【完結】勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話

バナナ男さん

文字の大きさ
3 / 35

3 ギフト?

しおりを挟む
若干の気まずさを感じていると、突然その説明してくれていた聖職者?のお兄さんが、ススンッ……!!と凄い勢いで表情を失くす。

あ……これ、リストラを言い渡す時の人事の人と同じ顔だ……。

嫌な予感しかしないその様子のまま、そのお兄さんは事務的な言い方で一気にその理由を喋りだした。

「辛くて険しい旅に出る勇者様。
神はそんな勇者の為に、旅立ちの前にある条件に叶った人物を異世界から呼び寄せます。
要は神からのプレゼント、通常【ギフト】。
それが異世界人です。 」

「は……はぁぁぁぁ────??!!」

異世界人の人権一切なし!な物言いに、流石にびっくりして固まってしまったが、そのお兄さんの説明は続く。

「かつて召喚された異世界人達は、絶世の美女や美少年など見た目が非常に麗しい者達でした。
要は、勇者様の旅の隣に立つに相応しいというか……。」

「へ……へぇ~……そうなんですか~。」

無難な返事を返しながら、俺の顔色はサァァァ~と海色へと変化していった。

さっきから周りの人達に凄い見られているわけだが、何となく変な雰囲気というか……。

要は気まずい感じの雰囲気が漂ってて、何でかな~?と思っていたのだが、この答えでハッキリ理由が分かってしまった。
要は────。

「今までの美女や美少年と違って、平凡なおじさんが来たから驚いていると……?」

ズバリそう言い当てると、お兄さんは気まずそうにニッコリと微笑んだ。

「ま、まぁ、その……はははっ!ただ、美少女や美少年ではない方々も召喚された例はあったので、どうか諦めないで下さい!
その方達は勇者様に近いチート能力があったり、やたらユニークな能力があったりしたみたいです。ちゃんとこれからお調べしますからね!」

最後は言い切った安心感からか、お兄さんは清々しい笑顔に早変わり。
そして他の同じ様な服を着ている聖職者仲間?達に何かを命じてゴソゴソと用意を始めた。
それを言われた俺は────まぁ呆然としちゃったよね。

いや~……それってさぁ~つまりさぁ~……。
異世界人イコール優秀で役に立つ人、もしくは隣に置いてテンションUPUP~する美形さんって事でしょ??

どちらも当てはまらない自分にギャフン!と心の中で叫んだが、よく考えると『だったら俺、お呼びでない??』と気づく。
チラッと視線を動かすと、その異世界人を貰う予定の勇者様も興味一切なし!な様子なのが見え、帰っても問題ないと判断した。

「でしたら、私は帰りますねぇ~。私、『美』など砂上の砂粒程もないオジサンですし~特技は割り箸を綺麗に割れる事くらいなんで!
ではでは、貴重な体験ありがとうございましたぁ~さようなら!」

どっこらせ!という年寄臭い掛け声と共に立ち上がり、深々と頭を下げると、お兄さんは、またしてもスンッ!!と表情をなくした。
    ・・
「……今は帰れません……。」

「えっ??ど、どういうことですか??
今はって事は、明日くらいには────。」

『今』というワードに疑問を持って尋ねると、お兄さんは首を横に振り、周りにいる人達も一斉に首を横に振る。

「……異世界人が帰るには、ユニークモンスターを全て倒し終わった時に出現するとされる────【全能杯】という神の杯に勇者様が願いを叶えてもらった後になります。
これに願う事で一つだけ願いを叶えて貰えるのですが、どうもその際に帰るための道ができるとのことです。
異世界人様には、この世界を救うお手伝いをしていただいたお礼として、討伐後には多額の報奨金をプレゼントさせて頂いてます。」

「え、えええええ────!!!??ちょっ!!それ、めちゃくちゃ困るんですけど!!?
それじゃあ帰るのいつになるか……有給足りないかもしれないじゃないか!
いや、無断欠勤……クビか!!」

予想だにしない新事実に、困ってワーワー叫ぶと、そのお兄さんは突然全てを悟った様な顔でスッ……跪いた。

「全ては神の御心のままに……。」

えっ……逃げた……??

