結局勝つのは……

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残念でない婚約者候補

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伯爵家のご長男は残念でしたが、その後に現れたご次男のディーン様はそれはそれは素晴らしい方でした。貴族家は後継に自身の血を求めるでしょうが、実家は裕福でも平民ですから、そんなに後継者に血筋は求めていません。優秀な人間がいるなら、それが他人であっても、良いのです。だから、我が家は婿入り、嫁入りに拘りはありません。

ただ私は折角夫婦になるなら、仲良くしたい、と願ったまでです。そして、誠実さを履き違えている男達に辟易していたので、ディーン様のちゃんとした人間性にいたく感動したのです。

ディーン様は少しのことに感動する私に苦笑されていましたが。

「こんな些細なことで喜んで貰えると、ありがたいというか何というか。」

少し呆れたように、少し申し訳なさそうに呟く姿は、困惑しているようにも見え、こちらこそ申し訳なくなります。

彼とはその後も探り探りではありますが、会話は弾みました。

そうなると、今までが酷かったからなのでしょうか。彼との会話こそが会話のような気がして、会話とは、そうこんな互いに意思疎通を行うものだったのだと、そんな根本的なことを考えたりしたのです。

彼は恋愛脳ではありませんでした。そこも私とうまくいく気がしています。

今思えば最初の婚約者候補は、あんなことがなくてもいつかはうまくいかなくなっていたでしょう。彼に対しては好きという気持ちが強すぎて、私も愚かな恋愛脳になっていたのです。彼に愛して貰えないから彼の家を潰すなんて、八つ当たりでしかないのですから。


あの頃の後始末は、マリアンヌ様にしてもらいましたが、彼女は彼女で彼の実家の権力を削ぎたかったらしいので、まあ良いとしましょう。

ディーン様は、私とマリアンヌ様の関係もご存知でした。私の愚かな過去も全て知った上で私に好意を抱いていると伝えてくれました。私には他人を見る目はあまりありません。特に男性に関しては全く自信はありません。ただ、彼が三度目の正直、であれば良いと思います。二度あることは、でないと良いと、本当に思います。

ディーン様との婚約は、すんなりと決まりはしましたが、公表はギリギリまで控えることにしました。また邪魔をされては敵わないことと、思い込みの激しい方が踊ってくれることを期待したのです。

期待に応えるように、彼らはよく踊りました。踊り子になれば良いのではないかと提案したいぐらいには。

伯爵家のご長男は、学園を卒業と同時に実家から廃籍されました。カノン子爵家はご令嬢が詐欺で逮捕されたことがきっかけで爵位を返上され、今は平民となられています。

彼女は私が何もしなくても、転落の道を歩んで行きました。やはり、転落がお望みだったのでしょうか。貴族令嬢の考えることはよくわかりません。



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