姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき

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そして、そんなことがあった数日後のこと……
蘭珠ランジュは、義母の部屋へと呼び出されることとなったのです。

蘭珠ランジュ連花リェンホアの姑であり、涼珩リャンハンの母である名門凌夫人は豪奢な椅子へ腰かけていました。
片手に何枚かの書類を持って、それを冷めた視線で眺めています。
そこへ、使用人からの声がかかりました。

蘭珠ランジュ様をお連れいたしました」

「入ってちょうだい」

義母の応答を受けて重厚な扉は開かれ、年若く美しい第一夫人の姿が見えました。
彼女の、抑揚のない挨拶が耳に届きます。

「……失礼いたします」

蘭珠ランジュはほとんど無表情で入室しました。それを見た義母は、心の中へイライラを渦巻かせます。

(まったく……愛想はないし子は産まないし、本当に厄介な子……金払いがいいから嫁に貰ってやったけど、本来だったらこの名門凌家に入れるのも嫌な存在だわ)

息子可愛さか嫁憎さか、義母はすっかり、蘭珠ランジュの顔を見るだけで嫌な気持ちになるようになっていたのです。

(ま、それも今日でおしまいだよ……)

義母は知らず知らずの内に口元へ笑みを浮かべ、招いた蘭珠ランジュへ椅子をすすめることもせずに一方的に言い渡しました。

蘭珠ランジュ。ここへ呼ばれたことが何を意味するのか分かってるだろう?」

「……いいえ、お義母様」

立ちすくんだまま両手を前へと組むように揃え、無感動に自分のことを呼ぶ蘭珠ランジュの表情。義母は、その顔の歪んだ様が見たくてたまらないのです。

涼珩リャンハンと離縁してもらうわ。これはもう、決定事項だから」
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