ブツブツと祈りだしてしまったお兄さんにこれ以上文句も言えないと、他の人達も見回したが、全員が汗を掻きながら祈りだす始末。
最後の砦である王様までも祈りだしてしまったので、隣にいる王妃様?に視線を移せば、その顔には凶悪な笑みが浮かぶ。

「早くユニークモンスターを倒せる様祈っております。異世界人様。」

「ええええ~…………。」

あまりにも酷い扱いに流石に閉口してしまうと、突然その空気を切り裂く様に現れたのが、輝く様な美貌をお持ちの4人の女の子達だった。

ババ──ン!!

なんと巨大で重そうな扉を、軽々と開けて中に入ってきたのだ。

「お──い!勇者様のギフトが今日届くって神託があったんだろ~?
見に来たぞ~!アタイと勝負だ────!!」

真っ先に駆け出したのは、元気っ子獣人のルーン。
キョロキョロと周囲を見回す。

「……ふんっ!外見だけの女なんて最悪ね!
あんまりにも役に立た無さそうなら、追い出してやるから!」

「フフッ。まぁ、どんなレベルかじっくり見させてもらおうじゃない?
勇者様のパーティーに入れるレベルかしら?」

アイリーンとメルクがフッ……と意地悪満開な笑みを浮かべると、キュアはまぁまぁとそんな二人を嗜める。

「そんな乱暴な言い方は駄目ですよ~。
でも、これから出発する度は危険な旅……流石に何も出来ない女性を連れて行くのは私も反対ですけどね。
まぁ、じっくり判断させてもらいましょう。」

キラキラ光り輝く様な女性達を見て、俺はポカン……。
そのまま乱暴な足取りで中に入ってくる4人を見ていたのだが、4人は俺の前方の方にいる勇者の姿を見た瞬間、キランッ!と目を輝かせ走り寄って行った。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

恵方巻を食べてオメガになるはずが、氷の騎士団長様に胃袋を掴まれ溺愛されています

水凪しおん
BL
「俺はベータだ。けれど、クラウス様の隣に立ちたい」 王城の厨房で働く地味な料理人ルエンは、近衛騎士団長のクラウスに叶わぬ恋をしていた。身分も属性も違う自分には、彼との未来などない。そう諦めかけていたある日、ルエンは「伝説の恵方巻を食べればオメガになれる」という噂を耳にする。 一縷の望みをかけ、ルエンは危険な食材探しの旅へ! しかし、なぜかその旅先にはいつもクラウスの姿があって……? 勘違いから始まる、ベータ料理人×氷の騎士団長の胃袋攻略ラブファンタジー!

異世界召喚に巻き込まれた料理人の話

ミミナガ
BL
 神子として異世界に召喚された高校生⋯に巻き込まれてしまった29歳料理人の俺。  魔力が全てのこの世界で魔力0の俺は蔑みの対象だったが、皆の胃袋を掴んだ途端に態度が激変。  そして魔王討伐の旅に調理担当として同行することになってしまった。

ガラスの靴を作ったのは俺ですが、執着されるなんて聞いてません!

