男爵令息と王子なら、どちらを選ぶ?

mios

文字の大きさ
10 / 14

情報網は穴だらけ

しおりを挟む
サーシャとクララの交流は変わらず続いていた。クララには自国での友人というものはいない。他国へ留学していたから当然と言えば当然だが、一部の公爵令嬢から兄の邪魔をするなと見当違いの嫌がらせがある為に、あまり積極的に社交界に出ていない。

この公爵令嬢というのは、兄の幼馴染を自称しており、クララを目の敵にしている。兄はずっと王妃になりたい、と此方のご令嬢からアプローチされているのだが、すでにサーシャを願っている以上、とりつく島もない。

彼女は一応大臣の娘ということもあり、王城には自由に出入りできる。だが、ここは王宮内。本来なら一介の公爵令嬢が立ち入れない場所なのだが、何故か彼女はいた。

サーシャとクララの二人だけの茶会に乱入したのである。

「貴女がサーシャ・スレッジ?病弱だと言いながらレンドール様に取り入って、やっぱり血は争えないわね。王女様の母君とよく似ていらっしゃるわ。」

正直、とても面倒ではあるが、クララは悪い癖が出てしまった。彼女と、元公爵令嬢のサーシャ、どちらが公爵令嬢として上等なのか、見たくなったのだ。クララの予想としてはサーシャの圧勝ではあるのだけど、どうなのかしら。

サーシャはクララを見て動きを止める。まずはサーシャに軍配。

「あら、此方わが国の公爵令嬢のセシル嬢よ。マクドニー公爵家のご令嬢なの。元気が良くて、奇抜な発想をする方なのよ。」

威勢は良くても、マナーができないの。

「そして、此方はサーシャ・スレッジ侯爵令嬢よ。意外ね。マクドニー家の網は修理をお勧めするわ。肝心の中身が抜けているようだもの。それか、流通に問題があるのかしら。」

「失礼な!うちの話は良いんですわ。それよりも、折角留学されたのに、帰って来た理由を教えてくださらない?」

「留学期間が終わったからですわ。それ以外に何もないでしょう?」

折角割り振ってあげた問題点を一蹴し、当たり前の理由を尋ねるなんてやっぱりこの公爵令嬢はダメね。

比べる甲斐もなかった。

サーシャは笑顔を浮かべたまま、セシル嬢を値踏みしているようだ。

「留学先で素敵な方とは出会わなかったのですか?」
「出会いましたわよ。二人ほど。」
「あら、お二人も?その方ってお貴族の方?それとも……」

クララはマクドニー公爵家がどの程度の情報を手に入れているのか探ってみたが芳しい成果はないようだ。

誰かを連れて来たのはわかっていても、彼の素性にまでは行き着いていないらしい。

「内緒です。後のお楽しみですわ。」

セシル嬢はわかりやすく顔を歪めると、また唐突に去っていく。

「何かすごい人でしたわね。」

サーシャは言葉を選んでくれたけど、クララとしては自国の公爵令嬢の程度の低さに嘆くしかなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』

鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」 王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。 感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、 彼女はただ――王宮を去った。 しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。 外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、 かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。 一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。 帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、 彼女は再び“判断する側”として歩み始める。 やがて明らかになるのは、 王国が失ったのは「婚約者」ではなく、 判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。 謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。 それでも―― 選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。 これは、 捨てられた令嬢が声を荒げることなく、 世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。

(完結)(続編)カトレーネ・トマス前々公爵夫人の事件簿その2ーアナスタシヤ伯爵家の姉妹の場合ー婚約破棄を目論む妹

青空一夏
恋愛
アナスタシヤ伯爵家の姉妹は、お互いが、お互いのものをとても欲しがる。まだ、それが、物だったから良かったものの・・・今度はお互いの婚約者をうらやましがるようになって・・・妹は姉に嫉妬し、姉の婚約者を誘惑しようとするが、なかなか、うまくいかず、自分の婚約者と協力して姉を脅し、婚約破棄させようとする。 道を誤った人間に、正しい道を気がつかせるヒューマンドラマ的物語。いろいろな人生が見られます。 ざまぁ、というよりは、迷える子羊を正しい道に導くという感じかもしれません。 運営に問い合わせ済み・・・続編を投稿するにあたっては、内容が独立していれば問題ないとの許可済み。 #カトレーネ・トマス前々公爵夫人シリーズ さて、今回は、どんな解決へと導くのでしょうか?   10話ほどの予定です。

【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。

まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。 私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。 お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。 けれど、彼に言われましたの。 「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」 そうですか。男に二言はありませんね? 読んでいただけたら嬉しいです。

契約婚しますか?

翔王(とわ)
恋愛
クリスタ侯爵家の長女ミリアーヌの幼なじみで婚約者でもある彼、サイファ伯爵家の次男エドランには愛してる人がいるらしく彼女と結ばれて暮らしたいらしい。 ならば婿に来るか子爵だけど貰うか考えて頂こうじゃないか。 どちらを選んでも援助等はしませんけどね。 こっちも好きにさせて頂きます。 初投稿ですので読みにくいかもしれませんが、お手柔らかにお願いします(>人<;)

「お前を愛することはない」と言った夫がざまぁされて、イケメンの弟君に変わっていました!?

kieiku
恋愛
「お前を愛することはない。私が愛するのはただひとり、あの女神のようなルシャータだけだ。たとえお前がどんな汚らわしい手段を取ろうと、この私の心も体も、」 「そこまでです、兄上」 「なっ!?」 初夜の場だったはずですが、なんだか演劇のようなことが始まってしまいました。私、いつ演劇場に来たのでしょうか。

病弱な従妹を理由に婚約者がデートをドタキャンするので、全力で治療に協力します!

灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
ピルチャー伯爵令嬢カトレアは、アンダーソン伯爵令息リードと二ヶ月前に婚約したばかり。 今日は五回目のデートだが、リードは同居している彼の従妹ミミーの具合が悪いから延期してくれという。 五回のデートで、ドタキャンは五回目。 しかし、カトレアは抗議もせずに心底心配してリードにこう提案した。 「わたくしが全力でミミー様のお身体を治してさしあげますわ!」 だってカトレアは、聖女クラスの治癒魔法術師なのだから! ※10話で終わる予定です。 ※タイトル変更しました。

【完結】さっさと婚約破棄してくださいませんか?

凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢のシュレア・セルエリットは、7歳の時にガーナス王国の第2王子、ザーディヌ・フィー・ガーナスの婚約者となった。 はじめは嬉しかったが、成長するにつれてザーディヌが最低王子だったと気付く── 婚約破棄したいシュレアの、奮闘物語。

あなたは一体誰ですか?

らがまふぃん
恋愛
 その帝国には四人の皇子と二人の皇女がいる。一番末の第四皇子カダージュは、怠惰、陰気、愚かなど、侮蔑の言葉を向けられる皇子として知られていた。皇族からも見放され、成人後は皇位継承権を返上させられ、通常であれば返上した者が就く大公の位まで下げられようとしている。そんな噂が流れるほど、カダージュの評価は低い。そんなカダージュの婚約者であるメリオラーザに、第一皇子の生誕祭で――。 本編全12話プラス番外編です。 ※ご都合主義ですので、何でも笑って読んでいただける方向けのお話しです。 R5.12/24HOTランキング入りしておりました。たくさんのお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます(泣)読んでくださったみなさまに心から感謝を!素敵なクリスマスプレゼントを、ありがとうございました! *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.10/30に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。

処理中です...