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悲喜交々
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サーシャ・スレッジ侯爵令嬢のお披露目と、兄との婚約発表は恙無く行われた。兄の立太子を除いては、概ね想定通りなのだが。兄は事もあろうにサーシャに婚約を願う為だけに妹を売ったのだった。
「だって、それがないと、婚約してくれないっていうから。」
既に尻に敷かれている兄はまあ、良い。サーシャはローゼンウッドの王太子妃の為、さらなる余興を用意するつもりらしい。というのも、アレクサンドラから王子を奪った小娘は、ローゼンウッドの王太子に今度は狙いを移したらしく、強引に関係を迫ったらしい。
「すぐに捕まったわよ。何をする気だったかわからないけれど、ハニートラップを仕掛けようとしたんだもの。彼は一刀両断だったわ。気持ち悪い、って言われた彼女の顔!見せてあげたかったわよ。それで、貴女達は何を見せてくれるの?私、王女と貴女のどちらが優秀かを見てみたいのよ。」
王太子妃はアレクサンドラにそう言ったらしい。
「だから、最低でも、お前が舞台に上がらなければ彼女は納得しないだろう、と。」
「私は王位になんて興味がないのに?」
「ローゼンウッドに新しい属国が出来る方が良いか?」
王族であれば、自分の意見など二の次で、ってそれはわかっているけれど、単なる余興の為に国を巻き込むのは、どうなの?
あれだけ立太子にこだわっていた兄は、サーシャに言われただけで、まあ良いか、となっているし、クララに同調してくれる人間はいない。
こんな時こそ、マクドニー家はどうした、と思うが、それはサーシャが既に粛清済みだった。
サーシャと兄が婚約者となる前に、セシル・マクドニーは公爵令嬢ではなくなった。公爵も公爵ではなくなり、領地内で蟄居することになった。
「何があったの?」と聞くも、兄からは聞かない方がいいと、首をふられ、サーシャも「間違いがあったのよ。」とそれしか教えてくれない。
風の噂では、マクドニー公爵令嬢が媚薬を用意したとこまではわかったのだけれどそれをサーシャに飲ませようとしたが間違えてセシル嬢が飲んでしまったそうで。マクドニー公爵がサーシャを見る目がやらしかったことから、多分この男も一枚噛んでいて……え?親子でってこと?
いや、これ以上は確かにつつかない方が良いわね。
気を取り直して、これはまさか私も立太子に挑む流れになるのでは?
エリアスは今頃になって、「私の素性を先に決めておかなくて良かったんだな。」とか言っている。
どういう訳か、と見つめたら、「だって、あのままじゃ、下手したら平民になる流れだったじゃないか。
祖国は小さいがまだ頑張って国を保ってはいるし、私はまだ王族だ。」と笑う。
彼の言った意味がやっとわかった。
「それで、質問なんだけど、私の地位として男爵令息と王子、どちらを選ぶ?」
クララは観念せざるを得ない状況に呻いた。
「ちょっと、考えさせて……」
終わり
読んでいただき、ありがとうございました! mios
「だって、それがないと、婚約してくれないっていうから。」
既に尻に敷かれている兄はまあ、良い。サーシャはローゼンウッドの王太子妃の為、さらなる余興を用意するつもりらしい。というのも、アレクサンドラから王子を奪った小娘は、ローゼンウッドの王太子に今度は狙いを移したらしく、強引に関係を迫ったらしい。
「すぐに捕まったわよ。何をする気だったかわからないけれど、ハニートラップを仕掛けようとしたんだもの。彼は一刀両断だったわ。気持ち悪い、って言われた彼女の顔!見せてあげたかったわよ。それで、貴女達は何を見せてくれるの?私、王女と貴女のどちらが優秀かを見てみたいのよ。」
王太子妃はアレクサンドラにそう言ったらしい。
「だから、最低でも、お前が舞台に上がらなければ彼女は納得しないだろう、と。」
「私は王位になんて興味がないのに?」
「ローゼンウッドに新しい属国が出来る方が良いか?」
王族であれば、自分の意見など二の次で、ってそれはわかっているけれど、単なる余興の為に国を巻き込むのは、どうなの?
あれだけ立太子にこだわっていた兄は、サーシャに言われただけで、まあ良いか、となっているし、クララに同調してくれる人間はいない。
こんな時こそ、マクドニー家はどうした、と思うが、それはサーシャが既に粛清済みだった。
サーシャと兄が婚約者となる前に、セシル・マクドニーは公爵令嬢ではなくなった。公爵も公爵ではなくなり、領地内で蟄居することになった。
「何があったの?」と聞くも、兄からは聞かない方がいいと、首をふられ、サーシャも「間違いがあったのよ。」とそれしか教えてくれない。
風の噂では、マクドニー公爵令嬢が媚薬を用意したとこまではわかったのだけれどそれをサーシャに飲ませようとしたが間違えてセシル嬢が飲んでしまったそうで。マクドニー公爵がサーシャを見る目がやらしかったことから、多分この男も一枚噛んでいて……え?親子でってこと?
いや、これ以上は確かにつつかない方が良いわね。
気を取り直して、これはまさか私も立太子に挑む流れになるのでは?
エリアスは今頃になって、「私の素性を先に決めておかなくて良かったんだな。」とか言っている。
どういう訳か、と見つめたら、「だって、あのままじゃ、下手したら平民になる流れだったじゃないか。
祖国は小さいがまだ頑張って国を保ってはいるし、私はまだ王族だ。」と笑う。
彼の言った意味がやっとわかった。
「それで、質問なんだけど、私の地位として男爵令息と王子、どちらを選ぶ?」
クララは観念せざるを得ない状況に呻いた。
「ちょっと、考えさせて……」
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