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アルバード王立高等学院~迫りくる悪の手~
大スキなヒトを守るタメ
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「1位のカイさんとヴィアンさん、2位のヒュールさん、3位のセシルさん、おめでとうございます!チャレンジなさる方はいらっしゃいますか?」
と司会が言ったのでスッと手を上げる。
すると周りから割れんばかりの歓声が上がった。
「いいぞいいぞ!300万むしりとれ!」
「まだ子供なのに凄いわねぇ」
等々…
「それでは、3年ぶりの1位によるチャレンジを始めます!!!リーダー、こちらへ!」
そう言って真ん中に置かれた椅子へと優雅に歩いてくるのはフローレス嬢だった。
彼女の後に続き僕もイスに座る。
決勝戦では僕らから数メートル離れた場所で観客は円形になりヤジをとばすようだ。
「カイさん、ヴィアンさんはどこです?」
と司会が聞いてきたのであらかじめ考えていた答えを言う。
「彼は少し前に広場で行われた演目で魔力を使い果たして休憩しているためここにはいません。なのでチャレンジには僕だけで臨みます。」
「わかりました。チャレンジでは時間の制限がございませんのでゆっくりとやっていただいても構いませんが、この場を離れることは禁止されていますのでご注意ください。…まあ少しくらいなら離れても構いませんけどね。…それではスタートです!」
「先手はお譲りしますよ。」
「そう?ありがとう。」
「試合を少し見させてもらいましたがチェスがお得意なんですね。無駄なところが一切ありませんでした。」
「フローレス嬢のお眼鏡にかなってよかったよ。…君との初戦はもっと静かな所でやりたかったんだけどな。」
そう言って僕は外野を睨み付ける。お祖父様達は静かに見ていてくれているが特にクラブのやつらがうるさい。
「まあまあ、彼らもハルシャ卿を応援している過程でのことですから。」
「いやいや。君を応援する声の方がうるさいよ?…はぁ…こんなんじゃ集中できるものもできないな」
「ふふ…それでも一瞬で駒を動かしているということは一度も迷っていないということなんじゃないですか?」
「生憎と僕は生まれてこのかた1度たりともチェスで負けたことはない、、と言いたいところだけど本当にこの勝負はどうなるかわからないな。」
そう言って僕は初めて手を空中で彷徨わせた。
まるで自分の戦略をよく知っている敵と戦っているみたいだ。
痛いところをつかれる。
綺麗な顔をしてえげつないな…
「これでいいか…」
「ハルシャ卿らしくないですね。これも戦略の一つなのですか?」
「さあね。それを言っちゃあ面白くない。でもこれだけは断言できる。君は僕が今まで会ったどんな人よりもチェスが強い。」
「そうなのですか?お世辞でもそう言ってもらえると嬉しいです。」
「…お世辞ではないんだけどな」
そう僕が言った時、目の前がグニャッと曲がった。
目の前でにこやかに笑っていたはずのフローレス嬢が後ろからナイフを刺されて血を流していた。
刺した本人は彼女の後ろに無表情で立っていた。
もう一度瞬きをしたときにはその幻像は消えていて、驚いた僕はガタッと音をたててイスから立ち上がっていた。
「どうしました?顔が真っ青ですけど…」
そう言って心配そうに言うフローレス嬢の真後ろに人混みに紛れて先程見た男がナイフを持って立っていた。
そして一瞬でフローレス嬢に近づいた。
、、そのことに誰も気づいていないようだった、そう、誰も。
ガンガンという激しい警告音が僕の頭の中でなる。助けなければ絶対に後悔すると魂が叫んでいるようだった。
本能で机ごしに彼女の腕を引っ張り自身を前に出す。チェス盤が机から転げ落ちようが気にもならなかった。
一瞬の出来事のはずがスローモーションで迫ってくる。
避けることも出来ず、せめて死なないようにと振り下ろされるナイフが腕に当たるよう調節した。
グサッとナイフが肉を切る音がして、続いて信じられないほどの痛みが僕を襲った。
そんな痛みに叫び声をあげている暇もなく目の前の男が刺されていない方の腕に噛みついた。
声にならない悲鳴をあげるも意味はなかった。
どんどんと言うこともはばかれるような恐ろしい感情が僕を襲った。
ダレかヲ はヤく コロシたイ
チが ミタい
誰かに操られていく、頭の中までも支配されてしまうそんな恐怖が僕を抉っていく。
周りの音はもう聞こえなくなり、それどころか視界も半分になっていてた
ボクに噛みついタ男はモう死んでいタ
気づけバ、ボクは周りのヒトたちにナイフを向けていタ
そレに気づいたオジイサマが僕を止めようとしていル
あア…ホントうに…ころシタイ、コロシタイ、、コロシタイ!!
