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しおりを挟むそして、凌の帰還する日がやって参りました。
屋敷の中では当主を迎える為に慌ただしく朝から準備が進められ……凌夫人もここぞとばかり着飾っているように見えます。
凌家の嫡男である涼珩も身なりを整えて、その妻である連花と共に父親を迎えるため門まで出てきていました。
その連花も今日は一段と着飾っているように、義母である凌夫人からは感じられます。
使用人の持っている傘の下で優雅に扇子を揺らしながら、凌夫人は鼻を鳴らします。
彼女の着ている服は見たこともないものでした。いつも行動を制限させているのに、どこから……と、夫人は考えます。
(ふん……どこから調達したんだか知らないけど……何を派手な格好してるのかねぇ)
息子の嫁は、第一夫人を離縁させたために今となっては彼女一人だったのですが……不思議なことに、彼女のみとなってしまった辺りから、夫人にはどうにも連花が気に入らないように思われていたのです。
……それでも、今は連花は身重の身でした。
蘭珠が嫁であった時には叶わなかった、待望の孫があの中にいるのです。
(主人がいる内だけでもそれなりに遇してやるか、仕方がない……)
扇子で口元を隠しながら連花を見ると、彼女と視線が合いました。
連花は視線を逸らすとかしまった、というような顔をするわけでもなく……ただ、にっこりと微笑み返してくるのみです。
(あれだけ冷遇してやってるのに、生意気な子だこと……!)
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