あの気持ち悪い贈り物は貴方でしたの?

mios

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あの女性の正体は

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あの後、マーガレット様の怯え様は凄まじく、話を聞くことは諦めていた様でしたが、第三王子自身の介抱により、少しずつポツリポツリと、話してくださったようです。

彼女は、マーガレット様のお屋敷に仕えていたメイドだったようです。幼い頃から側付きとして教育を受けていて、マーガレット様と同じように育ったそうです。

女性は、平民でしたが、貴族の家のメイドとしてまあまあ裕福な生活を送っていました。そして、ある頃から、マーガレット様に対して羨望に似た少しの悪意を持つようになりました。

マーガレット様の仕草や、服や、メイクを真似るようになったようです。いつも、マーガレット様とお揃い、の装いに、家族は、メイドと主人が仲が良いことは大変美しいことだとマーガレット様を褒めていました。

それだけで済むなら良かったのですが、マーガレット様がお気づきにならないうちに、彼女によってマーガレット様の周りが変わり始めました。

知らない人がマーガレット様を知っていたり、声をかけられるようになりました。領民を持たない貴族なのに、と不思議に思っていると、それはどうやら、自分の名前を使ってメイドがやった慈善事業などが原因でした。

確かに貴族は、いくつか慈善事業を行い、民のために働くことはあります。ただ、それは裕福な貴族だけです。マーガレット様の家は、贔屓目に見ても、裕福とは言えず、寧ろ日々の生活をするのに手一杯です。

彼女はどこからそんなお金を調達したのでしょう。不審に思い調べて見ると、それは全てマーガレット様の名で借りられた借用書の金額と一致しました。

マーガレット様は父親に、それを話し、メイドは解雇、借金は肩代わりしてもらい、この話は終わりました。

終わった筈でした。

ところが、メイドは、マーガレット様に付き纏い始めました。姿は見せないものの、毎日毎日、手掛かりを残し、存在をほのめかしてきます。

ある時、マーガレット様のご実家が没落し、爵位を失いましたが、平民としてなら十分に生活できるぐらいでした。

それなのに、マーガレット様は娼館に売られてしまったのです。

何故かはわかりません。マーガレット様が仰るには、あのメイドが関わっているのだと娼館で、教えられたそうです。

マーガレット様は、よっぽど娼館で怖い目にあったのでしょう。

それはそれは怯えて、ついでに人まで変わってしまったようです。

この話、鵜呑みにして良いのでしょうか?

私はルーカスを見上げます。ルーカスも同じことを考えているようです。

この話には、続きか、話されていない部分があると。

ええ、私もそう思います。

何かが足りないのです。が、それはわかるでしょうか。第三者にわかる問題なのか、が重要ですわ。
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