或波夏
BL
「探せ!この靴を作った者を!」 *** 日々、大量注文に追われるガラス職人、リヨ。 疲労の末倒れた彼が目を開くと、そこには見知らぬ世界が広がっていた。 彼が転移した世界は《ガラス》がキーアイテムになる『シンデレラ』の世界! リヨは魔女から童話通りの結末に導くため、ガラスの靴を作ってくれと依頼される。 しかし、王子様はなぜかシンデレラではなく、リヨの作ったガラスの靴に夢中になってしまった?! さらにシンデレラも魔女も何やらリヨに特別な感情を抱いていているようで……? 執着系王子様+訳ありシンデレラ+謎だらけの魔女?×夢に真っ直ぐな職人 ガラス職人リヨによって、童話の歯車が狂い出すーー ※素人調べ、知識のためガラス細工描写は現実とは異なる場合があります。あたたかく見守って頂けると嬉しいです🙇‍♀️ ※受けと女性キャラのカップリングはありません。シンデレラも魔女もワケありです ※執着王子様攻めがメインですが、総受け、愛され要素多分に含みます 隔日更新予定に変更させていただきます。 ♡、お気に入り、しおり、エールありがとうございます!とても励みになっております! 感想も頂けると泣いて喜びます! 第13回BL大賞55位!応援ありがとうございました!

【8話完結】俺は推しじゃない!ただの冒険者だ!

キノア9g
BL
ごく普通の中堅冒険者・イーサン。 今日もほどほどのクエストを探しにギルドを訪れたところ、見慣れない美形の冒険者・アシュレイと出くわす。 最初は「珍しい奴がいるな」程度だった。 だが次の瞬間── 「あなたは僕の推しです!」 そう叫びながら抱きついてきたかと思えば、つきまとう、語りかける、迫ってくる。 挙句、自宅の前で待ち伏せまで!?  「金なんかねぇぞ!」 「大丈夫です! 僕が、稼ぎますから!」 平穏な日常をこよなく愛するイーサンと、 “推しの幸せ”のためなら迷惑も距離感も超えていく超ポジティブ転生者・アシュレイ。 愛とは、追うものか、追われるものか。 差し出される支援、注がれる好意、止まらぬ猛アプローチ。 ふたりの距離が縮まる日はくるのか!? 強くて貢ぎ癖のあるイケメン転生者 × 弱めで普通な中堅冒険者。 異世界で始まる、ドタバタ&ちょっぴり胸キュンなBLコメディ、ここに開幕! 全8話

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

30歳まで独身だったので男と結婚することになった

あかべこ
BL
4年前、酒の席で学生時代からの友人のオリヴァーと「30歳まで独身だったら結婚するか?」と持ちかけた冒険者のエドウィン。そして4年後のオリヴァーの誕生日、エドウィンはその約束の履行を求められてしまう。 キラキラしくて頭いいイケメン貴族×ちょっと薄暗い過去持ち平凡冒険者、の予定

推しにプロポーズしていたなんて、何かの間違いです

一ノ瀬麻紀
BL
引きこもりの僕、麻倉 渚(あさくら なぎさ)と、人気アイドルの弟、麻倉 潮(あさくら うしお) 同じ双子だというのに、なぜこんなにも違ってしまったのだろう。 時々ふとそんな事を考えてしまうけど、それでも僕は、理解のある家族に恵まれ充実した引きこもり生活をエンジョイしていた。 僕は極度の人見知りであがり症だ。いつからこんなふうになってしまったのか、よく覚えていない。 本音を言うなら、弟のように表舞台に立ってみたいと思うこともある。けれどそんなのは無理に決まっている。 だから、安全な自宅という城の中で、僕は今の生活をエンジョイするんだ。高望みは一切しない。 なのに、弟がある日突然変なことを言い出した。 「今度の月曜日、俺の代わりに学校へ行ってくれないか?」 ありえない頼み事だから断ろうとしたのに、弟は僕の弱みに付け込んできた。 僕の推しは俳優の、葛城 結斗(かつらぎ ゆうと)くんだ。 その結斗くんのスペシャルグッズとサイン、というエサを目の前にちらつかせたんだ。 悔しいけど、僕は推しのサインにつられて首を縦に振ってしまった。 え?葛城くんが目の前に!? どうしよう、人生最大のピンチだ!! ✤✤ 「推し」「高校生BL」をテーマに書いたお話です。 全年齢向けの作品となっています。 一度短編として完結した作品ですが、既存部分の改稿と、新規エピソードを追加しました。 ✤✤

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

処理中です...