侯爵家に不要な者を追い出した後のこと

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本編

縁談の話の後

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ライラに縁談がある、と告げたのは義母だった。とはいえ、あまり気乗りしない様子にどうしたのかと問えば、マクレガー家の三男だという。

「この家を継ぐのは貴女だから、婿入りを希望している中で選べば良いとは思っているのだけど、少しね……気になるのよ。」

義母は何だかソフィアを気にしていて、成る程ライラにも彼女が言いたいことがわかった。

「先方は、ソフィアを望んでいるのでは?」

後妻の連れ子という立ち位置で本来ならこの家を継ぐ立場にないソフィア。だが、そもそも我が家は元は伯爵家だったわけで、結婚を機に侯爵家を与えられたのならば、ソフィアでも高位貴族との縁を結べるのではないか、と考えたのか。

だとしたら、侯爵家ではなく、ソフィア個人に向けての縁談になるために、わざわざ彼女がライラにいう必要はない。

「ソフィア個人に、と求めているのはマクレガー家の後妻であって、子爵とご本人は、ライラを求めているの。それで、少し悪いのだけど……」

義母の提案に、ライラは頷く。後妻同士親近感を持ったと言われるとそうなのか、としか思えないがわざわざソフィアに対して話を持って来たマクレガー家の後妻の裏を取りたいのだという。

「貴女には伝えていなかったけれど、実は私達は隣国の王家と深い縁があるの。ただそのことは、知る人が少ないわ。この国の王家と貴方のお父様ぐらいしか心当たりがないものだから、だから、彼女の狙いがわかるまで、どうにか貴女に協力して貰いたいのよ。」

義母の告白を聞いてライラは自分の想像が当たっていたことに驚き、納得した。やはり、シルヴィアとソフィアは隣国の縁の人物なのだ。もしかして、第三王子から逃げて来たのでは?

彼女達を守るために、出された王命だったのだ。父はならば遊び歩いている訳ではなく、密命などがあるのかもしれない。ライラは不謹慎ながらワクワクした。最近読み始めた推理小説みたい。ライラの目がキラキラし始めたのを見た義母は笑いを堪えきれてはいなかったが、ライラに真摯に向き合ってくれたような気がする。

シルヴィアと比べてソフィアとは未だにあまり話せていないライラは、彼女がどんな人間か測りかねていた。

「マクレガー家のケヴィンとは認識があるの?元々伯爵令嬢だった貴女との婚約を彼は望んでいたみたいなの。我が家が侯爵家になったことで少し諦めかけていたみたいだけど、ダメ元で声をかけて見たようよ。」

「私もあまり覚えてはいないのだけど、確か私の乳母がマクレガー家出身だったと思う。彼女は母が私を産んで少ししたら退職した、と聞いたけれど、それからの絡みはなかったから、私もケヴィンと会ったことはないと思う。」

マクレガー家から来た乳母は、乳母として雇われたのに早々に職務を放棄したと父が昔話していた。それにより母が苦労したことを父は今でも軽く恨んでいるみたい。

ケヴィンがどんな人物であれ、ライラは父のような人だったらいいな、と思う。身内の欲目と言われればそれまでだが、ライラが結婚するなら頼もしい父のような人がいい。覚えている限り、母は幸せだっただろうと思うから。



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