王子は真実の愛に目覚めたそうです

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季節外れの留学生

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貴族の子女が通う学園の中、一際目立っているのは、季節外れの留学生として、隣国から来たばかりの三人だ。

第二王子殿下が手配してくれた案内役は、よく出来た人物で、慣れない生活や環境を整えるのに、協力をしてくれて、大変助かった。

王女の侍女として、潜伏していた公爵令嬢は、使用人として来たため、学園に通うこともなく、ただ王女に用意された部屋の中から出ることはなかった。

自国の学校は、既に卒業した身だし、学ぶことは一通り済んではいる。今は人の目を避けるのが賢明だ。

お茶会は予定していたより早く終わり、それから滅多なことでは、第二王子にも、彼の婚約者にも会えなくなった。身バレしたことから、仲良くなれると思っていたので、肩透かしを食らった気分だ。

仲良くなるどころか避けられているように感じる。不安と言うよりは寂しい気持ちが強い。第二王子は仕方なくとも、彼の婚約者に至っては妙な親近感があり、仲良くなれると思っていたのに。

彼女は、調べたところによると、最近婚約者に裏切られているし、こちらの身とかぶることもあるし、信頼を勝ち取ることができると信じていた。

それにしても、自分の顔を見るなり、心配そうに青い顔をして、後ずさった二人には、疑問しかない。

知らない間に何かをしてしまったのだろうか。

あの後、王女も大丈夫だとフォローしてくれたものの、亡命するまでに何もない、と安心できるかどうか、すっかり分からなくなってしまった。

第二王子のように、婚約者を大切に思って全力で守る男は貴重だ。私の周りにはいない。だから、正直に言って、とても羨ましい。

私の婚約者はそう言うタイプではなかった。そうであれ、と願った思いは実らなかった。


学園は朝から夕方まであって、毎日とても時間がある。王女も、ダミアンもクロエも、学園生活を満喫している。

隣国ではいなくなった私のことを心配してくれる人がどれだけいるだろう。私がいないと言うことさえ、気づかれないなんてこともあるかもしれない。

私を送り出してくれた父の泣きそうな顔を思い出して、自分も同じような顔をしていることだろうと思う。

父は、私が幸せに少しでも恵まれますように、ととっておきの魔法をかけてくれた。これは父の妹が、こちらの王家に輿入れした時にも、かけた幸せのおまじない、だそうだ。


まあ、ただの気休めにしかならないものだと思うが、もしこのおかげで、逃げ延びることができたら、一番に父に感謝をしたい。
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