ロボット先生

ヒムネ

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今年の最後に

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 2学期が終わって町にはLEDで点灯するクリスマスツリーやサンタの格好をする店員など一気にクリスマスムード。秋も帽子をかぶりロボット先生に見てもらいたくて学校に向かっていた。

 先生は変わらずのスーツ姿で学校の周りを丁寧にほうきで掃いている。
「先生っ、メリークリスマス!」
「秋さん、メリークリスマス。可愛いサンタ帽ですね」
「えへっ」
「冬休み中に学校に来てどうしました?」
「ロボット先生に、御礼しに来たんです」
「御礼ですか」

「はいっ、先生が学校に来てあたしの夢を助けてくれたり、九美の事とか、文化祭でサプライズみたいな事してくれたりとか、ロボット先生にすん~ごく感謝してるの」

「······秋さんは本当元気な人ですね、私も秋さんに出会えて感謝してますよ」

「ホントですかっ、えへへ」秋は手袋をした右手で自分の頭を擦りながら照れた。

「秋さん、その感謝する気持ちを忘れないでください。そうすれば、きっと良い看護師さんになれますよ」

「そう言って貰えて嬉しいです。先生は、ずっとこの学校にいるんですか?」
 ロボット先生は上を向き、機械の右手を顎辺りに当て、
「う~ん、それは分かりませんね、何せロボットですから」

「そうなんだ······じゃあ先生あたし帰ります。寒いしっ」
「はい、気を付けてくださいね」
「先生今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします!」
「秋さん今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします」
「じゃあね、先生~」
「はい、さようなら」

 彼女にとって何でも聞いてくれて時には知らずに動いてくれたり、、考えてなさそうに見えて実は生徒のことをいつも考えてくれている。そんなロボット先生との一年間が楽しかった秋は、またワクワクな来年が来ると思いながら帰って行った。

 秋と話したことでふと今年の出来事を思い出す。不思議に感じたと同時に暑さや冷たさを感じないはずの自分に柔らかい暖かさが、それは今年の花火を生徒達と見た時に感じた温もりだった――。

 12月28日この日は先生達にとって今年最後の出勤で大井先生は今年最後の会議だった。そこである課題を話し合う。

「――こんなこと、私は反対です!」眉間にシワを寄せ大井先生がきっぱりと言う。

「そうは言われましても、では多数決で······」
 しかし出席した先生のほとんどが手を上げる。

「そんな、どうして」愕然とした。
「多数決なので決まりです。ロボット先生も異論はないですね」

「······はい」
「待ってくださいっ、私は異論あります······」
 再度異論を交わすが決定は揺るがず決まってしまう。

「――ロボット先生っ、これで良かったんですかっ!」
 大井先生は、怒り気味で問うが、
「ロボットですから」
 そう言って去るロボット先生に人間とロボットの距離を遠く感じ会議と今年を終える······。
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