姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき

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持参金をそのまま元婚家である凌家に置いておく……蘭珠ランジュに、そのつもりは全くありませんでした。
その思惑をほとんど分かっているでしょう魅音ミオンも、にっこりと笑って後押しのように彼女へと言います。

「でも、渡したままにする気はないんでしょう」

「もちろん」

力強く頷いた蘭珠ランジュは、先ほど……魅音ミオンが来る直前まで読んでいた報告の話を思い浮かべます。

「その件について役人が凌家へ向かう日付が決まったの、その書類をさっき読んでいて……」

さて、凌家が……というよりも凌夫人がどのような言い訳をもって逃れようとしているのか。
もちろん蘭珠ランジュには全貌が掴めているわけではないのですが、夫人が凌家にとって損をするであろう道は選んでいない、ということは感じ取れました。

借金などを繰り返してしまって返す持参金がない、というのであれば話は違いますが……
凌家に居たときにも、そのような切迫感は何も見当たらなかったことを思い出します。

何よりも凌夫人は、マイナスになっているからこその投げやりのような……取れるものなら取ってみればいい、というような態度ではなく。
渡さない、というような表現をしたのでした。それは、裏を返せば凌家には蘭珠ランジュの持参金相当たるものがあるということ。

だというのに返還を拒むと言うことへの……考えられる手法は、いくつかあるのですが。

「今、銀行へ問い合わせを入れているの、調べてほしいことがあるって。それからもう一か所……」
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