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違和感①
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「いや、失礼しました。確信はありませんでした。手の内を晒すと、全て憶測です。」
私は申し訳なく、思った。カマをかけたことを謝る。
「いつからお気づきでしたか。」
一瞬、ダミアンが泣きそうな顔になる。
「最初に来られた時ですかね。何故だか違和感があったのですよ。王女に本来ついていた護衛が別の人に付いていたように見えたので。あれは、デーツ公爵令嬢を守るため、でしょう?」
本来一番に守られて然るべき王女と同じくらい守られていた侍女に違和感を感じたのは偶々だった。
「彼女は今回王女の侍女として、隣国を脱出しました。」
公爵令嬢が身分を偽って、隣国へ出奔したと言う事実。
「王女も亡命の供に侍女を指名しましたしね。あれは本来なら王女ではなく、侍女に扮した公爵令嬢を逃す為でしょうか。」
「……それも憶測でしょうか?」
「ええ、憶測ついでに、彼女が命を狙われている理由も何となくわかります。」
額に手を当てて、何かを考えている彼は、私に向き直り、訴えた。
「再度、貴方に謝らなくてはなりません。」
「騙して協力させようとしたことにですか?」
笑いかけると、ダミアンは脱力し、顔を手で覆った。
「彼女は、デーツ公爵令嬢は、第一王子の婚約者ですが、二人にはどうしても結婚できない理由があるのです。」
「第一王子が平民の女に骨抜きになっていると言うのは嘘ですか?」
「噂はあります。証言や証拠もあります。だが、嘘です。第一王子は、ソフィア様のことを、大切にされています。」
「……第一王子は、ソフィア嬢を逃したのですね。」
「ええ、命より大切な人だから、と。」
ダミアンの話は、概ね憶測通りだった。
ダミアンとクロエの叔母は、側妃となり第一王子を産んだが、第一王子の父親は、国王陛下ではない。
ソフィアの父親と、第一王子の父親は同じで、二人は異母兄妹になる。
「第一王子は、自分が陛下の血を継いでいないと知っているのですか?」
「全てご存知です。ですから、自分が問題を起こし、第二王子に王位を譲りたいと考えておいでです。」
聞いて、納得した。隣国のあのわちゃわちゃ感は、色々な人が策略を、一度に引き起こした結果だということが。
それに、あちらの第一王子は、案外まともな人らしい。うちのとは大違いだ。
「ソフィア様の命を狙うのは口封じですか?」
「ええ、多分。あとは……嫉妬も幾分あるのかもしれません。」
そう言われてしっくり来た。自分が喉から手が出るほど欲しいものを、簡単に手にしている存在が憎い、と言う感情には覚えがあるから。
私は申し訳なく、思った。カマをかけたことを謝る。
「いつからお気づきでしたか。」
一瞬、ダミアンが泣きそうな顔になる。
「最初に来られた時ですかね。何故だか違和感があったのですよ。王女に本来ついていた護衛が別の人に付いていたように見えたので。あれは、デーツ公爵令嬢を守るため、でしょう?」
本来一番に守られて然るべき王女と同じくらい守られていた侍女に違和感を感じたのは偶々だった。
「彼女は今回王女の侍女として、隣国を脱出しました。」
公爵令嬢が身分を偽って、隣国へ出奔したと言う事実。
「王女も亡命の供に侍女を指名しましたしね。あれは本来なら王女ではなく、侍女に扮した公爵令嬢を逃す為でしょうか。」
「……それも憶測でしょうか?」
「ええ、憶測ついでに、彼女が命を狙われている理由も何となくわかります。」
額に手を当てて、何かを考えている彼は、私に向き直り、訴えた。
「再度、貴方に謝らなくてはなりません。」
「騙して協力させようとしたことにですか?」
笑いかけると、ダミアンは脱力し、顔を手で覆った。
「彼女は、デーツ公爵令嬢は、第一王子の婚約者ですが、二人にはどうしても結婚できない理由があるのです。」
「第一王子が平民の女に骨抜きになっていると言うのは嘘ですか?」
「噂はあります。証言や証拠もあります。だが、嘘です。第一王子は、ソフィア様のことを、大切にされています。」
「……第一王子は、ソフィア嬢を逃したのですね。」
「ええ、命より大切な人だから、と。」
ダミアンの話は、概ね憶測通りだった。
ダミアンとクロエの叔母は、側妃となり第一王子を産んだが、第一王子の父親は、国王陛下ではない。
ソフィアの父親と、第一王子の父親は同じで、二人は異母兄妹になる。
「第一王子は、自分が陛下の血を継いでいないと知っているのですか?」
「全てご存知です。ですから、自分が問題を起こし、第二王子に王位を譲りたいと考えておいでです。」
聞いて、納得した。隣国のあのわちゃわちゃ感は、色々な人が策略を、一度に引き起こした結果だということが。
それに、あちらの第一王子は、案外まともな人らしい。うちのとは大違いだ。
「ソフィア様の命を狙うのは口封じですか?」
「ええ、多分。あとは……嫉妬も幾分あるのかもしれません。」
そう言われてしっくり来た。自分が喉から手が出るほど欲しいものを、簡単に手にしている存在が憎い、と言う感情には覚えがあるから。
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