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冬休み~消えることのないキズナ~
帰還
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ぱっと目を開ければ、とんでもない頭痛が僕を襲った。幸か不幸か気を失うレベルではない。頭を押さえながら体を起こし周りを見てみると懐かしい顔が部屋の中にいた。
「はぁ?なんで??僕、学院にいたんじゃ…」
そう思わず呟くと部屋にいた全員がこっちを見た。…驚きを通り越してなんか怖いな…
「カイ!!やっと目を覚ましたんか!!」
コウの大きな声に頭がキーンとして余計に痛くなった。
「頭押さえてどうしたんや?痛いんか?」
「コウ、カイは今起きたばっかりなんだ。大きい声を出したらダメだ。カイ、少し待っててくれ。先生を呼んでくるから。」
そう言ってイリアスが慌ただしく部屋から出ていく。
「ごめんな、カイ。びっくりして大きい声だしてしもた。」
「…別にいいよ。…いや、よくはないか。僕、どれぐらい寝てたの?」
「大体一週間ぐらいちゃう?」
「なんで僕はここにいるの?」
「あー、なんやっけ?…そう、あれや!予知眼で未来を見るときにたまに倒れてしばらく起きひん人がおるらしくて、その人、起きた時に意味わからんことを言うことが多いからって…うん?よう分からんなってきた」
あーなるほど。予知眼の能力の範囲などは国家機密に等しいから学院に僕を置いておくわけにはいかなかったのか…
「じゃあ期末試験とかはどうするんだろ?」
「さあ?ここで受けるんちゃう?それか見込み点とか…」
とんとん、と控えめにノックがされる
「どうぞ」
扉からイリアスと先生、そしてお祖父様が入ってきた。
お祖父様の姿を見たとき、ほんの少しだけ頭痛が強まった気がした。
「ライウェル、よろしく頼む。」
そんなお祖父様の言葉に先生は軽く頷いてスキル「診察」を使う。どこが悪いのかが分かるスキルだと昔言っていたが、今は細部まで分かられると困るなぁ…
「うーん、カイ、痛いのは頭だけか?」
いや、なんで頭痛いのばれてんの?魂が問題だから脳に異常はないはず…それに先生が来てからは頭を押さえてないし、、普通に怖い…
「…うん」
「倒れる時に頭を打ったっていう報告は上がってないし、頭に異常はないんだけどな、、」
「カイ、予知眼となにか関係があったか?」
「ううん。関係ないと思う。なんにも覚えてないし。」
『お前、よく平然とウソがつけるな…』
脳内に響いてきたライの声に肩が跳ね上がる。
「カイ?どうかしたのか?」
「えっ?…あっ、、いや…なんでもない。」
ライ、急に話しかけてこないでくれる?びっくりするから。
『それは無理な相談だな。だってこっちは超ヒマだからな。お前と会話するしかやることがない。』
だとしてもだよ!怪しまれ…
「カイ?本当にどうしたんだ?さっきから上の空だが…」
ほらっ、やっぱり怪しまれたじゃないか!!
「本当になんでもないんだ。多分この頭痛は日にち薬で治ると思うから、先生もそんなに深刻そうな顔をしないでくれる?こっちまで不安になるから。」
「あっ、ああ。分かった。カイ、当分は安静にな。何かあったり、症状が悪化した場合はちゃんと俺を呼ぶんだぞ。」
「分かってるよ。」
「…ほんとか?お前、前科あるからな?」
前科?そんなのあったけ?
「ほんとほんと。」
まあ今回は、多分治癒士には治せないから言わないけど。
そんな思いとは裏腹に、先生が毎日診察に来たせいでいろいろと正直に言ってしまったのはまた別の話し。
♢
そこからまた一週間がたち、僕の頭痛は完全になくなった。その代わりといってはなんだが、ライとの会話が増えた。
「もう痛みはないんだな?」
「うん。」
「じゃあ今日から戦闘の訓練をしてもいいぞ。」
「やった!!カイ!俺と勝負しようぜ!!」
おい、、治ったばかりの人に無理させようとするな、エレン。
『それぐらいしてやれよ、カイ。あの少年、ずっとお前と手合わせするのを待ってたんだろ?』
えぇ…
「…まあいいよ。」
「よしっ!じゃあ俺は先に訓練場で待ってるから準備ができたら来てくれ!!」
エレンはドアを蹴破りそうな勢いで開けて出ていく。
その様子を見て僕はため息をついた。
「はぁ…なんでエレンはそんなに僕と手合わせがしたいんだろうね…」
一人ごとのように言うと隣にいたコウが反応した。
「エレンだけちゃうで。俺もしたいもん。」
うち、そんなに戦闘狂多かったけ?
「カイさん、この前の武道大会で長剣使ってましたよね?」
「それはそうだけど、そのことと何の関係が?」
「僕たちと会った時あたりでは苦手だって言ってませんでしたか?」
「…言ったかもね。我流だと短剣の方が扱いやすいんだ。ただ、ちゃんと教えてもらうようになってからは長剣の方が上手くなったけどね。」
といってもここ最近の話だが。
「ほら、ハルシャ家って全員長剣使いでしょ?だから遺伝だと思うよ。」
事実、僕の母も長剣を持って戦場に出たことがあるらしいし。
「多分、その剣技を見て戦闘職のお二人は感化されたんじゃないでしょうか?」
あぁ…そういうこと?
