その謎の言葉の部分をスッと指差した。
「名前の下に描かれているのが、私の現在使える能力を簡単に記したモノですね。
魔法の属性は火、水、土、雷、光、闇の六元素が存在しますが、その中で私は光属性のみ扱えます。
あとは特殊能力である回復や結界、状態異常解除も使えますので、それが記されているというわけです。」
「何だか本格的にゲームの世界みたいだな……。 」
俺より下の世代の子達が、似た様な話していたなと思い出していると、シンは「ちなみに──……。」と続けて言った。
「勇者様は、この魔法は全属性適応。さらに全ステータスの限界突破に加え創作系能力もカンストしております。
此度の勇者様はまさに規格外の存在と言っていいでしょう。」
「え、凄いな。そりゃ。」
「ルーン!あんたはまた!勇者様は私と剣の素振りをするのよ!!」
「ええ~?勇者様は私と魔法についてのお話をするの♡邪魔しないで~。」
「皆さん、勇者様はお疲れですから、私とお茶でも~……。」
勇者様しか見えてないらしい四人の進行方向にいた俺は、パ──ン!!と跳ね飛ばされてしまい、そのままゴロゴロと地面を転がった。
それを周りにいた騎士達が止めてくれて、更にヒョイっと抱っこして起き上がらせてくれる。
しかもパンパンと埃まで払ってくれたのだが、俺は状況もわからず、その突然やってきた美女軍団に視線は釘付けだ。
ポカンとしている俺の元へ、先ほどのお兄さんが近づいてきた。
「彼女達は、勇者様と同じく神託により選ばれし仲間達でございます。
魔法使いの<メルク>さんに、剣士の<アイリーン>さん。
格闘家の<ルーン>さん、回復士の<キュア>さんです。」
お兄さんはピッ!ピッ!と美女達を順番に指差し紹介すると、それが聞こえたらしい四人はクルッと俺の方へ視線を移す。
「そういえば何?その小汚いおじさんは。
この場所に入れるのは神託の勇者と選ばれし仲間達、そして王族と騎士達、神官達だけのはずでしょ?」
アイリーンが腕を組みジロッ!と俺を睨みながらそう言うと、ルーンがうーん?と首を傾げる。
「なんか変な格好してるな、おっさん!しかも弱そう~!転んだだけで死にそうじゃん!」
ガガ──ン!!!
面と向かって若いお嬢さんに悪口言われて、凄く凹んだ。
汗をダラダラ掻きながらショックで黙っていると、メルクがふーん?と呟き、品定めする様な目で見てくる。
「筋力も魔力も虫以下ね~。子供並しかないわ。クックルの餌にでもするの?」
<クックル>
友好モンスターと呼ばれる人と共生しているモンスター。
白くて巨大なダチョウの様な姿をしていて、人を背中に乗せて走ってくれる。
「エ……エサ……!!?」
不穏な言葉に固まると、キュアがフルフルと首を横に振った。
「ダメですよ~。食べるクックルちゃんが可哀想です。
硬くて臭いお肉ではなく、柔らかくて美味しいお肉をあげないと……。」
助かったけど、何かヤダ……!
フルボッコな四人の言いようにダメージを受けたが、それを注意してくれたのは、なんと今まで黙って傍観していた王様だった。
「神託によって選ばれし戦士達よ。彼こそが、異世界より現れし神からの贈り物だ。
失礼な態度は改めよ。」
「「「「はぁぁぁぁ────!!?」」」」
四人は一斉に叫び俺をジロジロ見つめると、その直後、ぶぶ──!!と一斉に吹き出した!
「ちょっ!!嘘でしょ!!??何でこんな、汚らしいおっさんが来ちゃったの?!」
「こんな弱いオッサンじゃ~秒で死んじゃうぜ~?!」
「きっとぉ~勇者様が何でも出来るパーフェクトな人だから、必要ないって神様が思ったんじゃな~い?」
「ちょっと皆さん言い過ぎですよ~。もしかして、凄い能力があるのかも……?」
そのまま大笑いし始めた四人の美女と、一切興味なしの勇者様。
俺は怒り…………はしない。
これでもクレーマーの客相手に、頭を下げ続けて約10年。こんな若者達の誹謗中傷など、羽ばたく蝶の風程度だから!
ほたほた~と笑いを浮かべ、頭の中は既に有給の残り日数のことでいっぱいだ!
青ざめながら唸り声をあげていると、何と聖職者?達がヨイショヨイショと運動会の大玉みたいな巨大な水晶を部屋の中に運んできた。
何だ?あれ?
初めて見るモノに興味を惹かれジッと見つめていると、聖職者のお兄さんがその水晶の前に進み出て、俺に向かって説明を始めた。
「これは人の魂の職業を見ることができる【全透水晶】と呼ばれているアイテムでございます。
こうして手を触れることで、自身の名前とその職業がこの水晶に浮かびます。」
そのお兄さんが、その【全透水晶】とやらに触ると、ポッ!と白い光がそこから漏れて、突然その頭上に何かの文字が浮かび上がる。
<神官>
【シン】
光属性魔法、回復魔法、結界、状態異常解除魔法。
「おおおお~!」
俺はその水晶の能力を目の当たりにして、拍手を送った。
最初に出てくるのがその人の魂の職業とやらで次に出てくるのが名前──ということらしい。
しかし、その次に浮かんでいるのはなんだろう??
不思議そうにしている俺に、そのお兄さん……シンは、その謎の言葉の部分をスッと指差した。
「名前の下に描かれているのが、私の現在使える能力を簡単に記したモノですね。
魔法の属性は火、水、土、雷、光、闇の六元素が存在しますが、その中で私は光属性のみ扱えます。
あとは特殊能力である回復や結界、状態異常解除も使えますので、それが記されているというわけです。」
「何だか本格的にゲームの世界みたいだな……。 」
俺より下の世代の子達が、似た様な話していたなと思い出していると、シンは「ちなみに──……。」と続けて言った。
「勇者様は、この魔法は全属性適応。さらに全ステータスの限界突破に加え創作系能力もカンストしております。
此度の勇者様はまさに規格外の存在と言っていいでしょう。」
「え、凄いな。そりゃ。」
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