…だが、だめだ
これ以上、自分が大好きな人達を傷つけるわけにはいかない
まだ少し理性が残っている内に…
そう思ってボクはナイフを自分に突きつけた。いや、突きつけようとした。
だがそのナイフはそれを止めようとしたお祖父様の手を貫いた。
そのぜつボウをマノあたりにしタあと、ボクのしかイはアンテンした
と司会が言ったのでスッと手を上げる。
すると周りから割れんばかりの歓声が上がった。
「いいぞいいぞ!300万むしりとれ!」
「まだ子供なのに凄いわねぇ」
等々…
「それでは、3年ぶりの1位によるチャレンジを始めます!!!リーダー、こちらへ!」
そう言って真ん中に置かれた椅子へと優雅に歩いてくるのはフローレス嬢だった。
彼女の後に続き僕もイスに座る。
決勝戦では僕らから数メートル離れた場所で観客は円形になりヤジをとばすようだ。
「カイさん、ヴィアンさんはどこです?」
と司会が聞いてきたのであらかじめ考えていた答えを言う。
「彼は少し前に広場で行われた演目で魔力を使い果たして休憩しているためここにはいません。なのでチャレンジには僕だけで臨みます。」
「わかりました。チャレンジでは時間の制限がございませんのでゆっくりとやっていただいても構いませんが、この場を離れることは禁止されていますのでご注意ください。…まあ少しくらいなら離れても構いませんけどね。…それではスタートです!」
「先手はお譲りしますよ。」
「そう?ありがとう。」
「試合を少し見させてもらいましたがチェスがお得意なんですね。無駄なところが一切ありませんでした。」
「フローレス嬢のお眼鏡にかなってよかったよ。…君との初戦はもっと静かな所でやりたかったんだけどな。」
そう言って僕は外野を睨み付ける。お祖父様達は静かに見ていてくれているが特にクラブのやつらがうるさい。
「まあまあ、彼らもハルシャ卿を応援している過程でのことですから。」
「いやいや。君を応援する声の方がうるさいよ?…はぁ…こんなんじゃ集中できるものもできないな」
「ふふ…それでも一瞬で駒を動かしているということは一度も迷っていないということなんじゃないですか?」
「生憎と僕は生まれてこのかた1度たりともチェスで負けたことはない、、と言いたいところだけど本当にこの勝負はどうなるかわからないな。」
そう言って僕は初めて手を空中で彷徨わせた。
まるで自分の戦略をよく知っている敵と戦っているみたいだ。
痛いところをつかれる。
綺麗な顔をしてえげつないな…
「これでいいか…」
「ハルシャ卿らしくないですね。これも戦略の一つなのですか?」
「さあね。それを言っちゃあ面白くない。でもこれだけは断言できる。君は僕が今まで会ったどんな人よりもチェスが強い。」
「そうなのですか?お世辞でもそう言ってもらえると嬉しいです。」
「…お世辞ではないんだけどな」
そう僕が言った時、目の前がグニャッと曲がった。
目の前でにこやかに笑っていたはずのフローレス嬢が後ろからナイフを刺されて血を流していた。
刺した本人は彼女の後ろに無表情で立っていた。
もう一度瞬きをしたときにはその幻像は消えていて、驚いた僕はガタッと音をたててイスから立ち上がっていた。
「どうしました?顔が真っ青ですけど…」
そう言って心配そうに言うフローレス嬢の真後ろに人混みに紛れて先程見た男がナイフを持って立っていた。
そして一瞬でフローレス嬢に近づいた。
、、そのことに誰も気づいていないようだった、そう、誰も。
ガンガンという激しい警告音が僕の頭の中でなる。助けなければ絶対に後悔すると魂が叫んでいるようだった。
本能で机ごしに彼女の腕を引っ張り自身を前に出す。チェス盤が机から転げ落ちようが気にもならなかった。
一瞬の出来事のはずがスローモーションで迫ってくる。
避けることも出来ず、せめて死なないようにと振り下ろされるナイフが腕に当たるよう調節した。
グサッとナイフが肉を切る音がして、続いて信じられないほどの痛みが僕を襲った。
そんな痛みに叫び声をあげている暇もなく目の前の男が刺されていない方の腕に噛みついた。
声にならない悲鳴をあげるも意味はなかった。
どんどんと言うこともはばかれるような恐ろしい感情が僕を襲った。
ダレかヲ はヤく コロシたイ
チが ミタい
誰かに操られていく、頭の中までも支配されてしまうそんな恐怖が僕を抉っていく。
周りの音はもう聞こえなくなり、それどころか視界も半分になっていてた
ボクに噛みついタ男はモう死んでいタ
気づけバ、ボクは周りのヒトたちにナイフを向けていタ
そレに気づいたオジイサマが僕を止めようとしていル
あア…ホントうに…ころシタイ、コロシタイ、、コロシタイ!!
…だが、だめだ
これ以上、自分が大好きな人達を傷つけるわけにはいかない
まだ少し理性が残っている内に…
そう思ってボクはナイフを自分に突きつけた。いや、突きつけようとした。
だがそのナイフはそれを止めようとしたお祖父様の手を貫いた。
そのぜつボウをマノあたりにしタあと、ボクのしかイはアンテンした
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