「仕方ないなぁ…」
そう言って僕は重い腰を上げたのだった。
「はぁ?なんで??僕、学院にいたんじゃ…」
そう思わず呟くと部屋にいた全員がこっちを見た。…驚きを通り越してなんか怖いな…
「カイ!!やっと目を覚ましたんか!!」
コウの大きな声に頭がキーンとして余計に痛くなった。
「頭押さえてどうしたんや?痛いんか?」
「コウ、カイは今起きたばっかりなんだ。大きい声を出したらダメだ。カイ、少し待っててくれ。先生を呼んでくるから。」
そう言ってイリアスが慌ただしく部屋から出ていく。
「ごめんな、カイ。びっくりして大きい声だしてしもた。」
「…別にいいよ。…いや、よくはないか。僕、どれぐらい寝てたの?」
「大体一週間ぐらいちゃう?」
「なんで僕はここにいるの?」
「あー、なんやっけ?…そう、あれや!予知眼で未来を見るときにたまに倒れてしばらく起きひん人がおるらしくて、その人、起きた時に意味わからんことを言うことが多いからって…うん?よう分からんなってきた」
あーなるほど。予知眼の能力の範囲などは国家機密に等しいから学院に僕を置いておくわけにはいかなかったのか…
「じゃあ期末試験とかはどうするんだろ?」
「さあ?ここで受けるんちゃう?それか見込み点とか…」
とんとん、と控えめにノックがされる
「どうぞ」
扉からイリアスと先生、そしてお祖父様が入ってきた。
お祖父様の姿を見たとき、ほんの少しだけ頭痛が強まった気がした。
「ライウェル、よろしく頼む。」
そんなお祖父様の言葉に先生は軽く頷いてスキル「診察」を使う。どこが悪いのかが分かるスキルだと昔言っていたが、今は細部まで分かられると困るなぁ…
「うーん、カイ、痛いのは頭だけか?」
いや、なんで頭痛いのばれてんの?魂が問題だから脳に異常はないはず…それに先生が来てからは頭を押さえてないし、、普通に怖い…
「…うん」
「倒れる時に頭を打ったっていう報告は上がってないし、頭に異常はないんだけどな、、」
「カイ、予知眼となにか関係があったか?」
「ううん。関係ないと思う。なんにも覚えてないし。」
『お前、よく平然とウソがつけるな…』
脳内に響いてきたライの声に肩が跳ね上がる。
「カイ?どうかしたのか?」
「えっ?…あっ、、いや…なんでもない。」
ライ、急に話しかけてこないでくれる?びっくりするから。
『それは無理な相談だな。だってこっちは超ヒマだからな。お前と会話するしかやることがない。』
だとしてもだよ!怪しまれ…
「カイ?本当にどうしたんだ?さっきから上の空だが…」
ほらっ、やっぱり怪しまれたじゃないか!!
「本当になんでもないんだ。多分この頭痛は日にち薬で治ると思うから、先生もそんなに深刻そうな顔をしないでくれる?こっちまで不安になるから。」
「あっ、ああ。分かった。カイ、当分は安静にな。何かあったり、症状が悪化した場合はちゃんと俺を呼ぶんだぞ。」
「分かってるよ。」
「…ほんとか?お前、前科あるからな?」
前科?そんなのあったけ?
「ほんとほんと。」
まあ今回は、多分治癒士には治せないから言わないけど。
そんな思いとは裏腹に、先生が毎日診察に来たせいでいろいろと正直に言ってしまったのはまた別の話し。
♢
そこからまた一週間がたち、僕の頭痛は完全になくなった。その代わりといってはなんだが、ライとの会話が増えた。
「もう痛みはないんだな?」
「うん。」
「じゃあ今日から戦闘の訓練をしてもいいぞ。」
「やった!!カイ!俺と勝負しようぜ!!」
おい、、治ったばかりの人に無理させようとするな、エレン。
『それぐらいしてやれよ、カイ。あの少年、ずっとお前と手合わせするのを待ってたんだろ?』
えぇ…
「…まあいいよ。」
「よしっ!じゃあ俺は先に訓練場で待ってるから準備ができたら来てくれ!!」
エレンはドアを蹴破りそうな勢いで開けて出ていく。
その様子を見て僕はため息をついた。
「はぁ…なんでエレンはそんなに僕と手合わせがしたいんだろうね…」
一人ごとのように言うと隣にいたコウが反応した。
「エレンだけちゃうで。俺もしたいもん。」
うち、そんなに戦闘狂多かったけ?
「カイさん、この前の武道大会で長剣使ってましたよね?」
「それはそうだけど、そのことと何の関係が?」
「僕たちと会った時あたりでは苦手だって言ってませんでしたか?」
「…言ったかもね。我流だと短剣の方が扱いやすいんだ。ただ、ちゃんと教えてもらうようになってからは長剣の方が上手くなったけどね。」
といってもここ最近の話だが。
「ほら、ハルシャ家って全員長剣使いでしょ?だから遺伝だと思うよ。」
事実、僕の母も長剣を持って戦場に出たことがあるらしいし。
「多分、その剣技を見て戦闘職のお二人は感化されたんじゃないでしょうか?」
あぁ…そういうこと?
「仕方ないなぁ…」
そう言って僕は重い腰を上げたのだった。
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