最後のスチルを完成させたら、詰んだんですけど

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王子は困惑した(8歳)

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妹の話によれば、ジークフリートは、生まれて初めての恋に有頂天になり、彼女以外何も目に入らなくなるらしい。

「初めての恋はおかしいだろう。私にはリーゼロッテが」

ヒュッと喉が鳴る。呆然としたリーゼロッテと目が合い、互いに真っ赤な顔になるジークフリートとリーゼロッテ。その様子を見て、エルフリーデは声を荒げる。

「そうなんですよ!お兄様の初恋はリーゼロッテお姉様なんです。なのに、お兄様は勘違いからお姉様に振られるんです。お姉様はお兄様からの婚約の打診を王命に逆らえなかったのだと、勘違いするのです。だけど、本当はお姉様もお兄様のことが大好きで、昔貰ったお花を押し花にして、本の栞にして大切に持っているぐらい大好きなんですのよ。それにお兄様だって、お姉様の前に行く時はいつもより念入りに香りにまで気を遣ってらっしゃるのに」

待て待て待て。どこまで喋る気だ。もうリーゼロッテが倒れてしまいそうではないか。私だってそこまで知られているなんて、恥ずかしいじゃないか。

「そこまで。それ以上は、私から言うから、待て。」
自分でも真っ赤になっていることがわかるものの、涙目になっているリーゼロッテのかわいさにキュンとしてしまい、落ち着かない。

「あ、待ってくださいませ。私、あの、今は気持ちが落ち着かなくて、恥ずかしい限りです。また日を改めて……」

「いや、日を改めるとまた、違った解釈をしかねないだろう?リーゼロッテ、今すぐ返事をする必要はないが、覚えておいて欲しいんだ。私の好きな人はリーゼロッテだ。勿論これは幼馴染としてだけではなくて、一人の男として君を愛している。まだ幼い私だが、私を信じて貰えないだろうか。」

「身に余るお言葉ですわ。私も、ジークフリート殿下をお慕いして居ます。」

こうなると、話は早い。妹エルフリーデの話を聞いて、幸せになるためにヒロインとやらと戦わなくてはならない。

それにしてもまさか自分が贈った花をそんな風に大切にしてくれているとは思わなかった。花は好きだと聞いていたから、季節の花を探して庭師と相談して、贈り方にも気を遣ってみた甲斐があった。

エルフリーデが懸念していることは、いくつかある。ヒロインの狙いが誰か。それにより迎える結末も起こりうる危険も異なる為に、注意が必要だ。ヒロインが選ぶ人間によって、お飾りの妻にエルフリーデを欲する人物も異なると言う。

そんなやつ、最初から消してしまえばいいと思うが、そうなればエルフリーデの知らない話になってしまい、対策が取れないとなれば確かに困る。

「ならば、奴らにも協力をさせれば良いのではないか?」

ヒロインの相手としてエルフリーデが覚えている男達は、皆ジークフリートの側近となる予定らしい。

名前を聞いても、なぜコイツが、と言う人は一人もいない。全員、親が要職についていたり、領地が潤っていたりする勢いのある家の出身だ。

「お兄様とヒロインの出会いの元凶となるのは、彼です。」

エルフリーデが示したのはブルーム侯爵家のドミニク。あまり面識はない。エルフリーデの情報によると、人を疑うことが苦手な典型的な良い人だそうだ。

ヒロインに対しても、すぐに絆されることから、お手軽な存在として見縊られていたらしい。

「彼には、人を疑うことから教えましょう。」

登場人物を退場させられなくとも、意識を変えるようにすることは良いらしく、エルフリーデの監修の元、計画は進んでいく。

肝心のヒロインとやらが現れた時には大方の準備は完了していた。



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