あの気持ち悪い贈り物は貴方でしたの?

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あの強烈なセンスは

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「あの、お聞きしても良いかしら。」
夫は、引き続き面白そうに笑っているので、良いみたい。

「あの、まさかとは思うのですが、あの贈り物のセンスはそちらのお嬢さんの物なの?」

口にするのも、躊躇うほどおぞましい組み合わせの贈り物の数々。あれで、好きになるメイドなんているの?少なくとも侯爵家の皆は絶句していたわ。

「あの、なんと言ったらいいのでしょう。口にするのも嫌なのだけれど、あの奇妙な、その…独特なセンスと言うか、あれで貴方を、好きになるのは非常に稀だと思いますわ。」

「あれを贈ると、喜ぶ者もいる、らしい。まあ、貴女の意見は正常です。」

ああ、良かった。やはり私は普通の感覚があったのね。

だって私宛に贈られてきたのは、布面積があまりない破廉恥な服や下着でしたのよ。センスのかけらもない奇抜な色。どうやって身につけるかわからない物。あれはどう使うのかしら。旦那様が静かにお怒りでした。

旦那様は私の手を握り、目をしっかり合わせて謝罪した。

「マーガレット、すまない。一連の騒動は私が原因だ。私は君に黙っていたことがある。」

旦那様のお顔が綺麗だわ、と関係ないことを考えてしまう。きっと混乱しているのだわ、私。

「実は君と結婚する前、うちには、もう一人マーガレットと言う名の侍女がいたんだ。」

旦那様の話をきいていた男の顔色が変わりました。

「彼女とは、神に誓って何の関係もない、ただの雇用主と使用人の関係でしかなかった。だけど、彼女は私に懸想をしていたようで、君が来る前に解雇したんだ。まあ、それまでにも散々悪質な騒ぎを起こしていたようだから。」ね、と念押しして、男の方に向き直ると、男の顔色が青から白に変わりました。人間の顔はこうも色が変わるのね。面白いこと。

で、私の名前を騙って、騒ぎを起こしたのね。

「今までは、マーガレットが一緒にやってくれてたんだ。侍女の中では、勿体無いぐらいの美人だったから。性格は悪かったけれど。」

男が誰に言うでもなく、独り言のように呟きます。

隣にいた女性は何も言わず、黙っています。彼女は、忌々しそうな顔で男をじっと眺めています。

「その、マーガレットはどこにいる?」
旦那様が静かに尋ねます。

男は、はっとして、今度は私に焦点を合わせました。

「貴女のおかげで、彼女は変わってしまいました。更に悪い方に。彼女は貴女になりたいんだと思う。私はあの女に弱味どころか息の根をつかまれているので、どうすることもできない。一連の悪巧みは、謝罪をします。申し訳ありませんでした。正式な謝罪は後日致します。」

急にしおらしくなりましたが、どうなっているのでしょう。旦那様を見ると、何か頷いていらっしゃいます。何が始まるのでしょうか。

「いや、その必要はないよ。」
旦那様は、男に向かっていきました。



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