異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明

文字の大きさ
127 / 343
アルバード王立高等学院~迫りくる悪の手~

大スキなヒトを守るタメ

しおりを挟む
「1位のカイさんとヴィアンさん、2位のヒュールさん、3位のセシルさん、おめでとうございます!チャレンジなさる方はいらっしゃいますか?」

と司会が言ったのでスッと手を上げる。

すると周りから割れんばかりの歓声が上がった。

「いいぞいいぞ!300万むしりとれ!」

「まだ子供なのに凄いわねぇ」

               等々…

「それでは、3年ぶりの1位によるチャレンジを始めます!!!リーダー、こちらへ!」

そう言って真ん中に置かれた椅子へと優雅に歩いてくるのはフローレス嬢だった。

彼女の後に続き僕もイスに座る。

決勝戦では僕らから数メートル離れた場所で観客は円形になりヤジをとばすようだ。

「カイさん、ヴィアンさんはどこです?」

と司会が聞いてきたのであらかじめ考えていた答えを言う。

「彼は少し前に広場で行われた演目で魔力を使い果たして休憩しているためここにはいません。なのでチャレンジには僕だけで臨みます。」

「わかりました。チャレンジでは時間の制限がございませんのでゆっくりとやっていただいても構いませんが、この場を離れることは禁止されていますのでご注意ください。…まあ少しくらいなら離れても構いませんけどね。…それではスタートです!」


「先手はお譲りしますよ。」


「そう?ありがとう。」


「試合を少し見させてもらいましたがチェスがお得意なんですね。無駄なところが一切ありませんでした。」


「フローレス嬢のお眼鏡にかなってよかったよ。…君との初戦はもっと静かな所でやりたかったんだけどな。」

そう言って僕は外野を睨み付ける。お祖父様達は静かに見ていてくれているが特にクラブのやつらがうるさい。

「まあまあ、彼らもハルシャ卿を応援している過程でのことですから。」


「いやいや。君を応援する声の方がうるさいよ?…はぁ…こんなんじゃ集中できるものもできないな」


「ふふ…それでも一瞬で駒を動かしているということは一度も迷っていないということなんじゃないですか?」


「生憎と僕は生まれてこのかた1度たりともチェスで負けたことはない、、と言いたいところだけど本当にこの勝負はどうなるかわからないな。」

そう言って僕は初めて手を空中で彷徨わせた。

まるで自分の戦略をよく知っている敵と戦っているみたいだ。

痛いところをつかれる。

綺麗な顔をしてえげつないな…

「これでいいか…」


「ハルシャ卿らしくないですね。これも戦略の一つなのですか?」


「さあね。それを言っちゃあ面白くない。でもこれだけは断言できる。君は僕が今まで会ったどんな人よりもチェスが強い。」


「そうなのですか?お世辞でもそう言ってもらえると嬉しいです。」


「…お世辞ではないんだけどな」

そう僕が言った時、目の前がグニャッと曲がった。

目の前でにこやかに笑っていたはずのフローレス嬢が後ろからナイフを刺されて血を流していた。

刺した本人は彼女の後ろに無表情で立っていた。

もう一度瞬きをしたときにはその幻像は消えていて、驚いた僕はガタッと音をたててイスから立ち上がっていた。

「どうしました?顔が真っ青ですけど…」

そう言って心配そうに言うフローレス嬢の真後ろに人混みに紛れて先程見た男がナイフを持って立っていた。

そして一瞬でフローレス嬢に近づいた。

、、そのことに誰も気づいていないようだった、そう、誰も。

ガンガンという激しい警告音が僕の頭の中でなる。助けなければ絶対に後悔すると魂が叫んでいるようだった。

本能で机ごしに彼女の腕を引っ張り自身を前に出す。チェス盤が机から転げ落ちようが気にもならなかった。

一瞬の出来事のはずがスローモーションで迫ってくる。

避けることも出来ず、せめて死なないようにと振り下ろされるナイフが腕に当たるよう調節した。

グサッとナイフが肉を切る音がして、続いて信じられないほどの痛みが僕を襲った。

そんな痛みに叫び声をあげている暇もなく目の前の男が刺されていない方の腕に噛みついた。

声にならない悲鳴をあげるも意味はなかった。

どんどんと言うこともはばかれるような恐ろしい感情が僕を襲った。


ダレかヲ はヤく コロシたイ

チが ミタい


誰かに操られていく、頭の中までも支配されてしまうそんな恐怖が僕を抉っていく。

周りの音はもう聞こえなくなり、それどころか視界も半分になっていてた


ボクに噛みついタ男はモう死んでいタ

気づけバ、ボクは周りのヒトたちにナイフを向けていタ

そレに気づいたオジイサマが僕を止めようとしていル

あア…ホントうに…ころシタイ、コロシタイ、、コロシタイ!!

…だが、だめだ 

これ以上、自分が大好きな人達を傷つけるわけにはいかない


まだ少し理性が残っている内に…

そう思ってボクはナイフを自分に突きつけた。いや、突きつけようとした。

だがそのナイフはそれを止めようとしたお祖父様の手を貫いた。

そのぜつボウをマノあたりにしタあと、ボクのしかイはアンテンした
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

ファンタジー
 高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。 見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。 確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!? ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・ 気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。 誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!? 女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話 保険でR15 タイトル変更の可能性あり

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました

竹桜
ファンタジー
 誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。  その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。  男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。   自らの憧れを叶える為に。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...